お芝居に出会って、やっと自分の居場所を見つけた。岩田剛典を成長させた俳優業

2010年、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEにパフォーマーとしてデビューした岩田剛典。2014年にはEXILEの一員に選ばれ、近年は俳優としての活躍も目覚ましい。

しかし、デビュー当時は、多彩な才能を発揮してグループの注目度に貢献するほかのメンバーを見てコンプレックスを抱いていたという。自分にもグループのためにできることはないかと思い、はじめたのが俳優業だった。

そんな岩田がこれまでに出演した作品で過去最大のスケールだったというサスペンス超大作『AI崩壊』。主演の大沢たかおをはじめ、錚々たるキャストの中で存在感を発揮するため、今までにないモチベーションで試行錯誤しながら挑んだ。

インタビューで生き生きと語る姿から、今作にかける情熱と、自分の強みとなった俳優業を楽しんでいる様子が伝わってきた。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/福田恵子 制作/iD inc.

デビュー当時、何も特技がないことがコンプレックスだった

昨年はEXILE、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEとしての活動に加え、3rd写真集『Spin』の発売やドラマ『シャーロック』で月9初出演を飾るなど、多忙な1年を過ごされたかと思います。
本当にありがたいことです。もともと俳優業は、三代目J SOUL BROTHERSのためにはじめたんです。ずっとグループに対して何か力になれたらという思いがあって。

三代目って、本当に個性的でそれぞれ得意なことがあって、エンターテイナーの才能があるメンバーばかりなんですけど、僕はデビュー当時、何も特技にできるものがなくて、それがずっとコンプレックスでした。

そんな中で、僕はグループに何を返せるんだろうって考えたときに、お芝居に挑戦してみようかなと思ったのがはじまりだったんです。作品を通して僕のことを知ってくださった方が、グループのライブにも足を運んでくださったらうれしいなって。
岩田さんがコンプレックスを抱えていたなんて、驚きです。
本当にうちのメンバーはスゴいんですよ(笑)。

デビューから数年間は僕なんかがこのグループにいて、どんな価値を生み出せているのだろうかって思い悩むこともありました。でも、お芝居と出会ったことで、やっと自分の居場所を見つけられたと思っています。
ご自身の活躍が、グループに還元できているなと実感されることはありましたか?
どうでしょう…還元できていればうれしいですけれど。

ただ、グループのためにという思いはまったく変わらないです。やっぱりグループの印象は一人ひとりのメンバーの印象からできあがっていくものだと思うので、ドラマや映画に出演させていただくことで、僕やグループの存在を知っていただけたらという思いは、常に活動の根底にあります。
そんな熱い思いを抱きながら俳優業に取り組まれていることを、メンバーのみなさんはご存知なのでしょうか?
どうなんだろう…(笑)。グループには音楽好きの人間が集まっているので、そもそも俳優業について話すことがあまりないですね。
岩田さんの出演作の感想を言ってくれることは?
そもそもメンバーは僕の作品を観てくれているのかな?

でも、僕が出演しているかどうかは関係なく、『AI崩壊』は観たいと言ってくれていて。本当に観てもらえたらいいな(笑)。

ビジュアルから作りあげた、エリート中のエリート役

1月31日公開の映画『AI崩壊』は、AIの暴走テロという近未来に起こり得るかもしれない展開を描くサスペンスです。岩田さんが演じた桜庭 誠は切れ者の天才捜査官。警察庁サイバー犯罪対策課を指揮する役柄を、鋭い眼差しで演じられていましたね。
桜庭 誠というキャラクターは、人工知能研究でMIT(アメリカのマサチューセッツ工科大学)の博士号を取得して、帰国後に最年少で理事官に就任したエリート中のエリートで。正義感が強くて、堅物な雰囲気を出すために、ビジュアルにもこだわりました。
▲桜庭 誠(演:岩田剛典)
髪をビシッとセットしたり、銀縁のメガネをかけたり…ビジュアルが固められていたおかげで、現場に入ると自然と気持ちが桜庭モードになって。メガネをクイっと直すしぐさをお芝居の中でやったんですけど、あのビジュアルがあったからこそ生まれたしぐさでした。
舞台は2030年の近未来ということで、サイバー犯罪対策課のセットもハイテクな雰囲気がたっぷりでした。
サイバー犯罪対策課で桜庭たちが操作するコンピューターの画面はすべてCGで、僕はずっとグリーンバック(映像を合成するために使う緑色の背景)に向かってお芝居をしていたんです(笑)。
想像力が必要になってきますね。
そうですね。捜査中に何度かハプニングが起きるのですが、どんな映像が展開されているのか撮影中はわからないので、難しかったです。

そのセットでのシーンでは、(桜庭が指揮する捜査チーム員を演じた)髙嶋政宏さんと芦名 星さんと3人で演じることが多かったのですが、ふたりが大きくリアクションをしているところで、あえて僕だけ落ち着いたお芝居にしてみたり、どんなお芝居をするか緻密に計算していました。

ここまでプランニングして演じたのははじめてだったかもしれません。
▲左から桜庭 誠(演:岩田剛典)、桐生浩介(演:大沢たかお)、西村 悟(演:賀来賢人)
主演の大沢たかお(桐生浩介役)さんも、「(岩田さんは)かなり台本を読みこんで、綿密なプランニングをもとにお芝居に挑んだんじゃないかな」っておっしゃっていました。
もったいないお言葉ですね、本当に。ありがたいです。

桜庭は自分にとっては難しい役柄だったので、せっかく大沢さんとお会いできる機会だったのにお話をさせていただく心の余裕もなくて。もっとお話したかったです。
また大沢さんにお会いする機会があったら、どんなことをお話したいですか?
Netflixで配信されている映画『アースクエイクバード』という海外の作品に、(小林)直己(※EXILE/三代目J SOUL BROTHERSのパフォーマー)さんが出演したんですけど、大沢さんもロンドンで『王様と私』という舞台に出られていたので、話が合うんじゃないかなと思っていて。

直己さんに「いつか(大沢さんと)お会いしたいですね」と言ったきり、まだ何もアクションできていないのですけれど…また大沢さんにお会いできる機会があったら、直己さんと一緒に、海外でのお話を聞かせていただきたいなと思います。

つらさや疲れを見せない大沢たかおに「尊敬しかない」

そんな大沢さん演じる桐生は、AI「のぞみ」の開発者であり、テロリストとして警察から追われる役柄。岩田さんが大沢さんを追い詰めていく場面もありました。
大沢さんと対峙するシーンは、めちゃくちゃプレッシャーでした。とくに後半の重要なシーンは、うまく演じられるかどうか、1シーンのことだけで1ヶ月くらい悩んでいましたよ(苦笑)。

大沢さんは僕なんかのお芝居もすごく見てくださっているので、アドリブを入れても全部拾って柔軟に対応してくださるんですよね。どんなお芝居でもキャッチボールが成立する安心感がスゴくて、お芝居では終始引っ張っていただきました。

冒頭のシーンで大沢さんと握手するシーンは、リハーサルでいきなりやってみたら大沢さんが返してくれて、本番でも採用してもらったんです。
よかったですね! 今回の共演で学んだことは?
大沢さんはとにかくつらさや疲れをまったく見せないんですよ。桐生はテロリストの容疑をかけられて全国を逃げ回るので、体力的にも本当に大変だったはずなんです。それなのに、わざとふざけたりして、現場をいつも明るくしてくださって。

その一方で、「本番!」と言われたときにグッとお芝居に入り込む集中力がものスゴくて、本当にリスペクトしかありません。

セリフを自分のものにするため、何度も声に出して練習

今作は、AIという完璧なものでも崩壊する危うさがあるというメッセージ性の強い作品です。先ほど「コンプレックスもあった」とおっしゃっていましたが、演技もパフォーマンスもできて、一見、欠点が見当たらない岩田さんにも弱点ってあるんでしょうか?
いやいや、弱点ばっかりですよ(笑)。また仕事の話になっちゃうんですけど、いいですか?

最近は、台本通りに読むと不自然に感じるセリフを、どうやって消化して演じたらいいのかわからなくて悩むことが多いです。とくに長ゼリフは、台本に書かれている句読点通りに読むと違和感が出てしまうので。

たとえば、普段の会話で「そして、」とかってあまり使わないですよね。セリフの読みあげ方というか、耳障りのよさみたいなものがどうすれば生まれるのか、ずっと考えていますね。
耳障りのいいセリフにするために、どんな練習をしているのでしょうか?
とにかく台本を読みこむことを大切にしています。それと、どうやって読むんだろう?と悩んだ部分は、自分の声を録音して聞いてみるとか。いかに普段の話し方に近づけられるかが勝負なので、セリフを自分のものにするためには繰り返し声に出すことが大事かなと思ってやっています。

不思議なことに、どこにアクセントを持ってくればいいのかがわかってくると、自然と噛まなくなったんですよ。
練習のかいがありましたね。
でも今回、何度かあった「サイバー犯罪対策課に解析を」っていうセリフは、自分から「今噛んだかもしれません」って自己申告したくらい最強に難しかったです(笑)。
そのほかに印象に残っているシーンはありますか?
クライマックスのシーンは、キャストのほとんどが集結していたので、何回もNGを出すようなことはあってはならないなと思って。相当な気合いを入れて臨んだので、リハーサルから本番までは生きた心地がしなかったです(笑)。今となってはいい思い出ですが。

そのシーンでオールアップだったというのもあって、撮影が終わった瞬間に大沢さんと熱い握手をさせていただいて。すごく気持ちよく、いい形で作品を終えることができたのも印象に残っています。現場が「いいシーンになりましたね」ってすごく温かい雰囲気に包まれましたからね。僕は帰りに送ってもらっている車の中で、ビールを飲みました(笑)。
さぞ、おいしいビールだったでしょうね。
はい。もう、家に帰るまで待てん!…と思って(笑)。

僕がこれまで出演した中で、間違いなくいちばん大きなスケールの作品だったので、プレッシャーもスゴくて。撮影中は本当にこの作品だけに集中していたので、それが一気に解放された気分でした。
2020年も岩田さんの活躍に期待しています!
2020年は「LDH PERFECT YEAR 2020」でライブツアーも予定しているので、ライブ三昧の1年になりそうです。

正直、パフォーマーと俳優の二足のわらじで精一杯なので、今年はこれ以上、何も求めません!(笑)しっかり体力をつけて、またこの1年を乗り切りたいです。
岩田剛典(いわた・たかのり)
1989年3月6日生まれ。愛知県出身。B型。2010年、パフォーマーとして三代目J SOUL BROTHERSのメンバーになり、2014年にはEXILE PERFORMER BATTLE AUDITIONを経てEXILEに加入。俳優としても活動し、主な出演作品に『HiGH&LOW』シリーズ、映画『去年の冬、きみと別れ』、『パーフェクトワールド 君といる奇跡』、ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)、『シャーロック』(フジテレビ系)などがある。

映画情報

映画『AI崩壊』
1月31日(金)ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/ai-houkai/


©2019映画「AI崩壊」製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、岩田剛典さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年1月27日(月)12:00〜2月2日(日)12:00
当選者確定フロー
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  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月3日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月6日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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