役者を続けていくうえで絶対に強みになる。橋本祥平×財木琢磨、声の芝居に懸ける思い

声優と2.5次元俳優が共演し、アニメパートと実写パートを行き来しながら物語が展開する『Dimensionハイスクール』。橋本祥平と財木琢磨の取材は、その撮影のクランクアップ直後に行われた。

連日のハードな撮影を駆け抜け、疲労も溜まっているはずだが、疲れを一切見せないふたり。意外にも舞台の共演はないというふたりの関係性から、はじめて挑む声の芝居への思いを聞いた。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

「2019冬のアニメ」特集一覧

▲左から橋本祥平、財木琢磨

落書きや先生のモノマネ…学生時代の思い出がよみがえった

本日、ドラマパートの撮影がすべて終わったそうですね(※取材が行われたのは10月下旬)。お疲れ様でした! 撮影が終わっての感想を教えてください。
財木 本当の気持ちを言ってもいい?
橋本 一回言ってみてください。
財木 ……寝たい!
橋本 あはは!
財木 でも、撮影はとても楽しかったです。今は達成感がスゴいですね。「終わったー!」って。
橋本 …僕も本当の気持ちを言ってもいいですか?
財木 どうぞ。
橋本 (わざとらしく泣くフリをして)本当に…撮影が終わるのが寂しくて…。みなさんと一緒に作り上げてきたので…。
財木 やられた〜!(笑)それはズルい!
橋本 本当に途中、終わらないんじゃないかと思いましたが、スタッフのみなさんも睡眠時間を削って撮影に臨んでくださいました。撮影中は天候にも恵まれてよかったです。今は、本当にお疲れ様でしたという気持ちです。
学園モノということで、衣装の学ラン姿がとても素敵ですね。撮影も廃校を使われましたが、学生時代の思い出がよみがえってくることはありましたか?
財木 すごくあったよね。
橋本 むちゃくちゃありました!
財木 男性だったらやったことがあるかもしれないけど、椅子をこう(椅子を浮かせてうしろの学生机に寄りかかる)やってたな〜って。
橋本 やってましたよね〜。
財木 たまに、うしろの人に机を引かれてガターン!って倒れちゃうときもあった(笑)。
橋本 “あるある”ですね(笑)。
財木 あとは、机に落書きしたり、消しカスを投げ合ったり…。
財木さんはイタズラっ子だったんですね(笑)。
財木 お互いイタズラをやり合う感じで。そういう小さなことがすごく面白く感じたなぁと思いました。
橋本 学生のときだから面白いってことありますよね。僕は高校生の頃、よく担任の先生のモノマネをしていたな〜って。
財木 あぁ〜わかる!
橋本 かなりクセのある先生で。先生も僕のモノマネを認めてくれて、クラスのみんなが見ている前でモノマネをやらせてくれたんです。今やったらつまらないと思うんですけど、それは学生クオリティということで(笑)。教室で撮影していて、「こんなこと流行っていたなぁ」っていろいろ思い出しました。
▲アニメパートは、本人たちのモーションキャプチャーで表現される。モーションキャプチャーの撮影は学校の体育館で行われ、体中につけられたセンサーにふたりは興味津々。撮影がはじまると、センサーを気にかけての細かな動きが求められ、普段芝居をするのとは異なる感覚に、ふたりから「難しい〜!」という声も上がった。

一緒にいる時間が多かったから、自然と距離が縮まった

おふたりの共演は…。
財木 3回目かな?
橋本 ドラマ『ディキータマリモット〜オウセンの若者たち〜』(tvk)と、『15歳、今日から同棲はじめます。』(TOKYO MX)で、全部映像なんですね。
財木 僕は『ディキータ』で友情出演だったし、一緒のシーンはなかったから直接的な関わりはなくて。
橋本 現場で話すこともなかったですね。
財木 『15歳、今日から同棲はじめます。』も、セリフをかけあうのは2、3シーンくらいだけでしたし、役の関係がバチバチでしたし…。
橋本 にらみ合ったりしていましたね(笑)。
財木 こうして深く一緒にお芝居をするのは実質はじめてだったので、撮影前からとても楽しみでした。
橋本 僕は、初対面の人は誰でも「怖い」って思っちゃうところがあって…。
財木 僕も怖かった?
橋本 怖かったです(笑)。だって、『ディキータ』でも『15歳、今日から同棲はじめます。』でも話す機会があまりなかったですし。…でも、全然怖い方ではなかったです。
今作の共演で、印象が変わりました?
橋本 はい、もう、ノリのいいお兄ちゃん。そういう意味では、すごく役にハマっている気がします。(財木さん演じる)黄川田(剛)くんもじつは優しいじゃないですか。
財木 舞台ではクールな役が多いけれど、映像だと黄川田のような役が多いんですよね。
黄川田は、強面で校内ではヤンキーと言われていますが、橋本さん演じる水上ゆりおを気遣う優しい一面がありますね。ふたりのシーンも多かったと思いますが、一緒にお芝居をされていかがでしたか?
財木 とてもやりやすかったです。ゆりおってすごく可愛いじゃないですか。黄川田として「守ってやりたい!」と思わせるお芝居をしてくれて、演じながら、自然と体が「ゆりおを守る!」と動いていたことがありました。
橋本 ふとしたことで守ってくれていましたよね。僕もすごくやりやすかったです。映像の実績があるだけあって、セリフを言っていない“間”を埋めるのが上手だなぁって。勉強になることがたくさんありました。
撮影期間中は、同じ部屋で泊まり込みだったと聞きました。仲も自然と深まったのではないでしょうか?
橋本 そうですね。琢磨くんは布団を敷いてくれるんですよ。お風呂に行くときも「トイレに寄るから先に行ってて」と言うと、「いや、待ってるよ」と待っていてくれたり。トイレットペーパーが切れちゃって、「琢磨くん、トイレットペーパーがない!」って言ったら、持ってきてくれたり。
財木 (ドアから手だけを出す動作をして)こうやって渡したよね(笑)。一緒にいる時間が多かったから自然と仲良くなれたよね。
橋本 琢磨くんが常に盛り上げてくれました。
財木 どうも(照)。僕はみんなと仲良くしたいタイプなんです。仕事で関わるうえでその人のことをもっと知りたい!という思いもあるし、知らないまま壁を作るのはとてももったいないと考えているんです。この業界は本当に素敵な方がたくさんいるので、交流をして刺激を受けることもあります。

変に声を作らなくていい。染谷俊之の言葉に救われた

普段は舞台での活躍が多いおふたりですが、今回は映像でのご出演です。舞台はお金を払って劇場に足を運んで見に行きますが、映像はテレビを点けたらおふたりの姿が見られますね。
財木 舞台よりも自分を知ってもらえるきっかけになりますよね。
橋本 たまたまテレビを点けたら映っていて、僕らのことを知らない人にも「この人、誰なんだろう?」と気づいてもらえますよね。そこから僕らのことを調べてくれたらうれしいなと思いますし、さらに普段やっている舞台に足を運んでくれたらもっとうれしいです。
そして、本作のアニメパートで声のお芝居にも挑戦されます。最近は舞台だけでなく、ゲームやアニメなどで声優として活躍される役者さんも多いです。おふたりは声のお芝居に興味はありましたか?
橋本 いろいろ自分の可能性を試せるのなら試したいと思っているのですが、そもそも僕は自分の声があまり好きではなくて…。
財木 そうなの?
橋本 はい。舞台の現場は、素敵な声の方たちばかりだなといつも感じています。今回、声優の石井(孝英)さんと大塚(剛央)さんと一緒にお芝居をしていて、声が綺麗でうらやましいなぁと思いつつ…。でも、チャンスをくれたこの作品には感謝していますね。
財木 2.5次元作品をやっていると、演じるキャラクターの声はやっぱり意識するんです。声マネをするわけではないですが、声優さんが演じた声は、勉強材料として何度も聞きます。そういう意味でも、声だけのお芝居は役者を続けていくうえで絶対に強みになると感じていて、興味はありました。そのきっかけを与えてくれた今作は、自分を成長させてくれる現場だと思いました。
橋本 これからアフレコがあるのでまた大変だと思うんですけど、染さん(染谷俊之)が「変に(声を)作らなくていいんじゃない」と言ってくれたんです。ドラマパートもある作品ですし、僕ら役者が声の芝居をする意味があると。その言葉にすごく救われました。
財木 そうだね。撮影はいったん終わりですけど、またこれからアフレコ現場でみんなに会うのが楽しみです。
▲謎の隕石・スプーディオ22世(声/江口拓也)は、ドラマパートでは合成で表現されるため、掛け合うシーンはテストからアベユーイチ監督を含め綿密にイメージの擦り合わせを行っていた。テストと本番の合間に、橋本と財木が石井、大塚とセリフを合わせる姿も見られた。
舞台と違う映像の現場ということで、現場での立ち居振る舞いで意識されていたことはありますか?
財木 シチュエーションがしっかりしていたので、学校の様子はしっかり把握しておこうと考えていた部分はありましたが…居方は普段通りです。
橋本 僕、舞台だとスタッフさん含め顔なじみの方が増えてきて……めちゃめちゃボケるんですよ。
『あんステ』のときのインタビューでもおっしゃってましたね(笑)。
橋本 でも、今回は「はじめまして」の方が多かったのでちゃんとしようと。ボケたいと心のなかではウズウズしつつ、抑えてました(笑)。
財木 『ディキータ』のときにその(ボケたがりな)片鱗を感じていました(笑)。だから、今回の撮影も、メイキング映像のカメラマンさんに「祥平くんはイケる人ですよ!」って言ったもん。
橋本 あははは!

後輩にアドバイスしても「自分はできているのか」と不安に

今回の現場は年上の方が多かったですが、他の現場では年下の方も増えてきたのではないでしょうか?
財木 そうなんですよ。年を取ってきたんだなぁと実感しています。
橋本 年下の子が増えても、いいアドバイスをしてあげられるような先輩にはなれなくて。僕、すごく自信がないんです。「こんなこと言っているけど、自分はできてるのか?」って考えてしまって…。
財木 (深くうなずいて)すごくわかる。
橋本 だから、アドバイスを求められたら答えて、自分にもそれを言い聞かせているパターンでやってます。
財木 僕もそんな感じです。あとは年下が増えたことによって、すごく気を遣ってもらえるようにもなりましたよね。
橋本 たしかに。そういう意味では、今回、園芸部員役で入ってくれたキャストふたりはすごく気を遣ってくれました。「お疲れ様」を兼ねてみなさんで食事に行ったとき、僕が無言になっていたら「橋本さんって舞台だと〜」とすかさず話しかけてくれて。僕はちょっと考えごとをしていただけなのですが、気を遣わせてしまったなーと。
財木 「お弁当どうですか?」と聞いてくれたりもしたよね。僕は年下でも、舐められた感じでなければ敬語を使われなくても全然平気なんです。それが、敬語を使われることも多くなったなぁ…と感じています。
橋本 それは使いますよ(笑)。
財木 僕としては、「敬語じゃなくていいのに!」って感じ。
橋本 心が広いなぁ〜。僕、このあいだふとした瞬間にタメ口で話しかけちゃったときがあって、「ヤベッ!」って思いましたよ。
財木 そう? 全然気づいてなかった。気づいてなかったということは大丈夫ってことだと思う!(笑)
では改めて、おふたりがお仕事をされるうえで大切にしていることを教えてください。
橋本 日々、吸収することですね。舞台もだし、こういう現場も。最近は、はじめて経験させていただくことがたくさんあるので、できるだけ吸収して。自分がもっと歳をとったときに活かせたらいいというか、この世界で生き残るためにたくさん勉強したいという気持ちです。
財木 僕はとにかく楽しんでやることを大事にしています。芝居がうまくできなかったときとか、落ち込むんですよ。ただ、そのままだと落ち込みが連鎖して、どんどん悪い方向に行ってしまう。だから楽しい気持ちに、プラスに考えるようにしています。…その変換が難しいときも、もちろんあるんですけどね。あとはこの業界、いろんな出会いが多いので、出会う人との関係を大切にしていきたいと思っています。
橋本祥平(はしもと・しょうへい)
1993年12月31日生まれ。神奈川県出身。A型。2013年に俳優デビュー。主な舞台出演作品に、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』、舞台『刀剣乱舞』、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズ、舞台「KING OF PRISM -Over the Sunshine!-」など。1月13日から20日まで出演するミュージカル「封神演義-目覚めの刻-」では主演を務める。2月15日からは、舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による再生-』、4月11日からはミュージカル「王室教師ハイネ -THE MUSICAL Ⅱ-」への出演も控える。
財木琢磨(ざいき・たくま)
1992年10月15日生まれ。福岡県出身。O型。2015年に俳優デビュー。主な舞台出演作品に、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、舞台「クジラの子らは砂上に歌う」再演、「DIVE!!」The STAGE!!など。ドラマでは、『水戸黄門』(BS-TBS)で“助さん”として知られる佐々木助三郎を演じたほか、『15歳、今日から同棲はじめます。』(TOKYO MX)では主演を務めた。

「2019冬のアニメ」特集一覧

出演作品

超次元革命アニメ『Dimensionハイスクール』
2019年1月10日 22:00〜放送スタート
http://dimension-hs.com/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、橋本祥平さん×財木琢磨さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年1月10日(木)18:00〜1月16日(水)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/1月17日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月17日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月20日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。