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逆境を乗り越える手段は、必ず存在する
1億円の借金が僕と姉にあるという、まさに寝耳に水のような知らせが親戚から届いた。経緯を聞くとこういうことだった。父の父、つまり僕の祖父にあたる人が天草で経営していた養殖業が大赤字となり、漁業組合から1億円も借りていたらしい。その借金を残したまま祖父は他界し、父もまた我が身に降りかかった1億円の借金を残したまま病死してしまった。このままだと、子どもたちである僕と姉に返済義務が生じるということだった。人生最大のピンチだ。メンタルが強い僕でもさすがに焦った。これまでずっと真面目に働いてきて、YouTuberでブレイクし、ようやく成功を摑みかけたタイミングで何という悲運が待ち受けているのだろう。その時、僕はYouTuberで稼いでいるといっても、現金で1億円なんて持ってなかった。もちろん姉だってそんな大金はないという。でも、しょうがない。逃亡するわけにもいかないし、何とか払うしかないと腹をくくりかけたところだ。諦め切れずにネットで調べていて朗報を見つける。借金の有無を認識して3カ月以内に財産放棄の手続きをすれば、相続負債は回避できると書いてあった。すぐに僕は大阪の裁判所に書面を作って送り、何とか1億円の借金を回避することができた。のちに、この事件は教訓になる。上手くいきかけた時こそ思わぬ落とし穴はあるし、その逆境を乗り越える手段もまた必ず存在する。最後の最後まで絶対に諦めてはダメだ。
アクシデントは、アクションを起こす動機に変えてしまう
先に書いた1億円借金事件に関連する話を続けたい。僕が成功体験を語るうえで根底にあるのは、起きてしまったアクシデントに対してあれこれ悔いるより、次にどう行動を起こすかを最優先すべきということだ。こんなことがあった。いつも僕はダイヤのピアスをしているんだけれど、実はもっと大きなダイヤのものが欲しいとなんとなく思っていた。そんなある夜、友だちと飲みに行き、ピアスをどこかにうっかり落としてしまった。ン十万円はする高額なダイヤのピアスだったけれど、僕は落としてしまったことで落ち込んだり、飲みに行ったことを後悔したりしない。「まあ、しょうがない」これで終わり。一瞬で気持ちを切り替える。それだけではない。「前から欲しいと思っていた、もっと大きなダイヤのピアスを買うきっかけになって良かった」とも考える。アクシデントを後悔するのではなく、アクションを起こす動機に変えていく。子どもの頃からそういう立ち直りと切り替えの早さを身につけていた。こんなふうに書くと誤解されるかもしれないけれど、子どもの頃から自分の中は絶対的な自信がいつも備わっていたし、今もそれは変わらない。だから、不慮の事態にも動じないし焦らない。
悪夢のアカウント停止
まさに青天の霹靂のような悪夢の事態は突如として勃発した。2019年1月22日。210万登録者数があったラファエルチャンネルが、突然BAN(アカウント停止)された。BANの原因は、YouTubeのルールに違反した動画が多いということ。それまでアップされてあった動画はすべて削除された。チャンネル登録もゼロ。何もかもが突然にしてなくなった。当時、単月で数千万円稼いでいたから、損失はハンパなものではなかった。普通ならまずパニック状態に陥る非常事態だと思う。でも、そんな時でも僕のメンタルはブレなかった。BANされた数時間後には、新しいチャンネルでの今回の件についての謝罪と、今後についての動画をYouTube上に公開するために動いた。その時も、ラファエルというこれまで構築してきたキャラクターのブランディングを守らなければならないから、「クマと闘ってみたとか、もうそういう過激な動画はやりません」と、あえてこの非常事態を気にも留めていない、ふざけた感じの演技をしつつ、問題があったことを素直に謝罪する動画をアップした。(※注:実際にクマと闘った動画は存在しません)奇跡の風がネット上で吹き始めたのは直後だった。「ラファエルが悪いことをやっちまった」ではなく、「なんでラファエルがBANされなきゃいけないわけ?」「YouTubeが盛り上がってきたと思ったらいきなり規制か」というニュースが目立つようになり、さらには、「テレビじゃできないことができたからYouTubeは面白かったのに」「YouTubeもテレビと一緒で終わりの始まりだな」と書かれるようになり、視聴者もYouTuberもそういう流れに同調していった。完全に空気が変わってきたな、と僕も感じた。過去動画がメインチャンネルから消えてしまったことは痛かったけれど、YouTube史上類を見ない騒動に発展したため、これがきっかけになってさらに多くの人たちにラファエルの名前が広まる結果となった。
逆境のときこそ、冷静沈着に行動せよ
厳密には、当時11億回再生くらいあった動画のうち、約7割が規約に違反したコンテンツとして再アップできなくなったBAN事件。お蔵入りになってしまった動画はいまだアップロードできていない。それでも、瞬く間に世の中の認識が追い風へと変わったことで注目を集め、結果として再開したラファエルチャンネルの収益は上がり続けている。また、さまざまな形で各メディアのニュースに取り上げられたため、ラファエルという名前が経済界へも広まったのは僥倖(ぎょうこう)と言うほかない。それまで手が届かないような著名な経済人に出会えるきっかけとなり、僕が運営するYouTube以外の会社も好調に走り出した。またしても、逆境からリカバリーを果たしたばかりか、何もかもプラスに働いて事態を好転させることができたのだった。そうすることができたのは、焦ったり動揺したりで場当たり的な動きをするのではなく、冷静沈着に状況分析した結果だと思っている。
ラファエルさんの人生逆転ストーリーが描かれた『無一文からのドリーム』。生まれてからずっと恵まれた生活を送れてなかったラファエルさんが、なぜYouTuberとしてここまで成功できたのかわかります。ぜひあなたも、彼の思考法やスタンスを少しでも日常に取り入れてみてください!