まず、韓国メディアは菅政権をどのように見ているのか?
「2015年の慰安婦問題日韓合意に至る過程で、当時、官房長官だった菅氏は、朴槿恵政権下の李丙琪大統領秘書室長と調整にあたりました。しかし、文在寅政権に代わってこの合意が一方的に破棄されたばかりか、李氏が逮捕されたことで、菅氏が文氏に不信感を抱いていると韓国メディアは分析しています」(政治ジャーナリスト)
また、徴用工問題で菅氏は、韓国が日本企業の資産現金化を行った場合には、報復も辞さないと再三にわたり言及している。そのことから、日本が韓国に折れることはないと、菅政権を警戒する報道も多い。
その韓国の国防予算は、これからの5年間で日本を追い越しそうだ。しかも、兵力増強の矛先にあるのは、北朝鮮ではなく日本である。8月10日に発表された’21〜’25年の国防中期計画によると、今後5年間に301兆ウォン(約27兆円)を投入するという。増加率は年平均6.1%で、一方の日本は同1.3%にすぎない。
「韓国の’20年度国防費は、前年比7.4%増の50兆1527億ウォン(約4兆7101億円)で、これは日本の防衛予算5兆3133億円とほぼ同水準です。韓国のGDP(国内総生産)は日本の3分の1、人口は約半分にもかかわらず、軍事費は日本を上回る。5年間の重い税負担に、韓国国民が耐えられるかどうか。他国のことながら心配になります」(軍事ライター)
注目すべきは、’21年から満載排水量3万トン級の大型輸送艦(軽空母)の建造計画があることだ(日本の護衛艦「いずも」は2万6000トン)。すでに昨年10月、韓国造船最大手の現代重工業に対し、STOVL機(短距離離陸・垂直着陸戦闘機)の運用が可能な大型輸送艦の概念設計を発注済みで、これは米国のステルス戦闘機「F−35B」の搭載を想定していると思われる。
新造の大型輸送艦は、独島級1番艦「独島」と2番艦「馬羅島」に続く3番艦で、韓国海軍は3個の軽空母打撃群を編成するとの見方が有力だ。
「これら空母群は、北朝鮮の南侵を阻止する防衛兵器というより、外洋で作戦を展開する攻撃兵器と言えますが、実のところ『独島』の稼働率は極めて低い。というのも、搭載している発電機すべてが使用不能となり、自力航行できずに洋上をさまよって赤っ恥をかいたように、韓国の造船技術にはつたない部分があるからです」(同)
それでも文氏が「日本の空母より韓国の方が大きいと、積極的にPRすべき」と言っているのは、どんな些細なことでも日本を上回りたいという、子供じみた発想によるものだ。韓国がことさら日本の脅威を強調し、対北戦略としてまったく不要な軽空母の建造を進めることは、「日本を主敵とした軍事戦略」とみるのが正解だろう。
すでに韓国が保有する弾道ミサイルの射程は、米韓協定の改定によって800キロに延長され、大阪など西日本を捉えている。それでも日本のリベラル派は、「日本の防衛予算が中朝韓の警戒心を呼び起こし、東アジアの緊張を高めている」と、相変わらずの“お花畑論”を繰り返すばかりだ。
一方、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の実妹・金与正党第1副部長は、7月27日に公式の場に姿を見せて以来、その動静報道が途絶えている。正恩氏は8月27日、9月5日、11日と3度、台風被害に見舞われた黄海南・北道の被災地を訪れたが、そこにはいつも寄り添う与正氏の姿はなく、側室とされる“1号宅”の玄松月党宣伝担当副部長が随行していた。
では、“女帝”与正氏はどこで何をしているのか?