ボーイングCEOのデニス・マレンバーグ氏は「我々はFAAや世界の規制当局に必要な情報をすべて提供し、問題を正すことを約束している」とコメントしました。
737MAXで相次いだ事故の原因のひとつは、失速回避用のMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)システムが2つある仰角センサーの異常値によって誤作動を起こしてしまい、パイロットが上昇しようとしているシチュエーションで機種を下に向ける制御を加えてしまっていたこととされます。
修正されたソフトウェアでは、2つの仰角センサーの値を比較し、5.5度以上の差が発生している場合はMCASの作動を停止し、パイロットに操縦を委ねるよう処理します。またパイロットとシステムの操作が食い違う場合はパイロットの操作を優先するようにもしました。
ボーイングはこの修正ソフトウェアを搭載した737MAXで207回、計360時間のテストフライトを実施しました。またその間幾度となくシミュレーターによるテストも行っています。なお、修正ソフトウェアは今後FAAの正式な承認を得る必要がありますが、その前に国際的なボーイングの顧客向けカンファレンスにて、詳細が伝えられることになるはずです。
エチオピア航空とライオンエアの2つの
墜落事故では、合計346人が命を落としました。バードストライクのような直接的な事故はどうしようもない場合もあるものの、飛行制御におけるソフトウェアやセンサーの問題は、プログラム変更や操縦ルールの整備で回避できるものです。ボーイングはMCAS機能の搭載を詳しく航空各社に伝えていなかったとも報じられており、今後はそのようなことが起こらないよう、運用面の周知徹底も強化しておいて欲しいところです。