好評だったという昨年の実施を受けて、今年は開催期間を延長。梅雨の6月24日から初秋の9月1日まで開催する。キリンホールディングスの坪井純子氏は「7万人の来場者を見込んでいます」とアピールした。
○「カンパイ展」とは?
「#カンパイ展 2019 Wish You Good Luck!」は入場無料の催し。フォトジェニックな4つの展示室を見学できるほか、ドリンクスペースも用意している。会場となるのは、横浜
赤レンガ倉庫 1号館。どんな展示内容になっているのか、本稿で紹介していこう。
「#01 Born in Yokohama」は、横浜の歴史に触れることができる展示室。異国情緒あふれるインテリアが印象的だ。ソファに座って写真を撮るのも自由。アイスクリーム、ナポリタン、テニスラケットに、クラフトビール。数多くの西洋文化が、ここ横浜から広まっていったと説明があった。
「#02 Good Luck with Your Life」では、過去のキリンの飲料製品が一堂に会している。珍しいところでは、缶詰のビール(1960年製)も展示されていた。
ちなみに40代の筆者が懐かしさのあまり思わず声を出してしまったのが、つぶつぶオレンジのスチール缶(1981年発売)。いまでも舌の上に残る果汁の粒の食感を思い出せる。来場者、それぞれの「懐かしい」「青春時代の」思い出の飲料に再会できることだろう。
「#03 Good Luck Park」は、靴を脱げる開放的な緑の芝生スペース。ユニークなキリンのロゴのオブジェが楽しめるほか、池に吊るした釣り糸をたぐると、古代中国の伝説上の動物 聖獣麒麟にまつわるメッセージを読むことができる。
「#04 さわれる歴史:インタラクティブ・ウォール」は、プロジェクションマッピングを利用したもの。手で触れると、音と一緒にアニメーションが動き出す可愛らしいストーリーがいくつも用意されている。
「#05 カンパイホール:インタラクティブ・テーブル」では、アルコール飲料、ソフトドリンクを注文できる。ここでもプロジェクションマッピングを利用。
例えば、長いテーブルにカップを置くと周りに波紋が広がったり、入り口で渡されるカンパイ帳を置くとそこから聖獣麒麟が飛び出したり、時間によっては花吹雪や聖獣麒麟の大群が駆け抜けたりする。
カンパイをしても聖獣麒麟が飛び出すため、友だちと行っても盛り上がるし、見知らぬ人と仲良くなれる機会もありそうだ。
カンパイホールで注文できるビールは、クラフトビール(スプリングバレーブルワリー)の「496」「COPELAND」「on the cloud」「JAZZBERRY」(1杯500円。税込、以下同)のほか、「グランドキリン(IPA)」(1杯450円)、「Brooklyn lager」(1杯500円)、「キリン一番搾り生ビール」「キリンラガービール」(1杯400円)など。ノンアルコール飲料には「キリン零 ICHI」(1杯300円)、ソフトドリンクには「生茶」「キリンレモン」「午後の紅茶ストレートティー」(1杯100円)などを用意する。すべて280mlカップとなる。
○麒麟は、良いことが起こる前触れ
登壇したキリンホールディングスの坪井純子氏は「開港160周年を迎えた横浜で、横浜で生まれた
キリンビールの
イベントを開催できることを嬉しく思っています」と挨拶した。今年で2度目の開催となったカンパイ展。昨年は1か月の開催期間に3万人が来場したが、今年は倍以上の期間で展開。そこで倍以上の来場者を見込んでいる。
横浜市文化観光局の小林仁氏は「
キリンビール様は、横浜を大切にしてきた企業さん。横浜でビールをつくり続けて130年になります」と紹介する。
現在、観光に注力している横浜市では、クラフトビールを観光に結びつける取り組みも行っているようで「徒歩ではしごできる範囲内に、話題のクラフトビールの店舗が集中しています。これも横浜の特色。カンパイ展にお越しの際は、ぜひ横浜の街にくりだしてください」とアピールする。
ちなみに、キリンは今年に入って企業ロゴに変更を加えた。赤が印象的な「KIRIN」のロゴに「聖獣麒麟」のマークが添えられることになったのだ。「聖獣麒麟は、良いことが起こる前触れとして現れると言われています。1889年にキリンラガービールが登場した際に、採用されたのがこの聖獣麒麟のデザインです。
これまでキリンでは、ビールを飲む方に幸せが訪れますように、という想いを聖獣麒麟のラベルに込めてきました」と坪井氏。カンパイ展の来場者の元にも、聖獣が幸せを運びますように、と話を結んだ。