今や世界中で高い評価を受け、「MANGA」という言葉も通じるようになり、日本の誇れる文化のひとつとなったマンガ。特に、日本のマンガアニメを見て日本に興味を持ち、観光に訪れてアニメに登場した場所を“聖地巡礼”する外国人も多いのだとか。
実写ドラマ化や映画化が黒歴史になった作品も……
ストーリーや世界観が優れているマンガ作品が人気になると、アニメ化されることは不思議ではありません。そして、近年は実写ドラマ化や実写映画化される作品も増えてきました。
しかし、すんなり受け入れられやすいアニメ化とは裏腹に、実写化には反対という人も。実写化によって、世界観をぶち壊してしまう作品も多くあるのが現状です。
原作ファンを激怒させた実写作品10選
今回は、過去に実写映画化、実写ドラマ化されたマンガ作品の中でも、特に原作ファンを激怒させた作品を10本選んでみました。ネット上に投稿されていたファンからの声とともにご覧ください。
ちなみに、人によって面白く感じる感性は違うものです。「私はこの映画とっても面白いと思ったよ!」という人もいるかもしれませんが、原作ファンがガッカリした作品という基準ですのでご理解ください!
?『ドラゴンボール』
世界中にファンが多い鳥山明先生の名作マンガ『ドラゴンボール』。2009年にハリウッドで実写映画化されました。VFXと呼ばれる、最新の特殊視覚効果技術を駆使したアクション・シーンが話題になりましたが、孫悟空が高校生という設定に変更されているなど、原作から変更された点が多かったことで、世界観をぶち壊したとの感想が多かったようです。
ちなみに作者の鳥山先生は、「別次元の『新・ドラゴンボール』として観賞するのが正解」とコメントしています。Yahoo!JAPANの映画評価では1.72という衝撃的な点数がつけられています。
「『ドラゴンボール』のタイトルをつけるなんておこがましいレベル」
「駄作という前評判で逆に見たくなったから映画館に行ったが、やっぱり駄作だった」
「学校でいじめられていたり、女の子にモテたいと思う悟空に設定が変更になっていたりした。そんな悟空なんて、悟空じゃない」
「神龍に頼んでこの映画の存在をなかったことにしたい」
?『テラフォーマーズ』
マンガ作品の実写化に定評のある三池崇史監督によって2016年に実写映画化されたこの作品。原作は2013年の「このマンガがすごい!2013 オトコ編」で1位を獲得。テレビアニメ化後も評判が高く、実写化にむけて豪華俳優陣のキャスティングも決まり期待値が高まっていましたが、結果は「実写化事故」と言われるほど残念な作品になってしまいました。
「変身後の姿も火星の風景も、CGのクオリティが低すぎた。2016年の作品というより昭和の特撮映画のようだった」
「日本人俳優で揃えるために、名前や出身を変えてしまったのが残念だった」
「昔の映画のオマージュシーンが多すぎる。オマージュというよりパクリに見えてしまった」
?『進撃の巨人』
社会現象にもなったこちらのマンガ。実写化した際は、前後編の2部作が2ヶ月連続で公開され、主人公エレンを三浦春馬さん、ミカサを水原希子さんが演じたほか、原作には登場しないキャラクターを長谷川博己さんが演じるなど、映画ならではの展開が話題になりました。しかし……。
「納得できる配役ではなかった。全員日本人ってどういうこと?」
「リヴァイ兵長の存在を消してしまったことが許せない」
「原作に忠実に作られたアニメのあとだったのが余計に痛かった」
「エレンとミカサの関係性を変えたのは許せなかった」
?『先生!』
『俺物語!!』や『青空エール』などの大ヒット作品を世に送り出してきた河原和音先生の代表作を、広瀬すずさんと生田斗真さんで実写映画化。2003年に完結した作品ながら今なお根強いファンが多かったのですが、映画公開1週目の興行収入ランキングはまさかの5位という結果となってしまいました。
「そもそも実写化してほしくなかった。どんな人が演じても、リアルになったらただの淫行教師になってしまう……」
「響はかわいすぎ。伊藤先生はかっこよすぎ。原作とビジュアルが違いすぎて、2人のプロモーションビデオ状態だった」
「また広瀬すずか……という思いでいっぱい。よくも悪くも『ちはやふる』のイメージが抜けない」
?『花ざかりの君たちへ』
中条比紗也先生のマンガ作品『花ざかりの君たちへ』を原作とし、テレビドラマ化。 2007年に堀北真希さん主演を務めた実写化は大成功でしたが、リメイク版として放送された2011年度版は爆死。2007年版の平均視聴率が約17%だったのに対し、2011年度版は約7%とふるわず、放送中には打ち切り説も出てしまったそう。
「1回目のテレビドラマ化からたった4年でリメイクはありえない。前作を超えるレベルになると思っていたのか」
「主演も脇役も主題歌もAKB。AKB劇場が見たかったわけじゃない」
「イケメンパラダイスのはずなのに、好みのイケメンが一人もいなかった」
?『NANA』
矢沢あい先生作の大人気マンガ。2005年に実写映画化し、興行収入は40.3億円を超え、一大ブームに。また、ナナ役の中島美嘉が歌う主題歌『GLAMOROUS SKY』や、レイラ役の伊藤由奈が歌った『ENDLESS STORY』は大ヒット。
しかし、映画の出来に関しては賛否両論分かれる作品となりました。
「宮崎あおい自体は可愛いけど、ハチではない。しかも身長高過ぎ」
「マンガ通りのイケメンを揃えるとか無理」
「実写化されたときは興奮して観に行ったけど、今冷静に考えるとすごい微妙
な映画だったと思う。原作と出演者がリンクしない。主題歌に支えられた感ある」
?『地獄先生ぬ〜べ〜』
2014年に日本テレビ系の連続ドラマとして実写化。舞台を高校に変更したことや、各キャラクターの設定にオリジナルを加えたことなど、原作ファンからは批判の嵐。番組のBBSには縦読みでドラマ批判が投稿されたことも……。
「原作のキャラクターが崩壊していて、ただコスプレをしているだけのドラマになっていた」
「ゆきめの改変がひどすぎた。片言のゆきめなんてありえなかった」
「わざと炎上を狙っているのかと思えるほどひどい内容だった」
?『ジョジョの奇妙な冒険』
原作の第4部「ダイヤモンドは砕けない」を三池崇史監督で実写映画化。実写化は不可能と言われていた「ジョジョシリーズ」ということで注目が集まる一方、原作ファンからは公開前から猛バッシング。国内映画ランキング初登場時は5位、翌週からは10位圏外、さらに最終興行成績は9.2億円という結果で、当初予定されていたシリーズ化も白紙となってしまったのだとか。
「コントにしか見えなかった」
「仗助に迫力がなさすぎ。リーゼントのヤンキーキャラなのに山崎賢人の顔は優しい顔なので真逆。身長も足りていない」
「ジョジョのキャラクターはどんな強烈な俳優を起用してもマンガを超えることはできない」
「仙台がモデルのはずの杜王町なのに、なぜスペインでロケしたのか」
?『ルパン三世』
2014年に小栗旬さんの主演で実写映画化。制作には4年以上の時間がかけられた力作でしたが公開当初は映画評論家から酷評の嵐。最終的には最終興行成績24.5億円を記録したものの、賛否がハッキリと分かれる作品となっています。
「邦画なのに吹き替えという意味のわからなさ。口パクがひどすぎるし、キャラクターも多すぎた」
「キャスティングはよかったのに脚本が最悪。本当に脚本製作に2年もかけたのだろうか」
「峰不二子が細すぎる。ダイナマイトボディじゃない不二子ちゃんは不二子ちゃんじゃない」
?『鋼の錬金術師』
原作コミックスの累計発行部数は7000万部を突破し、テレビアニメ、アニメ映画、ゲーム等すべてが大ヒット。満を持しての実写映画化でしたが、試写会では原作ファンから大ブーイングが起こってしまいました。
「特典の0巻目当てに行っただけ」
「衣装やウィッグが安っぽい上、練成シーンのCGもいまいち」
「脚本は原作の重要シーンをただつなげているだけ」
「連載当初からのファンからしたら、到底認められるものではなく存在を許せないくらいの駄作」
怖いもの見たさでチェックしてみては?
これらの作品は原作に思い入れがあればあるほど悪く思えてしまうもの。気になる作品がある方は怖いもの見たさ感覚で、期待しすぎずに見れば案外楽しめたりするかもしれませんよ。