冒険はいつも身近にあった。藍井エイルの人生に欠かせない、愛すべきゲームたち

藍井エイルの半分は、ゲームでできている――。

そう言っても過言ではないほど、藍井を語るうえで切っても切れない存在、それがゲームだ。

2011年のデビュー以来、「アニソン界の歌姫」と呼ばれる彼女だが、過去には専門メディアで連載コラムを持ち、今もYouTubeでゲーム実況を続けるほど、ゲームへの愛は変わることがない。

では、藍井エイルはいつゲームにハマったのか。どんなゲーム体験を送ってきたのか?

そこで藍井に、これまでのゲーム遍歴を尋ねるインタビューを実施。奇しくも8月12日にリリースされた18thシングル『I will...』は、7月から放送中のテレビアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』エンディングテーマ。『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』といえば、架空のゲームをテーマにした作品である。

彼女から出てきたゲームエピソードは、ゲーム好きなら誰もがうなずきたくなるような体験ばかり。インタビューを読めば、藍井エイルという存在をグッと身近に感じられるはずだ。

撮影/小嶋淑子 取材・文/小松良介
※記事内のゲーム紹介画像に入っている対応機種は、藍井さんがプレイした機種に合わせています。また、インタビュー中で一部ゲームのネタバレに言及している箇所があります。

『天外魔境』で目覚めた、異世界を冒険できる喜び

きょうは藍井さんに、これまでのゲーム遍歴を伺いたいと思って来ました。最初にプレイした作品を覚えていますか?
たぶん『いっき』ですね!
『いっき』というと、「ファミコン(ファミリーコンピュータ。任天堂が1983年に発売した家庭用ゲーム機)」の?
そうです。本当に物心つく前に遊んだのですが、まったくルールがわからないからすぐに死んでばかりで(笑)。

プレイヤーは鎌を投げて攻撃するんですけど、フィールドに落ちている竹槍を取っちゃうと近接攻撃しかできなくなるという…。
たしか竹槍は性能がイマイチな武器なんですよね。
そうなんですよ。なのに竹槍ばっかり使ってました、いつも(笑)。
意外なタイトルが出てきて驚きました。その次はいかがですか?
その後は『くにおくん』シリーズ(1986年発売の『熱血硬派くにおくん』を起点とする作品群)の『熱血高校ドッジボール部サッカー編』にハマりましたね。サッカーだったという理由もあるんですけど、「これはわかりやすいゲームだ」と思って。
サッカーゲームだけど、敵を吹き飛ばすっていう。
そうそう、みんな飛んでいくのが子どもながらにすごく面白かったんです。「なんで? なんで?」みたいな感じで。

だからゴールを狙うんじゃなくて、だんだんと相手が起き上がるのに合わせてボールをぶつけるように…。あのゲームはある意味、格ゲーですよ(笑)。
『くにおくん』シリーズはどれもアクション要素が強いですよね。当時ご家庭にあったゲーム機は「ファミコン」ですか?
「ファミコン」と「スーファミ(スーパーファミコン)」がありました。

それで、やっといろいろわかるようになってきてからハマったのが、『天外魔境ZERO』です。PCエンジンは持ってなくて『天外魔境』シリーズは初めてだったんですけど、スゴい神ゲーなんです!
『天外魔境ZERO』といえば、ソフト(ロムカセット)に時計が内蔵されていましたよね。
はい! ゲーム内とリアルの時間が連動していて、プレイする時間帯によってゲーム内の状況が変わるんですよ。

あとは私、ずーっと女の子を口説いていました(笑)。
「出会い茶屋」でしたっけ?
そうそう。いろんな女の子と会話ができて、家を買ってあげたりお願いを叶えてあげたりすると仲良くなれるシステムがあって。それで伴侶を見つけました(笑)。

今思えば、私、ちっちゃい頃から中二病みたいなところがあって、そのきっかけをくれたのがRPGだったんです。女の子を口説くような、普段の生活とかけ離れたことができてしまうみたいな。

そうやって異世界を冒険している感覚が本当に楽しくてたまらなくて、RPGにどんどんハマったところで出会ったのが、『ファイナルファンタジーⅥ(以下、FF6)』なんです。

悲劇のヒロインが大好物。きっかけは『FF6』

『ドラゴンクエスト』じゃなくて『ファイナルファンタジー』だったんですね。
じつは『ドラクエ』は全然やったことがなくて(笑)。

もともとファンタジーが好きだったのですが、ゲーム屋さんで「お年玉でどんなゲーム買おっかな〜」と物色していたときに、「すごくカッコいい名前だ!」と惹かれたのが『FF』だったんです。
『FF6』は幻獣がストーリーに大きく関わっていて、ますます私好みで大ハマリしました。ただ、まだ小さかったので「爆裂拳(ばくれつけん)」が撃てなくて…(笑)。
マッシュの必殺技ですね。コマンド入力しないと出せないという。
そうなんですよ。ストーリーの最初のほうで、絶対に「爆裂拳」を撃たなきゃいけないシーンがあるんですけど、意味がわからないから「キー入力ミス!」と表示されて、マッシュが変なポーズをするんです。あとで友達に入力してもらうまで、完全に詰んでました(笑)。
攻略本をチェックしたりはしなかったんですか?
やっぱり自分が旅をしている気持ちになっているので、ネタバレされてしまうと冷めちゃうというか。だからシャドウを助けられることも知らなかったですし、他の仲間にできるキャラクターも、仲間にしないで進めていた気がします(笑)。
じゃあリルムがシャドウの子どもという設定も。
はい、大人になって初めて知りました。

あと、ケフカが極悪人すぎて、最初は「こんな敵、見たことない」とショックでしたね。ドマ国の川に毒を盛るシーンとか、倫理的に大丈夫なのかな?って思うぐらい。それに「ホワッホッホッホッ」みたいな笑い声が気持ち悪い(笑)。
トラウマになりますよね。
そうなんですよ。逆にティナはすごく好きでしたね。幻獣の血を引く女の子で、トランス状態になったときの見た目がカッコよくて。正直、本当に強くなってるのかよくわかってなかったんですけど(笑)。
なるほど。『FF』シリーズで他にプレイされたタイトルは?
『FF10』はすごくハマりました。もう、めちゃくちゃ泣きましたし、ストーリーが好きすぎて4回はクリアしたと思います。
ユウナたちがシンを倒しに行くストーリーでしたよね。
そうです。「世界でいちばんピュアなキス」ってキャッチフレーズで。
どこでキスするのかなと思っていたら、「ここでするの?」っていう。当時、「ユウナは今傷ついているんじゃないの?」と戸惑いました。
そうそう!(笑)ティーダって最初はちょっと空気が読めないところがあるんですよね。

だけど、なんですよ。シンを倒したあと、だんだん薄くなっていくティーダがユウナを後ろからハグして…。初めはいけ好かないヤツ!とか思ってたけど、「ティーダ、お前…」って愛すべき存在になるんですよね。
わかります。
しかもそのあと、ユウナがティーダから教わった指笛をピィーーって鳴らしているシーンでまた涙腺が崩壊して…。
はぐれたときの合図ですよね。指笛を鳴らせば「すぐに飛んでくからさ」っていう。
そういう体験もあって、私、悲劇のヒロインが大好物なんです。だからヨコオ(タロウ)さんワールドも好きなんでしょうね。

中二病心に火をつけた、ヨコオワールドの体験

ヨコオタロウさんの話題になったので、藍井さんが以前からファンを公言している『ドラッグ・オン・ドラグーン(以下、DOD)』のお話を。『DOD』にハマったのはいつ頃ですか?
もう何もかもわかってる、超多感な時期です(笑)。中学校2年生っていう、いちばん出会っちゃいけない時期に出会ってしまったんですよ。おかげで染まりに染まっちゃいました…。
どうしてそこまで惹かれたんですか?
そもそも主人公のカイムの設定が、ドラゴンと契約して力を得た代償に声を失い、舌に紋章が出るという。「え、何その神的なストーリー!?」とまず悶絶して…。
ドラゴンもお好きなんですよね?
はい、東京タワーが赤いのはアンヘルのおかげです!(笑)
他のエンディングをコンプリートすると見られる「Eエンディング(通称、新宿エンド)」ですね。いきなり舞台が新宿の高層ビル群に移り変わって、ラストバトルが始まるという。
そうです、「ここは……神の国なのか?!」って。なぜか最終バトルが音ゲーで、頑張ってやっと勝ったと思ったら、自衛隊にミサイルを撃たれちゃうんですよ。

えっ、アンヘルどうなっちゃったの?と戸惑っているところに、ガヤガヤガヤ…ってエンドロールと一緒に都会の喧騒みたいな音が流れて、東京タワーに刺さってるアンヘルが映されたまま終わっちゃう。あれは本当に衝撃的でした。
『DOD1』で中二病全開になって、そのまま『DOD2』へ。
もう嬉しくて嬉しくて、声出して泣きながらやりました。
泣きながら?
前作から18年後の世界が舞台なので、カイムとアンヘルが再登場するんですけど、途中でふたりとも死んじゃうシーンがありまして。

そこでふたりが「もう良いのか、カイム」「ああ、行こう。共に」って最後に会話するんですけど、バックで中島美嘉さんの『ひとり』が流れるんです。

もう最高すぎて「う゛あ゛あ゛あ゛ー」って泣きますよ、絶対に! 「お互いもう好きじゃん! もう付き合っちゃえよ!」みたいな(笑)。
楽しんでいらっしゃいますね。
はい、もうどっぷりです。そこから『DOD3』は出るのかなと思っていたら、『ニーア レプリカント』が発売されまして。しかも『DOD1』の新宿エンドのあとの話じゃん!と聞いたら、迷わずプレイしますよね。

ストーリーが難解で、最初は全然意味がわからなくて調べに調べまくりながらプレイしていたんですけど、いまだに解釈が正しいのか、ちょっとわかってない感じです。
『レプリカント』ということは、PS3でプレイされたんですね。
そうですね。箱○(Xbox360)も持っていたので『ゲシュタルト』と迷ったんですけど、あちらは主人公がおじさんと聞いたので『レプリカント』を選びました(笑)。
(笑)。藍井さんはプレイするキャラクターのメイキングをするときに、性別やビジュアルってどうしていますか?
女性を選びますね。でも、なんかふざけて作っちゃいます、いつも。
可愛いキャラにしようとか、自分に寄せてみようとか、そういうのは考えず?
そうですね。女性キャラだけどヒゲを生やしたりとか、けっこうネタっぽい感じで作っちゃいます。
以前連載されていた『藍井エイルのゲームは遊びじゃない。』のコラムで『ドラゴンズドグマ』をプレイしたときも、下半身がものすごく筋肉質なキャラクターを作っていましたよね。
あはは! そういうの好きなんですよ。可愛くとか、カッコよく作ろうと思ってもセンスがなくて、上手くできないんです。なので若干、逃げが入ってます(苦笑)。
次回作の『ニーア オートマタ』も当然プレイされているんですよね。
もちろんです! でも私、トロフィーをコンプリートできなくって。ネットとかで調べまくったんですけど、99%までしか行けなくて悔しかったです…。
セーブデータを削除しないと見られない「Eエンディング」は?
もちろんやりました! まあ、結果としてトロフィーの獲得とタイトル画面が変わるくらいなんですけど、セーブデータ削除は『ニーア』のお約束なので(笑)
しっかりとやり込んでいますね。
『オートマタ』は大好きで、じつはプライベートで2B(主人公「ヨルハ二号B型」の略称)のコスプレをしてイベントに行ったことがあります。今まで宅コス(自宅でのコスプレ)とかはしたことあるんですけど、イベントに出るとかはほとんどなくて。

でも、どうしても2Bをやってみたくて、衣装を買ってウィッグカットして…。我ながらけっこういい感じにできました(笑)。
初耳です、そのときの写真はないんですか?
ヨコオさんや『オートマタ』に関わったスタッフの皆さんにはお見せしました。『DOD3』(2013年に発売したシリーズ続編)で主題歌を歌わせていただいて以来、お世話になっていて。
どんな反応でした?
皆さん「まさか!」って爆笑されてました(笑)。

リアルよりゲーム優先。1日21時間、もっともハマっていた時期

やはり藍井さんにとってゲームは欠かせない存在なんですね。これまでの人生でいちばんゲームに熱中していた時期は?
まだデビューする前なんですけど、本当に廃人と言っても過言じゃないかもっていうような時期がありまして…。

当時は『モンスターハンターフロンティア』に激ハマりしてて、実家で弟と一緒に毎日ログインしていたんですけど、1日21時間くらいやってた気がします。夏休みだったこともあって食べる時間をなるべく削って、ゼリー飲料やおにぎりしか摂取してない日を続けてました。

…そしたら低血糖で倒れちゃって(苦笑)。
ええっ、それはご実家で?
そうです。親に怒られたりしながら、でも休み中だし…と思って夜中にこっそりやってました(苦笑)。寝る間も惜しんでプレイしてたから、ベッドにもぐっても幻聴が聴こえるんですよ。夢の中でもモンスター狩っていて。
(笑)。人生を捧げてますね。
あの頃はリアルよりネットのほうを優先してましたね…(笑)。

友達に「遊ぼうよ」って誘われても、「ごめん、きょうはイベントあるから無理」と断ったりして。本当は弟とネットカフェに特典をもらいに行くためなんですけど。
1日21時間プレイして、次の日もまたゲームをやるわけですよね。
3時間寝て、起きて、またプレイする毎日でしたね。めちゃくちゃ眠いんですけど、寝落ちできない人なので、目を真っ赤に血走らせながらずっとやってました(笑)。
お風呂とかには入ってましたか?
ここだけの話、あんまり入ってなかったかもです。トイレにもゲーミングノートPCを持って行ったりしてましたし…(苦笑)。
いつも弟さんとゲームしていたんですか?
まったく同じ生活でしたね、やるときは一緒で。

これは『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(2019年発売。2018年に発売した『モンスターハンター:ワールド』の大型拡張コンテンツ)の話なんですけど、うちの弟、タイムアタックで6つくらい世界記録を持っているんですよ(笑)。
えっ、スゴいですね!
今は6月のアップデートでやってきたアルバトリオンのタイムアタックを頑張っているみたいです。1位は取ったけど、2位と1秒差だったのが悔しいみたいで。絶対に誰にも抜けない記録を作る、と言ってました。
抜群のゲームセンスの持ち主なんですね。
そうなんですよ。一緒にやってた頃は私もけっこう上手かったと思うんですけど、やらなくなってからは差が出てきて…。「姉ちゃんはやらない時間があるから上手くならないんだよ」とか「やっぱり毎日やってる人とは差が出てくるよ」って怒られました。

なるほどと思いつつ、でも仕事あるからなーという(笑)。
それだけ実績があるなら、プロゲーマーを目指しても。
今はまだYouTuberデビューしたばっかりですけど、プロゲーマーになればいいのになって私も思ってます。

女の子のゲーム仲間はなし。男子たちと本気で対戦する日々

デビュー前、他にハマっていたゲームはありますか?
『インフィニット アンディスカバリー(以下、インアン)』と『バイオハザード5(以下、バイオ5)』は記憶に残っていますね。
『インアン』はどんなゲームですか?
『インアン』はファンタジーRPGで、主人公は新月の日に生まれた男の子なんです。

このゲームの世界は人間の力に月の満ち欠けが影響していて、満月のときに生まれるとすごい強くて、逆に新月に生まれると弱い、っていう設定があって。
月の力は魔力みたいなものですか?
そうです。だから主人公はそういった力が弱いんですけど、代わりに月の影響を受けないんですね。

逆に、他のキャラクターは月の影響を受けやすくて、フィールドを歩いていると後ろにいた仲間キャラが力を抑えきれず、いきなり襲いかかってくるときがあって(笑)。

けっこうホラーな展開なんですけど、それを弟と「暴走したー!」って言いながら進めるのが楽しくて。ストーリーも面白くて、クリアしたあとで弟と「神ゲーだったね」って話してました。
『バイオハザード5(以下、バイオ5)』にはどんな思い出が?
PSじゃなくて箱○でプレイしたんですけど、もともとシリーズはやったことがなくて、『バイオ5』が初めてだったんです。

画面を上下ふたつに分割して弟と一緒にプレイできるから、姉弟に優しいゲームなんですよ。ふたりでハンドガン縛りでやったり、いちばん難しいPROFESSIONALモードで遊んだりとか、いろいろとやり込みました。
ハンドガン縛りはスゴいですね。
やっぱり姉弟なので考えがわかるというか、基本的にチームワークがいいんですよ。ちゃんと声をかけながら、「今からそっち行くからドラム缶狙ってて」とか連携できますし。
その後、他の『バイオ』シリーズもプレイされたんですか?
あとで『バイオ4』もやりました。あれもニコニコ動画で「おっぱいのペラペラソース」とか空耳ワードが有名になったぐらい神ゲーですよね(笑)。最終的には『バイオ7』までやってます。
話は変わりますが、藍井さんはFPS(主人公視点でプレイするシューティングゲーム)ってやらないんですか?
『APEX LEGENDS』(2019年にエレクトロニック・アーツから発売されたPS4、Xbox One、PC用バトルロイヤルシューティング)は1〜2回くらいやったんですが、ルールを覚えられなくて辞めちゃいました。

それで言うと、『ゴールデンアイ 007』はめちゃめちゃやりましたよ。初めて触ったFPSです!(笑)
懐かしいです。対戦が盛り上がりますよね。
そうなんですよ! やっぱり4人で集まってやるのがいちばん楽しかったので、クラスメイトとみんなで集まって遊んでました。黄金銃(装弾数は1発のみだが、体のどこに当てても一撃で倒せる)縛りとかルールを決めたりして。

「外した!」「あー、ちょっと待ってよ。今の当たった!?」「うそー? 私のほうが先だと思ったのにー!」みたいに早撃ち大会が始まって、最後には喧嘩になるんですよね(笑)。
モーションセンサー爆弾を仕掛けたりして…。
あはは、やったやった。リスポーン地点に仕掛けて倒すんですよね(笑)。懐かしいなー。

『ゴールデンアイ』は大好きで、次回作の『パーフェクトダーク』(2000年にNINTENDO64から発売)もプレイしました。ラップトップガンが大好きだったんですよね。バグだらけだったけど面白いバグばかりで、めっちゃ笑わせてもらいました!
クラスメイトを集めて、というのは女の子のお友達で?
いや、『ゴールデンアイ』をやってる女の子はいなかったです。本当にゲームをしたいと思ったら女の子とは遊べなくて、仲間はどうしても男の子ばかりになっちゃいましたね。

ツアー中もPS4を持参。暇さえあればネトゲに没頭

今は新型コロナウイルスの影響のため自宅で過ごす時間が増えましたが、ゲーム活動は捗っていますか?
めっちゃ捗ってますね(笑)。あぁヤバい。もう4時だ、みたいな。どおりで(オンラインで)マッチしなくなってきた訳だ、みたいな状況になっています。
今のゲーム環境は?
PC とニンテンドースイッチ、PS4。あと、PS4 Proが2台ありますね。
なぜ2台も…。
北海道用(実家)と東京用(自宅)がいるじゃないですか!
たしかに(笑)。ライブツアー中はどうしているんですか?
じつは一時期、PS4を持ち運んでいました。あとゲーミングPCも。

ツアーのリリースイベントのとき、マネージャーさんに「どうしてそんなに荷物が大きいの?」と聞かれたんですけど(笑)、移動の合間とか、次まで30分あると思ったらPCを開いて…。
どうしてもログインしたかったんですね。
『Dead by Daylight(以下、デッドバイ)』がやりたかったんです…。15分20分くらいあれば1プレイできるので。

さすがにラグがひどくて(オンライン上の他のプレイヤーに)迷惑かけるから、ツアー中は辞めました。その前はPS4とLANケーブル、あとヘッドセットを持ち歩いて、ツアー先のホテルでやっていたんですけど。
わりと最近の話ですね(笑)。
『デットバイ』はプレイ時間が600時間は超えましたね。なのにランク3(強さの指標。全20段階で、最高は1)までしかいってないという下手さ(笑)。

とくに弟とプレイすると、行く方向が一緒になっちゃうんですよ。もし弟が鬼だったりすると、逃げてるはずなのに鬼のほうに行っちゃって。弟も呆れて「いや、姉ちゃんの動き、もうわかってるから」って。あっちは始めて1週間ぐらいでランク1になったのに…(苦笑)。
今までずっとゲームを楽しんできたんですね。
そうですね(笑)。いまだに時間ができたら「じゃあゲームしようかな」っていうふうになるので、今のところ一生の趣味になりそうな気がします。これだけ続いているのは音楽とゲームだけなので。

今はもうプレイヤースキルが衰えちゃって、PvP(オンライン上でプレイヤー同士が戦うこと)とかは判断が遅くてついていけないんですけど、もっと練習してプレイヤースキルを積めるよう頑張らないとなーって思ってます(笑)。
いつかは大会に出場も?
あはは。昔は『大乱闘スマッシュブラザーズ』の大会とか、本気で出ようと思っていたんですけどね。今はもう無理なので、マイペースに楽しみます。

でも、今は女の子のプレイヤーもすごく多いし、上手な子も増えました。昔は「女性なのに上手いんだ」って言われたこともあるけど、もうあまり聞きませんし。本当にいい時代になったなーって思います。

私にとって『SAO』は本当になくてはならない大切な存在

それでは、今回発売された新シングル『I will...』についてお聞かせください。同曲は現在放送中の『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』最終章のエンディングテーマですが、あらためて今回のオファーを聞いたときの心境は?
2018年に『アリシゼーション』編のエンディングで『アイリス』を歌わせていただいたので、最終章となるこのタイミングで、またエンディングを歌わせてもらえて素直にすごく嬉しかったです。

私にとって『SAO』は本当になくてはならない大切な存在ですので、しっかりと責任を持って、楽しんでもらえる人たちの心に響くような歌詞を書かなきゃなって気持ちが入りました。
「大切な存在」ですか。
『SAO』がなければ今の私はいないと言っても過言じゃないくらい、私にとっていちばん多く触れさせていただいているシリーズですから。

そういう意味で、「『SAO』といえば藍井エイル」と深いつながりを感じてくださるファンの方たちもいると思いますし、私自身もそう思っていて。それだけにオファーをいただいたときはガッツポーズしたくなるくらい嬉しかったです。
藍井さんはアニメ主題歌などの歌詞を書かれるとき、事前に台本を読んでイメージを掴んでから挑んでいるそうですね。今回も同じ流れで進めたのでしょうか?
そうですね。台本を読んでイメージした物語の中から、自分なりの言葉だったり、自分が実際に経験したことを散りばめていったりする感じで制作してます。
作品の世界から感じたものと、藍井さんが現実世界で感じたもののバランスを取りながら作詞をされているんですね。
やっぱり『I will…』を聴く人は『SAO』を観ている人が多いと思うんですけど、観ていない方もいらっしゃるので。どんな方にも意味が伝わるような歌詞は、アニソンにかかわらず藍井エイルとして考えていかないとなって思ってます。
その上で、『SAO』が好きな方が観ると、印象に残るシーンが思い出せる歌詞になっていると感じます。
ありがとうございます。『I will...』は、前回の『アイリス』と同じように、ユージオ(声/島﨑信長)からキリト(声/松岡禎丞)への心情を大切にしながら紡いだ楽曲です。

どんなに離れていても、たとえ会えなかったとしても、その人を支えていきたい、共に歩んでいきたいという気持ちは、誰にでもあると思います。だからたとえ『SAO』を観ていなくても、ユージオが感じた気持ちは共感していただけると思っていて。

そういう「そばにいるよ」というメッセージは藍井エイルの中から出てきているものですが、『SAO』の世界にも重ねて聴いていただけたら嬉しいですね。
ちなみに『アリシゼーション』編も盛り上がりを迎えていますが、藍井さんの中で楽しみにしているシーンはありますか?
ネタバレになっちゃうので内容は言えないですけど、最後のエピソードはどう映像化されるか、今から楽しみですね。
これまでのシーンで挙げるなら?
やっぱり『アリシゼーション』編1期のラストですね。ユージオが最後の力を振り絞ってアドミニストレータ(声/坂本真綾)と戦い、キリトに抱えられながら消えていってしまうシーンは、もう悲しすぎて号泣しました。
ユージオの「ぼくの英雄」のセリフがあるシーンですね。
あのシーンは台本を読んだときから衝撃が大きすぎて、固まってしまいました。「うそでしょ!? 私の推しが」みたいな。
ユージオ推しだったんですか?
推しです! 最推しです!!

まず、見た目から好きだったんですよ。金髪碧眼って、もうそれだけで推せるんですけど。しかも、ちょっとナヨナヨしてて頼りなさそうなのに、いざというときにすごくカッコいいんです。そのギャップがもうたまらないです。

『I will...』は藍井エイル史上いちばん難しい楽曲

YouTubeにアップした『I will...』のPVは、公開から2週間で140万回再生を超えるほどの反響がありました。ファンの方々のコメントを読んでいると、いろいろな解釈をされていますね。
私も読みました! キリト視点だったりアスナ(声/戸松遥)とキリトだったり、(第15話の)ベルクーリ(声/諏訪部順一)のシーンと重ねて泣いてくださる方もいて。たしかに冒頭の「長い眠り」というフレーズって、死と捉えることができますもんね。

私、「眠り」とか「星」とか「月」とか、そういう夜のワードを歌詞に入れる癖があって、今回は心身喪失したキリトをイメージして書いたものでしたが、いろんな解釈があって興味深かったです。
『I will...』は作品にフォーカスを当てつつも、現実を生きる人たちにも共感できる歌詞がとても素敵です。完成させるのに時間がかかったのでは?
アニメの主題歌の歌詞を作るときって、基本的にまず(オープニングやエンディングと同じ長さの)89秒バージョンで制作をするんですよ。そのあと2番を書いていくんですけど、『I will…』って1番と2番で全然違うメロディラインになってくるので、歌詞を書くのもちょっと難しいんです。

それでも制作期間は2〜3日ぐらいですね。『アイリス』とか他の曲と比べると、ちょっと苦労しました。
たしかに、どんどんドラマチックで壮大な展開になっていくイメージがあります。
そうですね。だから生音を録ったあとで音源を聴いたときは、すごく感動しました。思っていた以上に壮大になったなって。

今までは1コーラス目と2コーラス目が違うような、複雑な曲はあまり得意じゃなかったんですけど、今回の『I will...』でそういった気持ちがすべて覆りました。
そこまで壮大となると、自分の歌い方もどうしよう、みたいなチャレンジがあったのでは?
やっぱり歌詞の世界観を守って歌いたかったので、熱唱じゃなくて優しさをずっと残した状態で、壮大なアレンジに合わせて寄り添うように意識しました。

ただ、最後は雑に聴こえない程度にエモーショナルに歌おうと思っていて。ラストの「つながってる」のフレーズのあとに来る「あ〜♪ああ〜♪」も、デモ音源ではそこまで高くなかったんですけど、いざ歌ってみるとF#ぐらいまで高くなっていて。自ら難易度を上げてしまいました(笑)。

今までの藍井エイルの楽曲でも、いちばん難しいと言って過言じゃないと思います!
そこまで難易度が高いと、ライブではどうなっちゃうんでしょうね?
いや―、本当にどうなるんでしょうね? まだやってないので未知数ですけど(インタビューは7月下旬に実施)、すごく難しい曲ではあるので。

とくに2コーラス目以降が難しいんですよ。ミックスからファルセットに行って、もう一度ミックスに戻しているんです。かなりテクニカルなことをやったうえに、いちばん最後でF#まで出すという…。

聴く側としてはすごく気持ちいいんですけど、歌う側としては相当難しいことをやっちゃったので、ちょっとライブでどうなるか不安です。途中で声が消えてたりして…(笑)。
藍井エイル(あおい・えいる)
11月30日生まれ。北海道出身。AB型。2011年にテレビアニメ『Fate/Zero』のエンディングテーマ『MEMORIA』でメジャーデビュー。以降、『機動戦士ガンダムAGE』や『ソードアート・オンライン』、『キルラキル』、『アルスラーン戦記』など数々の人気アニメの主題歌を担当し、アニソン界の歌姫として活躍。2016年に体調不良で活動を一時中止、2018年6月にシングル『流星/約束』をリリースし復帰する。8月12日に18枚目のシングル『I will...』を発売。さらに8月16日、「エイルの日」に無観客ライブ「藍井エイル LIVE TOUR 2020“I will...”〜have hope〜」を開催。

作品情報

18thシングル『I will...』
8月12日(水)リリース

左から初回生産限定盤、通常盤、期間生産限定盤。

初回生産限定盤[CD2枚組]
¥1,800(税別)
通常盤[CD1枚]
¥1,300(税別)
期間生産限定盤[CD+DVD]
¥1,600(税別)

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、藍井エイルさんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2020年8月25日(火)18:00〜8月31日(月)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月1日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月1日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月4日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
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