古き良き町並みを、ふたりで一緒に楽しみたい。浴衣の糸川耀士郎と過ごす夏のひととき

「女の子にとって、浴衣を着るのは貴重な時間だと思うから」

理想の浴衣デートを語るなかで、そんな優しさを見せる、糸川耀士郎。夕涼みしながらラムネを片手に見せる笑顔に、思わず「かわいい」という声がこぼれると、「かわいいも嬉しいけど、男なら『カッコいい』がいいでしょ!」。その少し拗ねた返事で、また場が和む。

青が映える爽やかな浴衣は、穏やかな彼自身を表しているようだ。しかしインタビューを進めていくと、その内には熱く強い芯があることがわかる。

役者の道を歩き出し早5年、「絶対負けたくない」という志を胸に努力を重ね、念願のミュージカル「刀剣乱舞」への切符を掴み取った。それは彼にとって、運命ともいえる縁だった。

撮影/曽我美芽 取材・文/木口すず 制作/iD inc.
スタイリング/石橋修一 ヘアメイク/望月 光(Reno Beauty)
衣装協力/帯¥15,000(撫松庵/株式会社 新装大橋 tel:03-3661-0843)

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美容師だったので、女性の髪型はとくによく見てしまいます

浴衣を着ての撮影はいかがでしたか?
浴衣を着たことも楽しかったですし、とても雰囲気がある撮影場所で、地元のおばあちゃんの家のようで懐かしく感じました。東京にいると、なかなかこういう場所ってないですよね。
普段、和装はよくされますか?
プライペートではまったくと言っていいほどしないんです。成人式もスーツにしたから袴じゃなかったし。浴衣を最後に着たのも去年の撮影で、プライベートでガッツリ着たことはないかもしれないですね…。甚平ならあるんですけど。でも和装は好きで、興味はあります。

自分で浴衣を選ぶなら、普段は着られない色にするかな。濃いめの緑だったり、赤が少し入っているような…。私服は白や黒やシンプルな色が多いので、せっかくならいつもと違う自分になりたいです。
では、糸川さんの理想の「浴衣デート」を教えてください。
浴衣でデートとなると、とってもテンションが上がりますよね。僕の地元が島根で、実家の近くに松江城があったり、城下町や遊覧船も残るような、古い町並みが大切にされている街なんです。だからそういうところをふたりで巡って、お団子を食べたり、抹茶を飲んだりしたいですね。
相手に着てほしい浴衣は?
ピンクとか可愛い色もいいと思うんですけど、大人の女性に似合うような紫とか、大人な雰囲気漂うシックで上品な色合いだと、グッときます。
髪型はいかがですか?
僕、美容師をしていたことがあるので、髪型はとくによく見てしまうポイントです。結論、どんな髪型でも嬉しいんですけど、まとめ髪にしてうなじも見えるようなアップスタイルだと、雰囲気があっていいなと思います。
糸川さんにセットしてもらうのもありかもしれないですね?
そうですね! させてもらえるのは嬉しいですけど(笑)。でも女の子にとって、浴衣デートって貴重な時間だと思うから、プロの人にやってもらってほしい…!って思っちゃいます(笑)。
浴衣にまつわる思い出がありましたら、聞かせてください。
島根には玉造温泉という有名な温泉街があって、おじいちゃんおばあちゃんの誕生日とか、家族でのお祝いごとがあったときには、みんなで温泉旅館に行ってご飯を食べるんですよ。そこで貸し出している浴衣を着ることもあって、「浴衣の思い出」と言われると、それが浮かびます。

夏期講習中に眺めた花火も、振り返れば青春です

学生時代の「夏の思い出」のなかでも、いちばん印象に残っていることは?
僕は小学生までサッカー、そのあとはバスケットをしていたんですが、夏は大会も多いシーズンでした。夏の練習っていちばんキツいんですけど、それをみんなで乗り切ったことが強く記憶に残っています。

高校生のときは、勉強もしっかりする学校だったので、夏休み中も部活後はそのまま学校で夏期講習を受けていて。とくに高3は大学受験に向けて勉強真っ盛りな時期だったので、テストを受けて自己採点をして…と過ごしているうちに、あっという間に夜8時とかになってしまうんですよね。

勉強中、外から花火の音が聞こえてくるんですよ。それで「中学生のときは、あの花火大会にみんなでワイワイ遊びに行っていたのに、僕たちいま勉強しながら学校で見てるね…」って。当時はこんな過ごし方最悪だな!とか思っていましたけど、いまとなってはとても学生らしくて素敵な思い出です。
まさに青春の思い出ですね!
僕もいま、しゃべりながらそう感じていました(笑)。あの頃しかできないことですよね。
夏になったら必ずすることや、行く場所はありますか?
今年はこんなですけど、いつもなら地元に帰って、友達と海に行ったりバーベキューをしたりしています。この歳になるとみんな社会人になってなかなか決まった時期には帰れませんが、地元が大好きなメンツだから、学生の頃なんかは、夏休みは必ず地元に帰って集まっていましたね。
お話をうかがっていると、すごく地元愛が強いんだなと感じます。
たしかに、いまでも地元の友達とはめちゃめちゃ仲がいいです(笑)。
今年の夏はどんな過ごし方をしようと考えていますか?
いつもはアクティブに外へ出かけていて、去年かおととしは舞台の共演者の方と、釣った魚をその場で食べられるところに行ったりもしていたんですよね。

まだ今年の夏のイメージが湧いていないんですけど…でも今年は家で涼みながら、ひたすら本を読んだりして、この時期だからできることを探すんだろうなと思います。

昔は夏が大好きだったんですが、最近は暑いのが苦手になってきてしまって。いまは夏よりも、秋のほうがいいなぁ。…なんだか大人になっちゃったな、と感じます(笑)。

今回ダメなら、ミュージカル『刀剣乱舞』はあきらめようと思っていた

お仕事についても聞かせてください。今年は、ミュージカル『刀剣乱舞』 〜静かの海のパライソ〜に浦島虎徹役として出演されました。Twitterに「やっと念願の刀剣男士になれた」と投稿されていましたが、ご自身の中でひとつの目標にされていたのでしょうか?
そうですね。僕の勝手な解釈ですが、日本の2.5次元作品のなかで知名度や人気も高く、かつレベルの高いものを求められるのがミュージカル『刀剣乱舞』シリーズだと思っていたので、役者としての目標にしていました。
出演が決まった際はどんなお気持ちでしたか?
飛び上がるくらい嬉しかったです。じつは、26歳頃までに役を勝ち取ることができなかったら、僕は別のルートに進んだほうがいいなと思っていたんですよ。

『刀ミュ』は役者としてめちゃくちゃ成長できる場だと思いますが、そのぶんスケジュールが過密なので、この作品を目指す以外のルートもあると思っていて。この先のビジョンや、役者として登らなければいけない階段を考えると、26歳くらいでどちらに行くか決めたほうがいいなと。

オーディションは2回目でしたが、「今回で最後にしよう。だから絶対に勝ち取る!」という気持ちでした。選んでもらえて本当に嬉しかったですし、運命的なものを感じました。こっちの道で正しかったんだ!と思えましたね。
そして今年の5月で27歳に。「26歳頃までに役を勝ち取る」という目標を見事に達成しましたね。憧れの『刀ミュ』カンパニーに入った感想は?
厳しいということは覚悟していましたが、実際むちゃくちゃ大変でした。でも僕としては、すごくありがたいことだと感じています。

演出の茅野(イサム)さんが演劇を大変愛している方なのですが、茅野さんからすると、いまの若い子たちは熱量が全然違う、芝居というものを理解しきれていないと。だからこそ、『刀ミュ』に出る子たちには、日本を代表するつもりで演劇を一から学んで叩き込んでほしいという想いを持っていらっしゃって、そのぶん稽古もとてもハードです。
具体的にどんな雰囲気なのでしょう?
たとえば『静かの海のパライソ』なら、稽古中、歴史背景に関する質問が飛んでくるんですよ。「糸川、その戦いは何年にあった?」「誰が仕掛けたんだ?」答えられないと、「それを理解していなくて、そのセリフが言えるのか!?」と。
スゴい熱量です…!
でもおっしゃることは本当にごもっともなんですよね。何も理解していないのにその言葉に説得力を持たせるのって無理ですし、ましてや僕らが生きているいまとは違う時代設定ですから、なおのこと理解を深めなければいけない。茅野さんはそれを叩き込んでくださいます。

それだけじゃなくて、舞台上での姿勢や動き方、体の使い方、目線の置き方…絶対妥協しないので、僕らも、「このままじゃまずい! 本番までに間に合うのか!?」と思う。それで「茅野さんに見せる前に、まず僕たちがやれることは全部やっておかないといけないよね」と、みんなでめちゃくちゃ話し合うし、茅野さんが来る前に自主練をしたりもします。
そんなこともされているんですね。
稽古が終わってからも、「あしたはこのシーンをやるから、いまのうちにみんなで合わせておかない?」と。『刀ミュ』では、それが当たり前になるんですよね。茅野さんも、役者が準備していればそれをちゃんと見てくださって、そういうときの稽古はスムーズに進むんです。その見極めがスゴい。

この積み重ねは全部自分のためになっていると感じますし、これからの舞台にも活かしていかなければいけないなと思っています。
いざ刀剣男士として舞台に立った感想はいかがでしたか?
本当に、夢のような時間でしたね…。この情勢のなかでなんとか初日を迎えることができて、みんなで死に物狂いで作ってきたものをお客さんに観ていただける。それって、こんなに嬉しいことなんだ…!と改めてわかった気がしました。
残念ながら完走することは叶いませんでしたが、来秋に改めて公演する予定で調整していると発表されました。意気込みを聞かせてください。
本当なら、僕らも今年の公演を最後まで走り遂げたかったし、いっぱい稽古で準備したぶん、一旦それがなくなってまた来年に持ち越されるのは、役者としてすごく悔しかったです。でも楽しみにしていてくださったお客様は、僕ら以上に悔しい想いをされたと思います。

僕らの悔しさも、ファンのみなさんの悔しさも決して忘れずに、そして来年やれることを心の底から喜んでいただけたことも忘れずに。

また厳しい稽古の日々になるとは思いますが、絶対に打ち勝って、今年以上の輝かしい公演にできるよう頑張っていきます。キャストみんなでも、頑張ろうねといまから言い合っているので、ぜひひとりでも多くの方に観ていただけたら嬉しいです。

オーディションは記念受験。役者には全然興味がなかった

糸川さんが芸能界を選んだ理由もうかがっていきます。小さい頃から歌が好きで、昔はアイドルに憧れていたのだとか。
最初に憧れたアイドルはジャニーズさんでしたね。田舎だったのもあって、「イケメンな男の子たちがグループを組んでいるのがテレビのなかの世界!」という感じで、めちゃめちゃ憧れがありました。

僕も目立つのが大好きだったので、その頃から歌に興味を持ち始めて。小6か中1のときに、母親に「上京して、ボーイズグループに入って活躍したい!」と言ったんです。言葉だけじゃダメだと、何もわからないながらも自分で履歴書まで買ってきて、そこに全部書き込んで、親に提出して。
それはスゴい行動力ですね!
「ここまで本気だから!」って。でも、やっぱり島根にいると芸能界って現実味がないし、勉強との両立が難しいイメージもあったので、「本当にごめん、でもいまはダメ! 頼むから大学は出て!」と言われました。

僕もそれに納得して、それからはキラキラした世界に行くことを考えるよりも、友達とバンドを組んで好きなだけ歌えばいいやと、中学時代は学園祭で期間限定バンドを結成しました。友達も歌声をめちゃくちゃ褒めてくれましたし、親も「意外とうまいじゃん…?」と言ってくれたのが、いまでも記憶に残っています。

その後もバンドでいろんな曲をカバーしたり、高校入学後は駅前で路上ライブをしたりして、趣味という形で音楽をずっと続けていました。
それで高校卒業後は、美容師の道に進まれたのですか?
はい。大阪にある美容師の専門学校に進学し、卒業後は上京しました。本当は専門学校もレベルの高い東京を選びたかったんです。でも家族が「東京は遠すぎるから、まずはいつでも帰ってこられる近場の大阪を踏め!」って(笑)。

でも、いざ上京したときは、人前に立つ仕事に就こうとは、全っ然考えていませんでした。
ではどうして芸能の道に?
上京後も音楽はずっと好きで、いましかできないことをやってみたいなと、いまの事務所の音楽オーディションを受けたんです。別に受かるなんて思っていなかったし、「ソニーミュージックのオーディションって、どういう人が来るんだろう?」という、ほんの興味本位でした。

でもそこでファイナルまで進むことができて、実際にライブハウスでお客さんを前に歌う審査がすごく楽しくて。結局グランプリは獲れませんでしたが、後日「役者に興味ないですか?」と連絡をいただいたんです。僕のステージを観た方が、「役者のほうが合っている」と。

でも僕、当時は役者に全然興味がなくて。歌が歌いたかったし、そもそも思い出作りで受けただけだったので、「美容師をしないといけないから」とお断りしたんですよ。でもその方が「一度舞台を観に行こう」と根気強く誘ってくださって。それで一緒に観に行ったところ、180度意見が変わってしまったんです(笑)。
観劇して、どんな気持ちになったのでしょう?
まず「こんな世界があるんだ…!」と思いました。お客さんが目の前にいて、ステージと客席との一体感があって、ライブとも少し似ているなと。目の前のお客さんにお芝居がダイレクトに伝わる“生々しさ”を、すごく魅力的に感じたんです。それで、「お稽古に行かせてください!」とお願いをして。
ご家族はまた心配されたのでは?
そうですね、最初はすごく心配していました。

まさか僕がこの世界に本格的に入るとは、考えていなかったと思います。いまでは応援してくれていて、ありがたいです。

自分だけが脇役の衣装。「このままじゃダメだ」と思った

そして21歳のときに「劇団番町ボーイズ☆」に加わり、役者としてデビューされたわけですね。
はい。でも、たしかに「舞台って面白いな」と思って入団したとはいえ、ちょっと前まで美容師で。この世界でガッツリやっていこう!とは、まだ思っていなかったんですよね。楽しければいっか、くらいの気持ちだったんです。

だから稽古も全然真剣にやっていなかったし、バイトのほうが優先で。でも初舞台が、ヤンキー高校同士が友情をかけて戦う!といった題材だったんですが、僕ひとりだけ、全然真面目じゃなかったので、制服を着させてもらえなかったんですよ。
糸川さんだけですか?
僕だけ、主人公の地元の幼馴染みみたいな役で、真っ赤なジャージを着させられて。それがもうめっちゃ恥ずかしくて! それに出番も、ものすごく少ないんですよね。

いざそうなったとき、自分が不真面目だったから当然なのに、みんなの稽古を観ていると「なんで僕はこんなにセリフが少ないの?」とか「僕だったらもっとうまくできるのに!」という気持ちがどんどん膨らんできて。

そこで、「こんな生半可な気持ちでやっていたら、いつまで経ってもこのままなんだな」って。こんなんで舞台の上に立つって、めっちゃ恥ずかしいじゃん!と気づいたときに、「これじゃダメだ。自分はここにいる誰にも負けたくない」と思ったんです。
意識が変わったわけですね。
初演に出た人のうち3人だけが、他の舞台に出る権利を得られます、と言われていたんです。だったら絶対、その切符を掴み取ってやる!と、そこから稽古に臨む姿勢が大きく変わりました。舞台そのものを全然知らなかったから、いろいろ勉強も積み重ねて。

その結果、僕もその3人に選ばれることができたんです。努力し続けたらみんなよりも上に立てるかもしれない、僕がこの劇団を引っ張ることができるかもしれない、と思うようになり、そこからは役者としてのお仕事を真剣に頑張るようになりました。

「2.5次元なんて」と言われることに、強い違和感がある

2016年頃は超歌劇『幕末Rock』、Live Musical『SHOW BY ROCK!!』、舞台『黒子のバスケ』と、2.5次元舞台への出演が続くようになりました。まず、2.5次元舞台というものはご存知でしたか?
まったく知らなかったです。劇団ではストレートプレイをずっとやっていたので、最初はどういうものなのかもわかっていなくて。

『幕末Rock』への出演が解禁されたときに、オーディションを経て選んでもらってはいましたが、僕には何のキャリアも実績もなかったので、SNSで厳しい意見の書き込みを見つけてしまって。

僕の前にその役をやっていらっしゃったのがとても有名でキャリアもある方だったのもあって、「誰この子?」「キャラに全然似てないじゃん! もう観る気失せた」といった声が挙がっているのを見て、これはスゴい世界だな…!とめちゃくちゃ怖かったんですよ。

だからとにかくみんなの足を引っ張らないようにしなければと思ったし、いちばん後輩だったから「ガッツだけは負けちゃダメだ!」と作品を勉強したり、共演者の方々のお芝居を観察したりして、役者として必要なことを自然とやるようになりました。
実際に幕が開いてからはいかがでしたか?
不安で押しつぶされそうだったんですけど、それよりもお客さんのボルテージがものすごかったんです。ライブもする舞台だったので、こっちが歌って楽器を弾いてパフォーマンスをすると、その熱量以上のリアクションがダイレクトに返ってきました。

自分が積み上げてきたものを舞台上で解放すると、お客さんが受け入れてくれたときに、それ以上のものが返ってくる。そのコミュニケーションがめっちゃ気持ちいい!と感じて。2.5次元にはこういう魅力があるのかと、面白さを知ることができた。その点で、『幕末Rock』は僕にとってとても大切な作品です。
2.5次元舞台は原作ファンの熱量も高く、プレッシャーも大きいと思います。糸川さんが2.5次元舞台に出演するとき、大切にしていることは?
僕はストレートのお芝居も、2.5次元舞台も、どちらも大好きなんです。でも、よく「2.5次元ってコスプレじゃん」とか言われたりします。アニメファンの方からすると、ちょっと抵抗がある気持ちもわかるんですよ。アニメにしか出せない美しさを実写で表現できるかといったら、そうではないから。手から炎なんて出せないし。

でも何が悔しいって、同じ業界の方から「映像に出られないからやってるんでしょ?」「あんなの演劇でもなんでもないから」と言われること。僕はそこにすごく違和感があるんです。
違和感ですか?
僕からしたら、2.5次元ってめちゃくちゃ難しいジャンルなんですよ。演劇としてのクオリティを保たなければいけないうえに、キャラクターを研究して、作品の世界観を理解して、それこそ声優さんのお芝居まで、全部すでに設定があるわけじゃないですか。普通の演劇より、技術的にも断然難しい。なのに、なんでそんな言われ方をするんだろう?と。

だったら僕が、「たくさんの人に受け入れてもらうためには、ここまで追求しないといけない。それが2.5次元の難しさでもあり、楽しさなんだ」ということを、自分の芝居を通して伝えたいなと。

そのためにも、キャラクターや作品を研究すること、台本を正確に読むこと、演出家さんとクリエイティブな話し合いをすること…そうした姿勢は常日頃から絶対忘れないようにしています。

黒羽麻璃央、橋本祥平…同い年の俳優は強く意識している

糸川さんがプライベートでも親しくされている俳優仲間は?
うちの劇団のメンバーはもちろん仲がよくて、プライベートでもご飯に行くことが多いです。それ以外だと、田中涼星ですね。『SHOW BY ROCK!!』や舞台『黒子のバスケ』など、何かと相方ポジションになることが多くて。年も近く、一緒にディスカッションすることも多くて、プライベートでもご飯に行くようになりました。

あと、僕が個人的に大好きなのが、北村 諒くん。あんな完璧な外見をしている方だから、スカした人なんだろうな…と最初は思っていたんです。でも実際はめちゃくちゃ面白くて優しくて、お芝居にはストイックで男らしさもあり、負けず嫌いで。全部揃っている役者さんだなと感じます。諒くんのそういうところが、僕めっちゃ好きなんです。

だから稽古が一緒になるときは諒くんとご飯に行くのが楽しみだし、諒くんとゲームするのも楽しいし。プライベートではサバゲーに呼んでもらって、一緒に遊んだりもしています。
俳優仲間の存在を意識したり、刺激を受けたりすることもありますか?
わりとします。同い年だと、(黒羽)麻璃央とか橋本祥平さんとか。以前、麻璃央が僕の名前をインタビューで出してくれたことがあって、すごく嬉しかったです。

菅田将暉さんや福士蒼汰さんも同じ1993年生まれなんですよ。そういう映像の方々のことも意識してしまいます。同世代の方のお芝居を観て、「こんないい芝居をするのか!」と悔しくなることもあります。
では糸川さんが憧れている方は?
共演した方のなかでもいちばん尊敬しているのは、小野賢章さんです。
舞台『黒子のバスケ』で共演されていましたね。小野さんはアニメに続いて、舞台でも主人公の黒子テツヤを演じていらっしゃいました。
賢章さんは「ザ・プロ!」という感じの方で高度な技術を持っていらっしゃいますし、周りを引っ張っていく力とか、優しい雰囲気もあって。自分もそんな役者を目指しているので、とても尊敬しています。

自分が声優を務めたキャラを、いつか舞台でも演じてみたい

3月にリリースされたスマートフォンゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』では、ルーク・ハント役として声優も務められています。出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか?
驚きましたけど、嬉しかったですね。言葉を扱う職業なので、声優のお仕事にも昔から興味はあったんです。以前『ツキクラ』という作品でも声優をやらせていただいたことがあるのですが、声優ってやればやるほど難しいんですよね。第一線で活躍されている方々がどれだけスゴいのか、身に沁みてわかっていたので、僕をキャスティングしていただけたのは、とても嬉しかったです。
アフレコはいかがでしたか?
キャラクターを咀嚼して、自分では完璧に準備したつもりで臨んでも、「もっとこうしてほしい」といったディレクションもあって。でもその指示にも納得できたし、こっちが正解だったか!という悔しさもありました。これからの作品の展開が、僕も楽しみです。
10月には、『富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE』に出演されるとのこと。本作にかける想いも聞かせてください。
アニメの脚本を読ませていただいたのですが、これがめちゃくちゃ面白くて! 最後までどんな展開になるかわからない物語で、魅入ってしまいました。

ただアニメであれだけ面白いものを作り上げているぶん、舞台に対するハードルもめちゃくちゃ高くなると思うんです。だからこそ、勝負の舞台になると思います。

僕ら役者もスタッフの方々も、自粛期間に溜め込んだ舞台への想いがいっぱいあるはずですから、しゃがみこんだぶんあとは高く飛ぶだけ。舞台ができない期間があったからこそ、僕もいつも以上の力をぶつけたいです。
最後に、これからどんな俳優になりたいか、夢や目標を教えてください。
先ほど小野賢章さんのことをお話しましたが、賢章さんはまず声優としてキャラクターを担当されて、さらにその役を2.5次元舞台でも自分で演じていらっしゃいます。それって素敵だな、プロのなせる業だなと思っていて。

だから僕もいつか、声優として担当したキャラクターを、2.5次元舞台でも演じてみたい。それが2.5次元で頑張りたいと思ったときからの、自分の中での大きな目標です。

でも何よりいちばんは、役者として舞台の上に立ち続けること。いろんな経験も踏ませていただき、僕の中にも芯のようなものができてきました。それをもって役を演じたときに、「このお芝居って糸川耀士郎にしかできないよね」とか、反対に「糸川耀士郎って何にでもなれるよね」と言われるような、そういう2.5次元役者になりたいなと思っています。

これからもキャラクターや作品に対する姿勢、演劇に対する愛をより加速させて、役作りに励んでいきたいです。
糸川耀士郎(いとかわ・ようじろう)
1993年5月28日生まれ。島根県出身。A型。2015年、男性演劇グループ「劇団番町ボーイズ☆」のメンバーとして舞台デビュー。2016年に出演した超歌劇『幕末Rock』より、2.5次元舞台での活動を本格化させていく。主な出演作に、Live Musical『SHOW BY ROCK!!』、舞台『黒子のバスケ』、舞台『憂国のモリアーティ』など。スマートフォンゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』では声優としても活躍中。今後は、『富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE』や、来年上演予定のミュージカル『刀剣乱舞』 〜静かの海のパライソ〜が控えている。

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サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、糸川耀士郎さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年8月11日(火)12:00〜8月17日(月)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/8月18日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月18日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月21日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
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