負けず嫌いで根がアツい。17歳、日向坂46・小坂菜緒のセンターたる所以

日向坂46・小坂菜緒が映画『ヒノマルソウル 〜舞台裏の英雄たち〜』で演じる女子高生テストジャンパー・小林賀子は、信念を曲げることなく自身の夢を追いかける、作中で最もアツい人物だ。

つねに穏やかで控えめに見える彼女が、そんな賀子をどのように演じるのだろう?そう思っていたのだが、父親に大声で怒鳴るシーンなど熱のこもった芝居を見れば、それは杞憂に過ぎなかった。

日向坂46がシングルデビューを果たしてから1年強。9月に18歳を迎える小坂はずっとセンターとしてグループを引っ張ってきたのだ。賀子の負けず嫌いで根がアツいところに共感した、と語る彼女のなかには、たしかな強さと可能性が見てとれる。

撮影/曽我美芽 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.
スタイリング/尾内貴美香(ALCATROCK) ヘアメイク/平松浩幸(マクスタア)

同期で同志でもある渡邉美穂に「いつも助けられている」

2019年3月に日向坂46としてデビューして以来、ずっとセンターを担当されていますが、改めて、センターに抜擢されたときの気持ちを教えてください。
1stシングル『キュン』でセンターに選ばれたときは、「本当に自分でよかったのかな?」という気持ちがありました。「自分なんかにできない……」って、最初はマイナス思考でしたが、4thシングル『ソンナコトナイヨ』まで4作連続でセンターをやらせていただいたことで、少しずつ自信がついてきたように思います。

シングルごとに両サイドのメンバーが替わるので、いろんなメンバーと関わることが多くなりましたし、それはセンターの位置になったからこそ。壁にぶつかったりしたこともありましたが、そのたびに周りのメンバーが支えてくれて、みんなとの絆がより深まったと実感しています。

気持ちのうえでもだんだんプラス思考になってきて、楽しんで活動できています。
メンバーからかけられた言葉で、とくに印象的だったものはありますか?
シングルを制作する際にフォーメーション発表があるんですが、同期の渡邉美穂がいつもいちばんに「センター頑張ってね。大丈夫だよ」って声をかけてくれるんです。それが自分のなかで、すごく支えになっていて。

センターに選ばれたときはいつも「あ〜、どうしよう」と思うんですが、その直後にそういった言葉をかけてもらえると「頑張らなきゃ!」って気持ちに変わるので、本当に助けられています。
渡邉さんとは普段からお仕事の話をされるのでしょうか?
そうですね。2019年の夏にドラマ『DASADA』を撮っていて、3ヶ月間ほぼ毎日一緒にいるみたいな生活をしていたんです。最初は仕事に関してお話をするような感じではなかったんですが、いつの間にか、グループやお仕事についてのお話もするようになって。それから距離がグッと縮まって、お互いを支え合える仲になりました。

成長して、性格が四角から丸になった感じがします(笑)

けやき坂46に2期生として加入した2017年から、ご自身について「いちばん成長した」と感じるところはどこでしょうか?
性格が変わった気がします(笑)。

加入したときはまだ中学3年生で、おとなしくって。メンバーから「この子はひとりでいるほうが好きなのかな」と思われていたみたいで、みんなと打ち解けるのに時間がかかっちゃったんです。でもいまはしゃべることがすごく好きになったし、ひとりでいるよりもメンバーと一緒にいるときのほうが安心するなぁって思えるようになりました。

自然と自分の性格も角がなくなったというか、四角から丸になった感じです(笑)。「やわらかい雰囲気になったね」ってファンの人からも言われるくらい、穏やかになったのかな? と思います。
センターとしてグループを引っ張る役割も担っていると思うのですが、メンバーと接する際に意識していることはありますか?
私だけじゃなくて、メンバーのみんなも意識していると思いますが、パフォーマンス中に「(歌や振りを)合わせないといけないところでは、目を合わせよう!」って。

日向坂は明るい曲が多いので、メンバーと目を合わせていたら自然と笑顔になるんです。それで、その笑顔を見てファンのみなさんも笑顔になる、みたいないい連鎖が起きていて。グループのいい雰囲気を保つポイントです。
ステージでの小坂さんはとても堂々とされていて、パフォーマンスを楽しんでいらっしゃる印象が強いです。本番前に自分のなかでスイッチが切り替わるような瞬間があるのでしょうか?
本番前は、曲の雰囲気をイメージして過ごすことを意識しています。かわいい曲や、笑顔で歌う曲の場合は、本番直前までメンバーとわちゃわちゃ話すなど、笑顔で過ごすことを意識しています。

逆に、クールなカッコいい曲の場合はしゃべらない。そうやって、本番前から気持ちを整理してステージに立っています。
そうやって小坂さんが意識されているのを、メンバーのみなさんは知っているのでしょうか?
なんとなく理解してくれていると思いますが、どうだろう? わからないです!(笑)

賀子さんの負けず嫌いなところは、自分とすごく似ている

映画についても話を聞かせてください。1998年の長野五輪で悲願の金メダルを獲得した日本のスキージャンプチーム。その栄光の裏で繰り広げられていた、テストジャンパー25人の知られざる実話を描いた映画『ヒノマルソウル 〜舞台裏の英雄たち〜』で小坂さんが演じるのは、唯一の女子高校生テストジャンパー・小林賀子です。
映画に出演するのは『恐怖人形』に続いて2本目だったのと、スポーツを題材とする作品に挑戦するのが初めてだったので、最初は「私にできるのかな?」という不安がありました。でも、実際に撮影が始まったらすごく楽しくて、「このお話をいただけて本当によかったな」と思いました。
もともとお芝居に挑戦してみたいという気持ちはあったのでしょうか?
アイドルになってから、「お芝居も少しずつやっていけたらいいな」と思っていたところはありました。
テストジャンパーという普段は表に出てこない人物を演じるにあたって、どのように役づくりをしていったのでしょうか?
実在する方(葛西賀子選手)の役だったので、撮影中にご本人とお会いする機会があったんです。そこでいろいろ質問させていただいて、ジャンプを飛ぶときの心境などを伺うことができました。それをもとに、とくにジャンプする直前のシーンでは、伺ったことを意識しながら役をつくっていきました。
たとえばどんなお話を伺ったのでしょうか?
「猛吹雪のなか、テストジャンプで飛ぶのは怖くなかったですか?」と伺ったら、「若かったから怖くなかったです」とおっしゃっていて。なので、そのシーンを撮影するときには私も、「高校生らしく、若いからこその“なんでもやってやろう精神”が大事なのかな?」と意識しながら演じていました。
たしかに、小坂さんが演じた賀子は、すごく強気な女の子という印象でした。
そうですね(笑)。等身大の“高校生感”を失わないようにっていうのは意識していました。25人のなかで唯一の女子高生ジャンパーだったので、変に大人っぽすぎると周りの人たちとの差が見えなくなってしまいますから。少しはっちゃけるような高校生っぽいところも残しつつ、冷静に周りを引っ張っていくみたいな。
「賀子と似ているな」と感じる部分はありましたか?
賀子さんの負けず嫌いなところは、すごく似ていると思いました。私自身も負けず嫌いなところがあるので…。「夢に向かって走り続けたい」という思いも似ているし、根がアツいところとかも「わかる!」って、共感できるところが多かったです。

あんなに大声で怒鳴ったことは、これまでになかった

主人公・西方仁也を演じる田中 圭さんとのシーンが多かったと思いますが、お芝居をやってみて感じたことはありますか?
田中さんはすごく自由に演技をされる方だと感じました。たとえばリハーサルが3回あったとして、その3回とも全然違う動きをしているのに、本番ではきっちり固まっているんです。そういった役のつくり方、作品の撮り進め方が、数々の作品を経験されているからこそのスゴさだと感じました。
田中さんの自由なお芝居に、ついていく感じだったのでしょうか?
私自身はあまり経験がなかったので、ついていくというよりも、引っ張っていただいた感じでした。
他のキャストのみなさんもそれぞれ個性的な役を演じられていましたが、「この人のこういうお芝居は勉強になるな」と、感じたことはありましたか?
一緒のシーンが多かった田中さん、山田(裕貴)さん、眞栄田(郷敦)さんの3人の演技の熱量がスゴいなぁって、日々感じていました。役のつくり方はそれぞれ全然違いますが、みなさん本当に遊び心があって、演技を楽しんでいらっしゃるんです。

とくに山田さんが演技をされているときの“思いっきり楽しんでます感”がスゴくて、とても勉強になりました。“聴覚障害のあるテストジャンパー”という難しい役にも関わらず、「(お芝居が)本当に大好きなんだなぁ」って、ひしひしと伝わってくる演技だったので。
今作に出演して「こんなことができるようになった」と成長を感じたことはありますか?
父親(演/八十田勇一)とのシーンで、初めて大声で怒るシーンをやったんですが、あんなに大きな声で怒鳴るというのは、これまでの人生でしたことがなくて(笑)。私、自分の父親とケンカしたこともないんです。だから最初は「どういう心境で演技をしたらいいんだろう?」って、わからなかったんですね。

でも、実際にリハーサルをして本番へと進んでいくにつれて、どんどん「(自分がやりたいと思っていることを)親に止められるのって、すごく悔しいな」と思うようになってきて。その思いがいちばん強くなるのが、まさにその大きな声で怒るシーンだったので、大声を出して演技することで、感情がワッと込められたような気がします。

そうやって、身体を使って感情を込めることができるんだっていうのは、今作を通して新たに発見できたことでした。
日向坂46の活動と『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』の撮影を両立されていた期間、台本を読み込んだり、セリフを覚えたりする時間はどのようにつくっていたのでしょうか?
日向坂の活動が終わって、帰宅してから台本を読み込むパターンが多かったです。完全に切り替えて生活していました。

日向坂の現場での休憩中などに台本を読む時間もたまにはありましたが、そのときはグループのほうを優先させたかったので、帰宅してから台本に向かうのがいいかなと思って。
日向坂46の活動とお芝居のお仕事、両立することでいい影響を及ぼし合っていると感じる部分はありますか?
お芝居をするようになって、パフォーマンスをするときの表情のつくり方や、曲のイメージへの入り込み方がつかみやすくなったような気がします。

反対に、アイドルのときはカメラの前に立つことが多いので、演技のときにカメラを向けられることに抵抗もないですし、カメラを向けられて「演技をするのが恥ずかしい」と思うこともないです。なんでも振りきってできるのは、アイドルをやっている強みなのかなって思います。

1日だけ日向坂46のメンバーになれるなら誰?

紫です。物心がついたときから、紫が大好きです。ファンのみなさんがパフォーマンスのときに振ってくださるペンライトの“推しカラー”って言うんですかね?(笑)それも私の場合は紫と白です。
冬です。汗をかくのが好きじゃなくて(笑)。

ライブでかくようなサッパリした汗はいいんですが、夏にかくようなジメジメとした汗がすごく嫌いなんです。寒いのも得意なので、冬が好きです。
アニメと漫画です。最近は『虚構推理』や『地縛少年花子くん』をアニメと漫画、どっちもチェックしています。声優さんも昔からすごく好きです。
えーーー! 誰かなぁ?(しばらく悩んで) 迷う! どうしよう!?(笑)

ん〜…。加藤史帆さん。私、史帆さんの歌声がすごく好きなんです。歌がとてもお上手なので、史帆さんになって歌ってみたいなって思います(笑)。
う〜ん…。佐々木久美さん。すごく真面目で、グループをまとめる役割だったので、「しっかりした方だなぁ」って最初は思っていましたが、一緒に過ごすなかで「あれ? けっこうギャグセンが高い方なんだ!」って(笑)。

真面目には変わりないですが、メンバーを楽しませてくれる一面もあるんだなってわかって、より大好きになりました。
小坂菜緒(こさか・なお)
2002年9月7日生まれ。大阪府出身。O型。2017年8月に「けやき坂46」に2期生として加入。グループは2019年2月に「日向坂46」に改名。3月リリースの1stシングル『キュン』から4作連続でセンターに選ばれる。2018年6月より女性ファッション誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルも務める。

映画情報

映画『ヒノマルソウル 〜舞台裏の英雄たち〜』
近日公開予定
公開日につきましては、決定し次第、公式ホームページにてお知らせいたします。
https://hinomaru-soul.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、小坂菜緒さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年6月19日(金)12:00〜6月25日(木)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/6月26日(金)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月26日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月29日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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