そのため、ZenFone Max Pro(M2)を持って地方に行くと、最悪の場合、電波が入らないという事態になることが想定されます。データ通信ができないだけならまだしも、ZenFone Max Pro(M2)はVoLTEにも対応しているため、特にauやそのMVNOのSIMカードを使っていた場合、音声通話まで不通になってしまいます。SIMフリースマホ黎明期にはそんな端末がなかったわけではありませんが、2019年現在では、さすがにこれを受け入れることはできません。
▲ドコモのエリアマップ。薄紫がB19の800MHz帯を使うエリアで、ZenFone Max Pro(M2)が圏外になってしまう可能性がある
また、B41はいわゆるTD-LTEで、日本ではUQコミュニケーションズがWiMAX 2+、Wireless City PlanningがAXGPとして展開している周波数帯になります。前者はauが、後者はソフトバンクがMVNOとして借り受けており、WiMAX 2+に関しては、auを介する形でau系のMVNOでも利用できます。
このB41は、2.5GHz帯で、800MH帯より高く、エリアが狭い代わりに収容端末が少なくなり、さらに帯域幅も広いため、通信速度が速いという特徴があります。都市部のように混雑するエリアで、この周波数が重宝されるのはそのためです。ZenFone Max Pro(M2)は、このB41に未対応だったため、人口密集地で十分な速度が出ない可能性もあります。
ASUSにとって、このタイミングでZenFone Max Pro(M2)が販売できないのは、打撃になりそうです。というのも、同モデルは、春商戦で同社の売れ筋になっていたからです。3月15日と春商戦の終盤に発売されたZenFone Max Pro(M2)でしたが、Snapdragon 660を搭載しながら、価格は3万後半と、コストパフォーマンスのいい製品に仕上がっていました。
ミドルハイのZenFone 5が昨年5月に登場してから、久々のど真ん中を狙える端末で、価格もZenFone 5より抑えていたため、反響も大きかったといいます。実際、家電量販店などでは人気が高く、BCNランキングの日次集計データによると、発売日を含む3月11日から17日のランキングでは、ZenFone Max Pro(M2)がSIMフリーモデルでは1位に輝いていました。翌週の3月18日から24日も5位をキープしており、売れ筋になっていました。