10月3日の
セリエA第7節、フィオレンティーナ対
ナポリの一戦で、観客から
ナポリの黒人選手たちに対する人種差別があったようだ。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』などが報じている。
試合は前半にフィオレンティーナが先制。だが、
ナポリが追いついてハーフタイムを迎え、後半立ち上がりに逆転して逃げ切った。
ナポリは開幕7連勝で単独首位を維持。フィオレンティーナは5節のインテル戦同様、強豪相手に善戦するも3試合で2つ目の黒星を喫している。
問題は、試合が終わってからだ。ホームスタジアムの一部観客から、カリドゥ・クリバリやヴィクター・オシメーン、アンドレ・アンギサに対する差別野次が飛んだという。報道によれば、オシメーンやアンギサは皮肉の冷笑を浮かべてピッチを後にしたそうだ。
しかし、長年イタリアでプレーする中でたびたび人種差別の被害に遭ってきたクリバリは、怒りを露にしたという。報道によると、クリバリは自身を「サル」と罵倒した者に、「勇気があるならここに来て面と向かって言ってみろ」と激昂した。
【画像】人種差別的発言に激昂するクリバリと怒りの投稿 フィオレンティーナの幹部であるジョー・バローネは、試合後に
ナポリのロッカールームを訪れて謝罪したとのこと。また、クラブとしてフィオレンティーナは差別を絶対に許さないとの姿勢を示したそうだ。クラブの今後の対応が注目される。
一方、オシメーンはその後、SNSで「子どもや親と話し、肌の色で個人を憎むのがいかにおぞましいものかを、分からせなければいけない」と、差別撲滅を目指した教育の大切さを訴えた。
報道によると、この日の試合では
ナポリ地域に対する侮蔑も繰り返されたという。イタリアでは各地で「ヴェスービオ(火山)、あいつらを洗い流せ」という
ナポリ差別のチャントが有名だ。
イタリアにおける人種差別問題は周知のとおり。一刻も早く、愚かな行為を根絶できるように願うばかりだ。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部