舞台『おそ松さん3』F6インタビュー/第3回:小野健斗(チョロ松役)

赤塚不二夫原作の『おそ松くん』が大人になった姿を描いたTVアニメ『おそ松さん』。その作品を舞台化した『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN'S SHOW TIME〜』は、チケットが即完売するほどの人気シリーズとなっている。

昨年、F6は東京・千葉・沖縄・大阪の4都市をめぐるライブツアーを開催し、6つ子は喜劇『おそ松さん』で、シリーズ初の長編舞台に挑戦した。11月に上演となる最新作では、パワーアップした12人の姿に期待が高まる。

ライブドアニュース編集部は今からおよそ2ヶ月前、都内スタジオにてビジュアル撮影中のF6を突撃取材していた。第3回は、ハーバード大学准教授でビューティージーニアス、松野チョロ松を演じる小野健斗のインタビュー。

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撮影/すずき大すけ 取材・文/野口理香子

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ステージ上から見える“圧巻”の景色に震えた

『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN'S SHOW TIME 3〜』(以下、舞台『おそ松さん3』)が11月より上演となりますね。
最初は何年前? 3年前ですか、そっか3年も経つんだ。そのときと比べれば、いろんなものを経験してレベルアップしてるだろうし、それをみなさんにお見せできるのがうれしいです。

別の作品でけっこうシリアスな芝居をしていたりするときは、自分でいろんなものにつかまれる感じというか、かなり自由をなくしてる時があるんですね。その反動というか、舞台『おそ松さん3』は、羽根を広げて、どこまでも飛んでいけそうな気持ちです(笑)。

でも意外とF6は世界観がしっかりあって、自由なことだけではないですけど、その世界観の中でもすごく楽しめるからF6の芝居は好きです。
ちなみに喜劇『おそ松さん』をご覧になった感想は?
「俺たちがやったらどうなるんだろうな」って想像しましたね。できないですよ。チョロ松だったら、ツッコミでしょ。俺がツッコまなきゃいけないんでしょ。絶対無理(笑)。あれは(植田)圭輔にしかできない。セリフじゃない、台本に書かれてないものに対してもツッコんで回収していくって、普通の人にはできないことです。
植田さんも、F6に入るのは無理とおっしゃっていました(笑)。さて6つ子たちが喜劇『おそ松さん』に取り組む一方で、F6は東京・千葉・沖縄・大阪の4ヶ所をめぐる1stライブツアー「Satisfaction」を開催しました。振り返ってみていかがですか?
いやー、もう緊張しましたよ。ライブは経験したことがなかったので、ステージからの景色も空気感もわからないし、未知の世界。

だからステージに最初出た瞬間はもう……そこから見える光景がスゴすぎて震えましたね。お客さんのペンライトだったりとか、3000人のスタンディングとか見たことなかったから。

そのときのみんなのニヤニヤした表情、めっちゃ覚えてます。踊りながら、お互いの顔を見合ってたので。「やばくない?」みたいな(笑)。
歌やダンスは好きですか?
好きです。得意ではないですけど。それでも昔に比べたらかなり上達していると思う。このあいだ、たまたまライブのDVDを観てたんですけど、「みんな歌うまくなったな」って。
自分の出演作品を観返すんですね。
はじめてです(笑)。たまたま家にあったから、「特典映像とか観てみようかな」くらいのノリで観はじめたんですよ。特典映像も面白かったんですけど、本編も気になっちゃって、気づいたら最後まで観ていました。普通に面白かった。

兄弟喧嘩しているようなものだから、引かないで(笑)

6つ子チームにはゆるい空気がただよう一方で、F6チームはお互いに意見をぶつけ合うなどアグレッシブな感じだとうかがいました。
そうですね。けっこう言いたいことを言い合います。それで稽古が止まったりするから、知らない人が見たらビックリするかも。

僕はけっこうガチギレしますからね(笑)。喧嘩?……喧嘩とかと種類が違いますよ(笑)。

このメンバーだからできることをやるため、かな(笑)。
小野さんはどこの現場でもハッキリ言うほうですか? それともこのメンバーだから?
このメンバーだけ。ほかでは言わないです。
それはなぜでしょう?
たとえば、僕らがライブツアーの初日に立たせてもらった豊洲PITって、普通のアーティストの方でもなかなか立てないようなステージじゃないですか。そこに俳優の僕らが立たせてもらっているので、「このメンバーだからこそできる最大限の力を出したいし、できることは全部やりたい」という思いがあるわけです。
なるほど。最初の頃と比べると、どんどん関係性は変わってきていますか?
変わってきているけど、でも思い返して見れば最初の頃からけっこうお互いに気づいたことは言ってたかな?

なぜかと言うと、圧倒的に練習時間が足りなかったんですよ。ダンスって番号があって、フォーメーションがあって、ある程度のスペースを使わなきゃいけないから、みんなが揃って、場所が押さえられるタイミングじゃないと練習できないんです。

そのうえ俺たちは振り覚えもそんなに早くないし……っていうので圧倒的に時間が足りなかったから、言いたいことはその場で言っとかないと、時間を無駄にしていくだけなんです。たぶんそのあたりからみんな、隠さず言うようになったのかなと。
家族みたいな間柄だからこそ、ですよね。
そうですね。自分たちとしては、兄弟喧嘩みたいなものなんですよ。仲が良いからできるやつ(笑)。だけど周りから見ると引かれるレベルの激しさなんだと思う(笑)。

スーパーとかで兄弟喧嘩しているのを見ても、「おぉ、兄弟喧嘩してる、仲いいね」くらいに思うじゃないですか? それと一緒なので、「そんなに引かないでね」って思う(笑)。「俺ら兄弟だからわかって」みたいな。
わかりました(笑)。さて、舞台『おそ松さん3』、チケットがすでに完売し、千秋楽にはライブビューイングが決定しています。どういうところに注目してもらいたいですか?
歌って踊ったりしているとき、俺らけっこうアイコンタクトをとっていたり、すれ違い後にハイタッチしたりしているんです。そういう細かいところも見てもらえたらうれしいなと。
ここでアイコンタクトをとろうって決めているんですか?
いや自然と、です。踊っていると楽しくて、「楽しいね?」ってみんなを見ると、向こうもこっちを見ていたりするんですよね(笑)。

6つ子 F6Ver.取扱説明書

小野健斗(おの・けんと)
1989年8月9日生まれ。神奈川県出身。O型。2006年、ミュージカル『テニスの王子様』(柳蓮二役)で俳優デビュー。主な出演作に、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ(原田左之助役)、『Messiah メサイア』シリーズ(御津見珀役)、舞台『K -RETURN OF KINGS-』(宗像礼司役)、ドラマ『怨み屋本舗』シリーズ(シュウ役)(テレビ東京系)、『天装戦隊ゴセイジャー』(ハイド / ゴセイブルー役)(テレビ朝日系)、ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』(野村大輔役)(日本テレビ系)など。

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作品情報

『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN'S SHOW TIME 3〜』
https://osomatsusan-stage.com/

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