多忙すぎる西野亮廣は、いつ女の子と遊んでいるのか? 「ピアノ」と呼ばれた過去と、今欲しい快楽

写真拡大 (全5枚)

西野亮廣の最新著、『新世界』を読んだだろうか? この本の中には、彼の1日のスケジュールが、このように記されていた。

ボクの一日の食事は昼と夜の2回。
一日一食の日もあれば、丸一日食べない日もある。
食事は蕎麦と少々の野菜。
食事に時間をかけたくないので、コンビニの蕎麦か『富士そば』で、一回の食事は4〜5分で済ませることが多い。
ダイエットに時間をかけたくないので、愛車は弟にあげて、徒歩と電車で脂肪を燃やしながら仕事場に向かっている。
パチンコ、麻雀、競馬、競艇、競輪、仮想通貨には一切興味がない。
カラオケにもクラブにもキャバクラにも風俗にも行かない。
女の子とはときどきエッチをしているので、その時はホテル代が発生しているけど、たかが知れている。
セックスさせてくれる女神はインスタでDMください。 
(中略)
節制しているわけではなく、贅沢に費やす時間が勿体無いので、贅沢を選ばない。
月に2〜3度ほど、映画館と演芸場には足を運んでいる。
駆け足で紹介したけど、ボクの生活はご覧の有様だ。

『新世界』(KADOKAWA)より抜粋

淡々とした一見“無欲”な生活ぶりと、その中で際立つ「セックスさせてくれる女神はDMをください」という“欲望むき出し”な言葉の違和感。

運営するオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は、会員数日本一。絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬社)を全ページ無料公開し、クラウドファンディングでの合計調達金額は2億円を突破するなど、何かと世間を騒がせるキングコング西野亮廣。

想像するだに多忙な毎日の中で、彼はいつ女の子と遊んでいるのだろうか? 時に奇抜なアイデアで世を驚かせるクリエイターであるだけに、心の奥深くには特別な“エロス観”を隠し持ち、創作の源としているのではないだろうか…。われわれは、本人に直接話を聞きに行った。

取材・文/オオサワ系

実際に「女神」からDMは届いていた!

『新世界』の中で「セックスさせてくれる女神はインスタでDMください」と書いていますが、実際に反響はありましたか?
こういうご時世、冗談でもああいうことを書くと、すごい怒られるんですよね…(笑)。でも、DMはめっちゃきました。
えっ。それは本当にお誘いの連絡ですか?
はい。シンプルに「エッチしましょう」って。DMだけではどんな相手かわからなかったので、怖くてそれ以上連絡はできなかったですが。
本当に連絡が来るものなんですね…。西野さん、かなり多忙な毎日だと思うんですが、いつ女の子と遊んでいるんですか?
酔っぱらったときに、気がついたら女の子に電話をしているっていうことはよくありますね(笑)。翌朝携帯の発信履歴やLINEを見ると、記憶はないんですけどむちゃくちゃ女の子に連絡をしているんですよ。

普段から性欲は強いほうだと思うんですけど、そういう意味では酔っぱらったときの僕はもっとすごいんだと思います。ただ、だいたい女の子には会えずに失敗していますね。いつも連絡だけして満足して、ひとりで寝ちゃうっていうパターンです。

20代はひたすら自己中心的。付いたあだ名は“ピアノ”

昔は相当遊んでいたみたいですね。
そうですね。若いころは単純にモテていましたし、とにかく遊びまくっていました。芸人としてテレビに出て忙しかった時期は、かなり自己中だったと思うので、女の子に対してけっこうひどいことをしていたかもしれないですね。

当時住んでいた部屋にはピアノがあって、女の子を部屋に呼んだときはピアノを弾くっていう前座をしていたんです。
えっ、なぜピアノを弾いていたのでしょうか…。
当時はそれがカッコいいというか、モテると思っていたんでしょうね。ちょうど番組の企画で練習をしている最中だったので、シンプルにちょっと聞いてほしいっていう気持ちもあったんですけど。
ええ。
そのバチが当たったのか、ある時、自分が女の子たちから陰で“ピアノ”ってあだ名で呼ばれていると知って。あれはすごく恥ずかしかったですね。それにしても今思うと、ピアノからの…っていう運びは我ながらちょっとヒドいですね(笑)。

意外にも、これまで女性関係の炎上はない

若いころと現在で、女の子との付き合い方に変化はありますか?
昔は自分が気持ちよくなることしか考えていなかったんです。だから自分はS(エス)だと思っていました。でも以前、女の子にリードされたときに、自分でも聞いたことがないような叫び声が出ちゃって(笑)。そのときに「あれ、俺ってもしかしてM(エム)なのかな?」って。たぶん相手の女性も僕のそういう姿を見て楽しんでいるんだと思いますね。
そういう経験はいつごろからですか?
30歳を過ぎてからですね。20代のころは、そういう自分をさらけ出すのが恥ずかしかったんだと思います。無意識のうちに、相手から攻められる隙を与えないように、自分が攻め続けていたんだと思うんです。

最近は恥ずかしいのが逆にいいんですよね。やっぱりセックスってみっともないものなので。みっともない自分を出せる場所っていいな、っていうか。「カッコつけてビジネス書とか書いてるくせに、お前そんなに大声出すんかい!」っていうね。うるさいから、顔を埋める枕がないとダメですね今は(笑)。
(笑)。ほかに、年齢を重ねて変わったことはありますか?
とにかく相手のことを探るようになりました。自分のことは後回しです。今は相手に満足してもらいたいっていう気持ちが強いですね。

あとは…徹底的に優しいです(笑)。家に泊まった翌日に、ランチをしにふたりで出掛けたりしますから。タクシー代だけ渡して帰すとか、そういうことは絶対にないです。

意外にも僕、女性トラブルでの炎上はこれまでないんですよ。寝顔を撮られて週刊誌に売られる…みたいな。それは日ごろの充実した“アフターサービス”のたまものだと思います(笑)。
好きになる相手も、年齢と共に変化してきているんでしょうか。
最近は少し上の年齢の女性が好きですね。向こうもある程度経験を積んでいるからっていうのもあると思いますが。年齢を重ねてお腹回りがたるんでいたりするのを見ると、何だかちょっとうれしい。だって「このお腹回りを服で隠していたんだな」って、脱がないとわからないことじゃないですか。そういうのが好きですね。
西野さんは新しいものやビジネスに対してアグレッシブなので、「恋愛においてもブッ飛んだ価値観をお持ちに違いない!」と乗り込んできたのですが、今お話を聞いた限りでは、思ったよりは“普通”です。
けっこうノーマルだと思うんですよね。強いていえば、執拗に耳を舐めるっていうのはあります。「なんでそんなに舐めるねん!」っていうくらい舐めますね。って僕、初めて会う人に何を打ち明けてるの?(笑)

「俺ってどうなっちゃうの?」未知の快感は仕事でも

遊んで得られる快楽と、仕事で得られる快楽だと、どちらが大きいですか?
後者のほうがぜんぜん気持ちいいですね。「これはいける」と思っていた作品が狙い通りに売れたり、反響があったりしたときはむちゃくちゃ気持ちいいです。
どんな気持ちよさなんでしょうか。
誰も手をつけてない物事に注目して、そこへ大きく賭けたときの、“ぞくぞく”ですね。このぞくぞくは恐怖ではなく興奮です。そういうとき、世間から叩かれて炎上する可能性があることはわかってはいても、でもやりたいんですよね。

今、「えんとつ町のプペル美術館」を造っている最中なんですけど、その美術館も土地代とは別で総工費が15億円も掛かるんです。それを「造る」って言っちゃったので、生々しい話ですけど、税金とかも掛かってきて、実現するには到底15億円じゃ済まないわけです。

そうなるともうタレント業だけの稼ぎでは無理なんです。だから今までの活動からは軸足を抜いて、「15億円を払える生活」に大きく変えなきゃいけない。しかもそこには何の保証もないっていう。そういうときは「俺ってどうなっちゃうんだろう」って思いますし、ぞくぞくするんですよね。この感覚はもうセックスの比じゃないくらい気持ちいいです。
最近、ぞくぞくした瞬間って具体的に何かありましたか。
今、美術館と同じくして、オンラインサロンのメンバーと「町」を造っています。埼玉県に土地を買って、『えんとつ町のプペル』に出てくる町を実際に作ろうという計画なのですが、そのアイコンになっているのが「提灯」と「煙突」で。計画している町の敷地には、提灯と煙突をつけたいと思っていたんですね。

そうしたら先日、近隣地域の住民の方から「私の家にも提灯と煙突をつけたい」っていう相談をしていただいたんです。向こうから言ってきてくれたことがすごく嬉しくて。だって、普段生活をする上で提灯と煙突はいらないじゃないですか。だからこれは、僕らに対する応援でしかないんですよ。地域をもっと絵本の雰囲気に近づけるために、私の家も協力しますよっておっしゃってくださって。今まで自分の人生で町を造ったことなんてないから、ひとつひとつの喜びが本当に大きいですね。
新しい喜びを知ったときのぞくぞくということですね。
ほかにも、美術館の近くでたこやき屋さんを始めようとしているお母さんが「この場所に似合うお店の名前を、西野くんに決めてほしい」っておっしゃってくれて。そのお母さんとは以前飲み会でご一緒していて、美術館についての計画をきちんとお話させていただいたんですけど、僕の思いがちゃんと伝わったんだなと感じて、これもすごく嬉しかったですね。
プロジェクトから得ている刺激が圧倒的に大きいということがわかりました。一方で、それ以外の生活は著書にある通り、蕎麦と少しの野菜を食べ、物欲は壊滅的になく、睡眠もそこまでとらないとなると、もはや僧侶みたいです。
たしかにそうですね(笑)。性欲だけはありますけど、それ以外の欲は絶対にお坊さんよりもないと思います。「コンビニの蕎麦だけでこれだけ働けるのか!」っていうくらい働きますからね、コスパは相当良いと思いますよ。
マネージャーさんが、横で強くうなずいていますね(笑)。
何を食べるかとか、何を着るかとか、考えること自体がとにかく面倒くさいんですよね。自分にとって無駄なことに時間を使いたくないんです。金銭欲がないっていうとすぐ「嘘つけ」って言われるんですけど、本当にお金にも頓着しないです。プライベートの生活費で言ったら貧乏な大学生よりもぜんぜん使っていないと思いますよ。

でもお金はすぐプロジェクトに回してしまうので、貯金はない。お金がなくなりすぎて、税理士さんから心配されたくらいですから。「しばらくはお金を使わないでください」って言われました。
そんな状況なのに、「本の印税を下げてほしい」と頼んだって聞きましたけど…
下げて欲しいっていうか「いらないから」って会社に言ったんですよ。著者印税って、吉本の場合は会社とタレントで分けるんです。で、自分の取り分が大きかったから「こんなにいらない」って。もう、我ながら「なんで本を書いたんだよ!」っていう話ですよね(笑)。

僕にとってお金は、必要なときにあればいいものなんです。今、実際に10億円持っている必要はないけど、何かのサービスや創作で10億円が必要っていうときにそれだけのお金を集められる状態は持っておきたいっていうことです。

今はただ、創作の時間だけがあればいい

お話を聞いていると、「性欲」と「仕事欲」が比較的きれいにすみ分けられているような印象を受けます。好きな女の子の存在が、創作に影響を与えたりすることはないのですか?
どうですかね。ただまあ、そのときどきの彼女から影響は受けていると思いますね。僕は作品を作ったときはまず彼女に見てもらってその反応を見ます。

乱暴な言い方かもしれませんが、そういう、のんびりした女の子に刺さらなかったら、その作品はダメなんだろうなって。偏差値の高いクリエイターに「おもしろいね」って言われても、それはあんまり意味がないんですよ。

でも「仕事」と「女の子」が交わる部分ってその程度で、基本的には切り離していると思います。
そんな西野さんが今「欲しいもの」って何でしょうか。
あまりないですね。強いて挙げるなら、今計画中の美術館もそうですが、人が集まれる場所です。これはどんどん造っていきたいです。
もはや、それも自分だけのための物欲ではないですよね。
あと欲しいのは休日ですね。書き物や作業をしたいので、休みは欲しいです。あ、でもそうなるとそれは休みではなくなるのか(笑)。
西野亮廣(にしの・あきひろ)
1980年7月3日生まれ。兵庫県出身。1999年、梶原雄太氏とお笑いコンビ「キングコング」を結成後、瞬く間に人気を集め、2001年にはレギュラー番組『はねるのトびら』(フジテレビ系)がスタート。その後さまざまな分野で活躍をするも、2005年より絵本作家をメインに活動を開始。2016年に発売した『えんとつ町のプペル』は累計38万部を越える。また国内最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」も運営し、その会員数は2万2000人を突破。

作品情報

書籍『新世界』
好評発売中
KADOKAWA 1,500円(税込)

西野亮廣が語る「一歩踏み出す為に必要な情報」とは? そして、西野亮廣が見た『新世界』とは? 今、世の中で何が起きていて、二年後に何が起きるのか? 西野亮廣が語りかける、“学校では教えてくれない”これからの時代の生き方。2019年1月時点で13万部5000部突破の話題作。