ニューストップ > IT 経済ニュース > ガジェットニュース
Engadget 日本版
また老舗テクノロジー系媒体Ars Technica の Sam Machkovech は複数の情報源から確証を得た話として、Valveが手持ち操作する Linux ベースの携帯 Steam PC をかなり前から開発していること、試作機のひとつはニンテンドースイッチよりかなり幅が広く、2つのスティックやタッチパッド、タッチスクリーン等を備えると伝えています。
Valve は2013年にも、Linuxベースの独自OSである SteamOSを備え、Steamで販売されるゲームの一部が遊べるプラットフォーム Steam Machine を発表しています。
Steam Machine は主にデスクトップ向けの規格で、コントローラとしては親指でマウスに近い精度の実現を目指し大きなタッチパッドを採用した Steam Controller を開発・発売していました。Steam Controller はPCでも汎用コントローラとして利用できましたが、現在は終売となっています。
Steam Machineは対応ゲームの少なさ、Windows PC比でのパフォーマンス、すでにPCを使っているであろうSteamユーザーに対して、テレビ接続向けとはいえ機能限定のPCをまた販売する難しさ、Valve自身がメインのゲーミングPCからストリーミングでゲームをプレイする Steam Linkを提供することなど複数の理由から本格的な展開には至らず、いつの間にか消えた状態でした。
Valveの親玉であるゲイブ自身、Steam Machineはまだ課題が多く未完成のまま推進したためにゲーマーの信頼を得られなかったこと、ハードとソフトを一体化した設計ができていなかったことなどを反省点として挙げ、後に高性能VRデバイス Valve Index とVRゲーム Half-Life Alyxの開発にあたっての教訓となったことを語っています。
一方で、モバイル機器に使われるプロセッサの高性能化・低消費電力化は近年ますます進んでおり、かつてはトレードオフが大きすぎ実用性に難がありすぎたハンドヘルド型の小型PCも、GPD WIN シリーズなど、軽量なゲームならば遊べる携帯PCゲーム機として手軽に入手できるようになってきました。
GPD WIN 3はNintendo Switchと同じ感覚でPCゲームをプレイできるUMPCだ
GPD WIN MAXはSteam専用スイッチ!積みゲー消化が捗る|ベストバイ2020
Valveのゲイブはつい先日、学生からの「Steamのソフトをゲーム機で遊べるように移植する考えは?ずっとPCだけなのか」との質問に対して、年内には「もっといい考え」を公表できるだろう、想像とは違う答えになるが、と曖昧な回答をしていました。
この回答も、既存のゲーム機への移植ではなく、Steamそのものが動く(携帯)ゲーム機のようなデバイスを発表する、と考えれば辻褄が合います。
さらにゲイブ自身が語った Steam Machine の反省と Valve Index の高評価を考えれば、Steamハンドヘルド / SteamPal はValve自身がハードウェア・ソフトウェア双方を設計に緊密に連携させたものになると想像できます。
コントローラ一体型で手持ちゲームができるミニPCを物色している場合、年内にもValve純正品が候補に入るかもしれません。