早稲田大学発の「Cutieroidプロジェクト」は、人工知能(AI)×ロボティクス技術×アニメ文化の融合により、Autonomous Humanoid Figure(AHF:自律人型フィギュア)を開発することを目標としたプロジェクトです。同プロジェクト初のデモンストレーション展示が、
ワンダーフェスティバル 2020[冬]の会場で行われていたので見に行ってきました。
Cutieroid Project@#wf2020w 6-02-02 (2/9)(@cutieroid)さん | Twitter
https://twitter.com/cutieroid
Cutieroidプロジェクトで開発が進められている、等身大の「動くフィギュア」がどんなものかは以下のムービーを見れば一発でわかります。
「動く等身大フィギュア」を作るCutieroidプロジェクトの初号機・ハツキ - YouTube
等身大サイズのフィギュアの周りをわらわらと人が囲っているエリアがあったので、何があるのか見てみると、顔部分がディスプレイになった「Cutieroidプロジェクト」の初号機「ハツキ(AHF - HATSUKI Mk.I)」が展示されていました。展示エリアは6-02-02。
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顔部分がディスプレイになっているので、表情は非常に豊か。これまでワンフェスでも数々の等身大フィギュアを見てきましたが、表情が刻一刻と変化するため、そのどれよりも愛嬌があるように感じました。
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なぜ顔部分にディスプレイを採用したのかをプロジェクトの代表を務めるKoma Yang(Pin-Chu Yang)さんに聞いてみると、「アニメ調の表情もとれるというのがリアルなヒューマノイドと大きく違う点」と教えてくれました。
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また、アニメ調の顔を採用することは「不気味の谷現象を回避すること」にも有効に働くのではと語っていました。ただし、まだ実証段階にないとも付け加えています。
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さらに、ハツキはAIを搭載しているため自分で腕を動かしたり首をかしげたりします。初の展示ということでハツキの動作は控えめなものに設定されていましたが、実際にはより大きなアクションも取れるとのことでした。
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腕の関節部分にはアクチュエータ。
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頭の飾り部分にはデプス(深度)カメラが搭載されており、目の前の物体との距離を検知可能。
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頭部の飾りパーツにもモーターが搭載されており、耳のようにパタパタ動かして感情表現することができます。ただし、デモンストレーション時は動作不良でパタパタできず。
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なお、Cutieroidプロジェクトは学術研究の段階にあるため、会場では実際にハツキを目にした来場者に対してアンケート調査が行われていました。見た目の評価を記入する欄があったので、アンケート結果に合わせて今後見た目の変化が起こる可能性も十分に考えられます。
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アンケートに回答するとオリジナルステッカーがゲットできました。
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実際にハツキを見た感想としては、顔部分がディスプレイになっているため、アニメ調のキャラクターデザインを活かした表情の豊かさがしっかりと表現されており、他の等身大フィギュアやヒューマノイドにはない強みをビシバシ感じました。プロジェクトにおける「初号機」ということで、まだまだ改良を重ねる必要があることは明らかですが、今後、ハツキのように全身を動かしたり表情豊かにコミュニケーションを取れたりするフィギュアが増加するのではと思わせるほど、AI×ロボティクス技術×アニメ文化の相性は良さげで、それはブースを囲む来場者の反応からも明らかでした。
なお、早稲田大学の尾形哲也研究室からスタートしたというCutieroidプロジェクトは、代表をYangさん、美術総監・造形製作をKelvin Lukmanさん、映像製作および3D美術指導をZakiさん、3DデザインをKyuuさん、制御・電子回路をTitoさん、AI・システム開発をFhrozenさんが、機構技術アドバイザーはTakuto Takahashiさんが担当しています。