無線LANを利用すれば、パソコンやスマートフォンなど、
Wi-Fi対応の機器をケーブルレスで複数利用できるので、各段に在宅での利便性も向上する。
しかし、無線LANは、利用する無線LANルーターの性能によって、大きく利便性が変わる。
そこで今回は、無線LANルーターの選び方をまとめた。
■無線LANルーターを選ぶポイントは3つ無線LANルーターを選ぶポイントは、
・転送速度
・周波数帯域
・付加機能
この3つだ。
まず転送速度だが、
無線LANルーターにはいくつかの通信規格があり、その規格ごとに最大通信速度が決まっている。
転送速度は高速であることに越したことはないのだが、規格に対応したパソコンやスマートフォンを持っていなければ性能通りの高速通信は利用できない。
IEEE 802.11nは、
複数のチャネルを束ねて周波数幅を広げ、通信の多重化技術により最大600Mbpsの速度を実現している。
IEEE 802.11acは、
IEEE 802.11nの技術をさらに進化させた規格だ。
最大6.9Gbpsの高速な通信が可能であるが、家庭のインターネットが光回線1Gbpsであれば、現状はIEEE 802.11nでも十分だろう。
IEEE 802.11axは、
Wi-Fi6のことであり、最大9.6Gbpsの高速なデータ通信が可能だ。
また直交周波数分割多元接続(OFDMA)という技術が採用され、ひとつの通信で複数のデバイスにデータを送信できる。通信の順番待ちがないため、快適に通信がおこなえる。
Wi-Fi6は、これまで無線LANルーターでは難しいとされていた8Kや4Kの高精細なテレビでの映像受信に便利だが、現在8Kや4Kのテレビを所有していなければ、無理に購入する必要はないだろう。
通信規格と最大通信速度。
次に周波数帯域だが、無線LANルーターは、
・2.4GHz
・5GHz
この2つがある。
2.4GHzは、
壁などの障害物があっても、比較的遠くまで電波が届くが、同じ周波数帯を使用するBluetoothや家電などと干渉をうけやすい。
通信速度は、5GHzと比べると遅めだ。
5GHzは、
障害物に対して弱い傾向にあり、壁や家具などが多いと電波が届かなくなることもある。
ただBluetoothや家電などと干渉を受けにくい。
通信速度は、2.4GHzと比べて高速だ。
周波数帯によるメリットとデメリット。
付加機能は、
・接続方法
・アンテナ
この2つだ。
ワンタッチ接続は、
無線LANルーターとパソコンやスマートフォンの接続を簡単に設定できる機能だ。
通常、無線LANルーターに接続するには、パソコンやスマートフォンなど接続する機器で、無線LANルーターを選択し、暗号化キー(パスワード)を入力する必要がある。
無線LANルーターに「WPSボタン」があれば、パソコンでネットワークの接続先を選択後、WPSボタンを押すだけで接続設定が完了できる。
またワンタッチ接続に対応した無線LANルーターでは、NFC対応しているスマートフォンを無線LANルーターにタッチするだけで、無線LANルーターに接続設定を完了することができる。
WPSボタンに相当する「らくらくスタートボタン」。
アンテナは、
・外付けタイプ
・内蔵タイプ
この2つがある。
外付けタイプはアンテナの方向を動かせるため、目的の場所にアンテナを調整することで、無線LANルーターの電波を効率よく飛ばすことができる。
電波はアンテナに対して水平方向に広がる性質を持つため、アンテナを傾けると、上下方向により強い電波を飛ばせる。
内蔵タイプはアンテナの方向を動かせないため、無線LANルーター本体の置き方を変えるなどの工夫が必要となる。
アンテナ内蔵タイプの無線LANルーター。
無線LANルーターをこれから購入したり、買い替えるのであれば、IEEE 802.11ac対応の無線LANルーターがオススメだ。
もし予算に余裕があれば、5G時代を見据えて
Wi-Fi6対応の無線LANルーターを購入するとよいだろう。
ITライフハック 関口哲司