主戦を務めるのは、古川吉洋騎手。同騎手がライトオンキューに対して並々ならぬ思いを抱いていることも、木南記者が同馬を推す理由だ。
「思えば、ドバイ遠征の時も、アーモンドアイのクリストフ・ルメール騎手とともに、ドバイへ先入りしていたのが、古川騎手でした。(古川騎手の)この馬への思い入れは、強いはずです。
また、欧州で昨年大旋風を巻き起こしたシャマーダル産駒。時計のかかる馬場も合うのではないでしょうか」
ライトオンキューは、大野記者も期待を寄せる1頭だ。
「ライトオンキューは、穴馬どころか、V候補に指名したい馬です。前走のキーンランドC(8月30日)2着は、勝ち馬との道悪適性の差。仕上げにくい北海道の連戦でも、使うごとに内容をアップさせてきました。
栗東に帰厩後は、坂路で活気ある動きを見せており、1週前の追い切りでは4ハロン52秒2−1ハロン12秒3という好時計をマーク。この馬らしい、パワフルな稽古を披露しました。春はドバイでのレースが中止になるなど、不運がありましたが、能力はここでも通用しますよ」
大野記者はもう1頭、穴馬候補の名前を挙げた。
「メイショウグロッケ(牝6歳)です。前走のGIIセントウルS(9月13日/中京・芝1200m)では、12番人気の低評価ながら、あっと驚く走りで2着。穴候補として注目しています。
『前に騎乗した時と比較しても、馬体に柔らかさがあって、いい雰囲気でした。決してフロックではないですよ』と、鞍上の浜中俊騎手も手応えを得た様子でした。モズスーパーフレアの逃げでハイペース必至のなか、展開がもつれての浮上を見込んでいます」
木南記者ももう1頭、気になる馬がいるという。
「昨春の高松宮記念を勝ったミスターメロディ(牡5歳)です。狙ったレースを仕留めるのが、藤原英昭厩舎の真骨頂。セントウルS(3着)でひと叩きして、ここではさらに調子を上げてきそうです。
手前を替えるのが、右回りだともうひとつなのですが、それでも昨年は、セントウルS8着からスプリンターズSで4着と、トップレベルとも差のない競馬を見せました。今年は中京開催だったこともあって、セントウルSでも3着と奮闘。ステップレースとして十分な結果を残して、本番が楽しみになりました。
鞍上は福永祐一騎手。コントレイルのクラシック三冠挑戦を控えていますが、ここでも丁寧な騎乗で、好勝負を演じてくれると思っています。
ミスターメロディの父は、スキャットダディ。時計のかかる芝が大得意の血統です。同じ父を持つレディオーレリアが、欧州のタフな馬場で活躍。アスコット競馬場(英国)の2歳重賞では、ぶっちぎりの競馬を見せています。そうした例からも、ミスターメロディにとって、今の中山はプラスに働くのではないでしょうか」
ハイレベルなメンバーがそろったスプリンターズSだが、絶対的な"主役"は存在しない。その分、荒れる可能性は十分に考えられる。その片棒を担ぐ馬が、ここに挙げた3頭であっても不思議ではない。