2020年12月9日、KDDIがメインブランドである「au」の新料金プラン「データMAX 5G with Amazonプライム」を発表しました。これはauの「データMAX 5G」に他のインターネットサービスをパックにして提供する、いわゆるセットプランの1つであり、これまで提供している「Netflix」などに加え、新たに米アマゾン・ドット・コムの「Amazonプライム」をセットにしたプランを追加したものです。
▲KDDIはauブランドの新料金プラン「データMAX 5G with Amazonプライム」などを発表。従来の延長線上にある内容だが、SNSなどで猛烈な批判を浴びることとなった
その1週間後にKDDIがauブランドの新料金を発表するとなれば、必然的にahamoの対抗策を打ち出すのだろうと多くの消費者が期待したのだと思います。ですが実際に発表されたのは従来プランの延長線上にある内容。目玉だった「データMAX 5G with Amazonプライム」は複数の割引サービスを適用すれば6か月間月額3760円で利用できますが、一切適用しなければ月額9350円と、ahamoの3倍以上の料金です。ahamoを基準にするとシンプルでもなければ安くもなかったため、たちまち批判の的になったといえるでしょう。
▲「データMAX 5G with Amazonプライム」は多数の割引を適用して6か月間は月額3760円で利用できるが、適用しなければ月額9350円であり、プレゼンテーションで元の金額に触れられなかった点も怒りを買った要因といえる
そしてもう1つは、新たに設立した「KDDI Digital Life」をマルチブランド戦略の一環として活用する方針を示したことです。KDDI Digital LifeはMVNOとして、デジタルネイティブ世代を狙いeSIMに特化した、オンライン限定のモバイル通信サービスを提供予定としており、提供する企業やブランドが異なる点を除けばahamoに非常に近いコンセプトであることが分かります。
▲KDDIはeSIMとオンラインに特化したMVNOを運営する「KDDI Digital Life」の設立を発表しており、コンセプトとしてはUQ mobileよりもこちらの方がahamoに近い印象だ
一方、従来対抗馬と見られているUQ mobileは、実店舗もあるためahamoほど大胆なコスト削減をするのは難しいでしょう。そうしたことからKDDIとしては、ahamoの対抗にUQ mobileはではなく、KDDI Digital Lifeのサービスを当ててくる可能性は十分考えられそうです。