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現時点で、サウサンプトンから契約更新は打診されていない。加えて、現行の契約には1年の契約オプションがあるが、これは国内リーグ戦38試合のうち半数の19試合に先発した場合にのみ行使される。 現在、吉田の先発数は6試合で、今季の残りは14試合。次節リバプール戦(2月1日)で先発できず、2試合後のバーンリー戦(2月15日)でもスタメンに名を連ねることができなければ、残りの全試合に先発しても19試合には届かない。出番の少ない吉田の状況から考えると、契約更新のオプションが行使される可能性は非常に低い。 この裏には、サウサンプトンが抱えている複雑な事情がある。 サウサンプトンは2011−2012シーズンに2部から1部に昇格し、翌年からプレミアリーグで戦っている。チームの強化に深く関わってきたのが、レス・リード氏だ。マウリシオ・ポチェッティーノ監督(前トッテナム監督)やロナルド・クーマン監督(現オランダ代表監督)の招聘に関与し、サディオ・マネやフィルジル・ファン・ダイク(いずれも現リバプール)やトビー・アルデルヴァイレルト(現トッテナム)など、継続的に有能な選手を連れてきた。 ところが、リード氏が2018年11月にクラブを離れると、サウサンプトンは選手補強や監督招聘で難しさを抱えるようになった。現在、フットボール・ディレクターは事実上の不在。チーム編成はラルフ・ハーゼンヒュットル監督が行なっているという。 しかし、同監督は20代前半の若手を重視する考えで、今季かぎりで契約の切れるアイルランド代表FWシェーン・ロング(33歳)とポルトガル代表DFセドリック・ソアレス(28歳)との契約更新も交渉がまったく進んでいない。31歳の吉田も、クラブは契約更新を打診しない見通しだ。 移籍先の希望について、吉田は「こんなことを言っていられるほど、僕に余裕も権限もないですけど」と前置きしたうえで、次のように話した。「監督なんてすぐ代わってしまう。(重視するのは)クラブがいい状況かどうかです。ちゃんと野心とビジョンがあって、いい形でクラブを作り上げているかどうか。魅力的なビジョンを持ったクラブのほうが楽しいと思います」
在籍8季目のサウサンプトンには当然、愛着がある。今季から給与の1%をクラブが運営する慈善団体に寄付すると発表。ユース出身のMFジェームズ・ウォード=プラウズに次ぎ、2番目に長い在籍年数となった。 しかし、出番が極めて減っていることから、プロサッカー選手として大きな決断をしなければならない状況になった。契約期間が6カ月未満になったことから、ボスマン・ルール(※)により他クラブとも自由に交渉ができる。吉田は契約満了後に向けて、クラブから打診があればいつでも交渉の席につく準備があるという。※ボスマン・ルール=所属クラブとの契約満了まで6カ月未満となった選手は他クラブと自由に契約交渉ができるルール。 2012年のロンドン五輪後に英国南部のサウサンプトンに渡り、8シーズン活躍してきた吉田麻也。新しいチャレンジに移る時がきたと、決意を固めている。