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【ひめにぃ様】1997年生まれ。中学、高校時代はヤンキーで、ケンカに明け暮れていたが、女装に目覚める。2017年から女装男子としてTwitterで発信をはじめ、現在のフォロワーは10万人以上。ファッションモデルやYouTuberとしても活動している
ほし:ひめにぃ様…
ひめにぃ様:はい。
ほし:転身の振り幅がすごすぎませんか?
ひめにぃ様:ありがとうございます(笑)。その反応、光栄です。
女の子にしか見えません
ほし:ヤンキー文化と女装って、対極にあるもののような気がするんですけど…
ひめにぃ様:それが、案外そうでもないんですよ。ヤンキーから女装男子になってみてわかったんですけど、「ヤンキー」と「女装」って心理的にすごく似ていると思うんです。
ほし:え、どういうことですか?
ひめにぃ様:ヤンキーって、自分を強く見せたいから金髪にしたり、制服を着崩したり、いかつい格好をするじゃないですか。本当は心優しいやつなのに、わざと短気なフリしたり。それは“強いと認められたい”っていう承認欲求みたいなものなんですけど。
ほし:ふむ。
ひめにぃ様:女装も心理的には同じで、ありのままの自分よりかわいく見せたい、ちやほやされたいっていう承認欲求から始まってるんですよね。僕の場合は、ですけど。
ほし:へぇえ…!根本は同じだったりするんですね…
面白い共通点を教わりました
ほし:ひめにぃ様は、昔から女の子の服やメイクが好きだったんですか?
ひめにぃ様:そうですね〜。子どものころから、女の子の洋服が好きでした。ヤンキー時代はそんなことに興味があるって隠していたんですけど(笑)。
ほし:そこから女装をするようになったきっかけは何なんでしょうか?
ひめにぃ様:元カノが、男性と女性どちらも恋愛対象になっている人で。かわいい女の子も好きだったので、よく女装とメイクをされていたんですよ。そのときに、自分のなかで完全に抵抗がなくなり、“本格的に目覚めた”って感じですね。
ほし:おぉ〜! 恋人が自分の女装願望を認めてくれる、むしろ喜んでくれる、という環境があったんですね。ヤンキー仲間だったみなさんは、相当びっくりしたのでは?
「あぁそれはもう。めちゃめちゃビビってましたよ(笑)」
ひめにぃ様:うちの両親、「男らしくしろ」ってすごくうるさかったんですよね。中学時代にグレたのも、そういう親に対する反抗で。
ほし:そうだったんですね…
ひめにぃ様:「髪は短くしろ」とか「こういう服を着ろ」って容姿まで強制してくるタイプで。自由を制限されればされるほど、女の子の格好をしたいっていう思いが強くなっていきました。
ほし:ご両親は今、女装されていることを知っているんですか?
ひめにぃ様:あ、知ってます。高校生になってバイトをはじめてから、女物の服やコスメを買っていることもバレていましたし。
ほし:やっぱり怒られましたか?
ひめにぃ様:それが、幼少期はあんなにうるさかったのに、高校中退したあたりから何も言わなくなったんですよね(笑)。だから家族の前でもふつうに女装してました。
ほし:そんなことあります!?(笑)
ひめにぃ様:ヤンキー仲間からはいろいろディスられたけど、女装している男性がたくさんいることもSNSを見て知っていたし、女装が恥ずかしいという感覚はなかったです。むしろ今は、「男にだけ許された、もっとも男らしい遊びだ」と思ってます(笑)。
ほし:最高のパワーワードきた。
ほし:女装をはじめる男性って、以前より増えているんですか?
ひめにぃ様:ハードルは下がってきているんじゃないかな。僕と同世代からもっと年下の子たちで、メイクや女装をする子は増えてると思います。
ひめにぃ様は、現在22歳です
ほし:メイクや女装をしてる男性って、SNSを見ていても珍しくないですもんね。そしてみなさんレベルが高い。
ひめにぃ様:勇気を振りしぼって女の子に教わらなくても、今はYouTubeでメイクの勉強がいくらでもできる。二重にしたり、鼻を高く見せたりするコスメもすぐ買えるし、ひとりでも極めやすい環境が整ってるじゃないですか。
ほし:間違いない…
ひめにぃ様:あと、女装って“ただの一時的ブーム”なことも多いんですよ。「かわいい」って言われ慣れるまで極めたら、意外とみんなサラッとやめる。僕がTwitterで発信をはじめたのが2017年ごろなんですが、当時の女装友だちはもうみんな引退してて僕しか残っていません(笑)。女装に飽きると、“メイク男子”になるケースが多いですね。
ほし:次は男の子としての「かわいい」を極めるのか…!
ほし:ちょっと気になってたんですけど、ひめにぃ様は女装している時も一人称は「僕」なんですね。
ひめにぃ様:そうです。「僕」とか「俺」とか。女装をしていると“心も女の子”って思われがちですが、僕はそんなことなくて、心は男のままです。恋愛対象も女性ですし。単純に、女装をしている時のほうが気分がいいっていうだけなんです。
ほし:女の子がメイクするのと同じなのかな…
ひめにぃ様:うーん、でもスッピンだから恥ずかしいとかは一切ないですよ。普通に男の格好でも出歩きますし、何も恥ずかしくない。ただ、男の服装って萎えるしテンションが上がらないんです。女装は、お気に入りの服を着て出かける感覚!
ほし:へぇ〜!必要不可欠ではないけれど、気分を上げるための手段なんですね。
ひめにぃ様:うん、それですね!
ひとくちに「女装」と言ってもいろいろあるんだなぁ…
ほし:ひめにぃ様、たまにツイッターで「こんな変なDMが届いた」って内容を見せてることありますよね?
ひめにぃ様:あ〜、そうなんですよ(苦笑)「抱かせてください」とか「抱いてください」とか。この前は、「僕の妻を抱いてほしい」という謎の要望が届きました。
ほし:(Twitterの闇を感じる)
ひめにぃ様:多くの人が見てくださるようになったからこそ、毎日いろんなDMが届きます。
ほし:やっぱり、「自分も女装をしたいけど勇気がない」という相談も多いですか?
ひめにぃ様:圧倒的に多いですね。みなさん、「自分に自信がない、人の目を気にして踏み出せない」って悩んでいます。
ほし:そっか…女装に限らず、自信がなくて好きなものを「好き」と言えない気持ちはわかるなぁ…
ひめにぃ様:そういう人が自信をつけるための、SNSじゃないですか!!
ほし:えっ。
ひめにぃ様:自分のまわりに共感者がいなくても、全世界とつながっているSNSを見れば、自分のことを認めてくれる人が必ずいる。どんなに“外見と、自分のなかの欲求”にギャップがあったとしても、絶対に「いいね」って言ってくれる人はいるんです。
ほし:説得力がすごい。
ひめにぃ様:一緒に喜びあえる人と出会うまえに、心を閉ざさないでほしいって思うんです。みんなもっと、好きなものを「好き」と言っていい。どんな格好をしてたっていいし、どんな化粧をしててもいい。誰にも迷惑かけてないでしょう?それを伝えたくて、僕は女装して発信をつづけています!
ちなみに、ひめにぃ様が女装を“引退”するようなときも来るのでしょうか?最後に気になって聞いてみたら、「業界のてっぺん取るまでは絶対やめませんよ」と男気あふれるセリフをいただきました。インタビュー中に急に切り替わるキリッとした表情や、ハスキーボイスを含め、“美少女の男性”に胸キュンするという、不思議な体験をしました。〈取材・文=ほしゆき(@yknk_st)/撮影=樋口まみ〉
ひめにぃhttps://www.youtube.com/channel/UCe4SAecBBsfTUieCygSG2hQ/featured?fbclid=IwAR0wqti3hO8_I0n0Gyb4WyD1iO0DXsCj4cU0tCh2_ARmjulXfLFUHfv3Nl8
出典 Youtube
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