永田町で囁かれているのは、12月6日説。菅首相自身が選んだと囁かれるこの日程は、同首相と親密な関係にある公明党=創価学会、そして、アメリカを忖度しているという。
自民党長老が明かす。
「菅政権の高支持率の背景は女性と地方だ。秋田出身の叩き上げ、集団就職も経た苦労人説が大受け。つまり、『地盤』『看板』『カバン』という永田町の三種の神器を持たない庶民出の男が、国のトップに駆け上がった今太閤ぶりに、女性や地方の人が拍手喝采を送っている。特に女性支持率は68%(朝日新聞)の高さだ」
菅首相の国民的人気を背景に、選挙アナリストが指摘する。
「衆院議員の任期は来年10月だから、そこまでには必ず選挙がある。菅首相の自民党総裁任期も来年9月いっぱいだ。任期満了まで総選挙をやらない手もあるが、時が経てば支持率は下がる。安倍継承、派閥談合政治の馬脚を現すと取り返しがつかなくなる。やるなら早ければ早いほどいい」
実際、選挙アナリストの言葉を裏付けるように、朝日新聞の最新世論調査(9月16・17日)でも「次の国政選挙での比例投票先」で自民党は合流新党を立ち上げた立憲民主党の12%に4倍の差をつけ、48%に達している。早期解散すれば、自民党は300議席到達もあると弾く媒体もあるほど。
菅首相は就任翌日の9月17日、選挙プランナーと約1時間にわたり会食をしている。
「菅さんは首相就任が確実となった9月頭には、早期解散の腹は決めている」(菅首相周辺関係者)
では、選挙はいつなのか。
「ズバリ、菅さんが狙っているのは奇しくも自身の誕生日、12月6日投開票だ。その日程を選んだのは3つの理由がある。一つは菅氏の力の源泉、公明党と支持母体の創価学会との繋がりを重視したからだ」(同)
菅首相と公明党、創価学会の深い関係はこうだ。
2017年の衆院選で自民党が獲得した議席は284議席と、過半数の233議席を大きく上回った。この衆院選の選挙区で大きく勝利に貢献したのが自民党と連立を組む公明党の支援組織である創価学会票だ。
「学会票は1選挙区平均2〜3万票あるといわれる。学会票のおかげで野党に競り勝った自民党議員は60〜80人前後もいた」(同)
大票田の創価学会とのパイプ役を自民党で唯一担うのが菅首相なのだ。
「2014年の衆院選で、橋下徹大阪市長が公明党現職のいる大阪3区に緊急出馬の動きを見せた。しかも、公明党候補のいる大阪など主要区で維新候補者を軒並み出馬させることをぶち上げた。理由は大阪都構想の協力を公明党が裏切ったことへの報復ですよ。大阪3区などは公明党の牙城だが、橋下氏らが立てば公明党は全滅する危機に直面した。この時、維新とパイプのあった菅氏が仲裁に入り、双方まるく収めた。かくして、公明党と学会は菅氏に信頼を置き、ますます関係を深めていったのです」(創価学会関係者)
特に、絆を深めたとされるのが選挙対策を担った佐藤浩副会長。佐藤副会長は原田稔会長、谷川佳樹主任副会長らと学会を引っ張る最高幹部だ。
「総選挙で当落ラインにいる80人前後の自民党議員の生殺与奪を握るのが、学会票を掌握する菅首相だ。だから、総裁選で若手議員を抱える派閥は菅首相になびかざるを得なかった。菅首相誕生の背後で公明党と学会のパワーがいかに大きく働いたかは想像に難くない」(自民党関係者)
逆にいえば、そんな立ち位置の菅首相が次の解散時期を公明党、学会に配慮するのは当然といえる。