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校歌歌詞を「式次第に掲載できない」? ネット物議も、JASRAC見解「…
J-CASTニュース
一方、「校歌」を含む一部の音楽については、作家がJASRACに著作権を預けるにあたって、契約上の「オプション」が存在する。担当者によると以下の3つの方法がある。
(1)作家の著作権をJASRACにすべて預ける(2)作家の著作権を、校歌の依頼主である学校側にまるごと譲渡する(JASRAC著作権信託契約約款10条)(3)作家の著作権をJASRACに預けるものの、校歌の依頼主である学校が使用する際は使用料を免除する(留保制限=同11条)
担当者は、「(2)の『譲渡』を選んだ場合、万一、学校以外の他人が校歌を使いたい場合に許諾を与えることが難しいですし、そもそも学校に自分の権利そのものを渡すことに抵抗がある作家もいるでしょう。そこで、JASRACに預けながら校歌の依頼主である学校には権利行使しなくてよいという(3)の『留保制限』があります」とオプションの背景を明かしたうえで、次のように今回のケースに照らして話す。
「今回の件は『PTAからの連絡』ということですが、学校も関与していて、仮に校歌歌詞の著作権が学校に『譲渡』されている場合はもちろん、『留保制限』されている場合も許諾・使用料は不要になります。原則、作家はJASRACとの契約にあたって作品の届出をする中で、『譲渡』や『留保制限』を明示することになっており、校歌であればこのどちらかを選んでいるケースは多いです。ただ各作品が『譲渡』や『留保制限』されているかまでは公表していないので、他人が使いたい場合は使用申請いただいた際にJASRACで確認し、案内しています」
使用料が必要な場合、その料金はJASRACの「使用料規程」で定めている。運動会プログラムのような配布物の場合、部数によって区分があり、1曲あたり1〜100部であれば1600円、101〜1000部であれば1800円などとなる。また今回のように「歌詞のみ」を掲載する場合はこの半額で、それぞれ800円、900円となる。
一方で担当者によれば、「校歌額」という形で掲示する場合、使用料規程に「展示物・掲示物等」という別の規定に沿うことになる。規定は次の3種類に分けられており、校歌額であれば(ウ)に該当する可能性が高いとしている。
(ア)書道作品、美術作品、工芸作品等の原作品=1部3000円(イ)歌碑等恒久的に設置される工作物=1部25000円(ウ)(ア)及び(イ)以外の出版物等=複製部数にかかわらず7500円
自校の校歌の歌詞であってもこうしたルールがあることについて、担当者は
「著作権法の規律としては、自校かどうかは関係ないということになります。誰が歌詞の権利を持っているかと言えば作家だからです。ただ、皆さんが自然に抱く疑問と同じような疑問はこちらも持っていて、だから『譲渡』や『留保制限』の仕組みがあるといえます」
と話す。
また、冒頭の冊子に書かれているような、「JASRACからの指導」で「校歌歌詞を掲載できない」ということはあるのかについては、
「JASRACとしては使用料をお支払いいただければもちろん許諾します。額なら掲載できるがプログラムには掲載できないということもありません。お問い合わせがあれば許諾の要否を案内しますが、そもそもこちらから積極的に『使用できない』などと案内・指導することはありません。条件に則ってぜひお使いいただきたいというのがJASRACの立場です」
と話している。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)