iPadはデバイスとしてのディスプレイの物理的な解像度は結構高い。先程のMacBook Pro 13 (2013)と比較すれば、iPad Pro 12.9はMacBook Proよりも解像度が高いのだ。ここまで高いと、macOSと同じようなことができる。
しかし、実際には物理解像度の縦横それぞれ半分の解像度までしか使えない。iPad Pro 12.9の物理解像度は2732×2048だが、実際に使われる解像度はそれぞれが半分になった1366×1024だ。iPadの美しいディスプレイ表示は細かい解像度を贅沢に使っているために生まれているわけだが、結果的にWindowsやmacOSのように物理解像度をそのまま使うといったことはできないのだ。
iPadOSはWindowsやmacOSのようなマルチウィンドウを使うことはできないのだが、似たようなことを実現する機能として「Split View」「Slide Over」「Picture in Picture」という機能を提供している。iPadのモデルによって異なるが、新しいモデルなら同時に4つまでウィンドウ「的」なものをワークスペース(仮想ウィンドウ)に開いておくことができる。
iPad Air (第3世代)はiPad ProとiPadの中間のようなスペックになっている。ディスプレイサイズはiPadよりも大きいがProよりは小さく、搭載されている機能もProとiPadの中間のようなチョイスだ。価格もProほど高価ではないが、iPadよりは高い。AirでできることはProでもできるし、iPadでもできる。連載の対象として取り上げるにはちょうどよいバランスのモデルではないかと思う。
iPad Air (第3世代)とiPad mini (第5世代)はディスプレイサイズが違うだけでスペックはほぼ同じなのだが、iPad miniにはSmart ConnectorがなくSmart Keyboardが使えないので本連載ではiPad Airを主に取り上げていく。ただし、できることはどちらもほぼ同じなので、Smart Connectorを除いてそのままiPad miniで置き換えて読んでもらっても大丈夫だと思う。