後悔してもいい、いいときも悪いときもある。沢尻エリカ、“直感”で突き進む人生

“多様性”が叫ばれる現代だからこそ、人は人生の岐路で悩み、迷い、時に涙しながら、歯を食いしばって、たくさんの選択肢の中から自分の歩むべき未来を選んでいく。映画『食べる女』は、おいしいごはんとそれがもたらす人のつながりで、悩める者たちの背中をそっと押してくれる。

「それが人生だから」――。幾度となく沢尻エリカの口から、そんな言葉が発せられた。人は彼女のことを“強い女”だと言う。それは事実だろう。迷いのない短い受け答えからもそれは感じられる。だが、その強さは他者ではなく、彼女自身に向けられたものだ。自分で決めて、成功も失敗もすべて受け止める。それこそが沢尻エリカの本当の強さなのだ。

撮影/祭貴義道 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.

「映画『食べる女』」特集一覧

自分とまったく違う感覚の人と、偶然出会うって面白い

映画『食べる女』は、雑文筆家で古本屋を営む“トン子”こと餅月敦子(小泉今日子)を中心に、彼女の周りに集う、それぞれに迷いや悩みを抱えた女性たちの恋や選択を描き出す群像劇ですが、最初にオファーが届いた際の心境は?
いろんな年代の女優さんがいらっしゃるというのは魅力でしたが、何よりも小泉今日子さんが主演ということで「やりたい!」と思いました。
沢尻さんが演じられた“ドド”こと小麦田圭子は、トン子の担当編集者という役柄でした。
年齢ももちろんですが、バリバリ仕事をやっているところとか、すごく理解、共感できました。ここに出てくる女性の中では一番、私自身と近いのかなと。
年齢も立場も違う女性が、トン子の家やその親友の鴨舌美冬(鈴木京香)の小料理屋に集まり、ワイワイと話をする様子がすごく楽しそうでした。
撮影もすごく楽しかったです。食卓を囲むシーンが多くて、ずっと食べて話してました。普段だったら、撮影の段取り(※動きなどの確認)が終われば、みんな控室に戻ったりするんですけど、今回はずっとそこにいて、世間話して撮影して…本当に現場が楽しかったです。
ドドの相手役である、冴えないサラリーマン・タナベを演じたのはユースケ・サンタマリアさんでした。
面白かったですね。ユースケさんとは「はじめまして」だったんですけど、全然そんな感じもなく。(ベッドシーンもあって)ちょっとお互いに気を遣う部分もあるかな?と思ったら、ものすごくフランクな方で。

それがかえってよかったですね。タナベとリンクするような部分もあって、終始ユースケさんがリードして、現場を盛り上げてくださったりして。とてもいい雰囲気でした。
タナベとの出会いは免許更新センターの食堂。カレーをかけられそうになり、その後に偶然、ドドの家の近くで再会。カレーのお詫びに料理を作りに来るという、かなり不思議な男ですね。
メチャメチャ不思議ですよね(笑)。
スーパーの袋を抱えて、笑顔ひとつ見せずに「出張料理人です」と…。
それをスッと部屋に入れるドド(笑)。理解できない人は理解できないと思います。でも不思議な感覚で、変ないやらしさもなくスッと相手の懐に入り込むのは、彼の持って生まれたものなのかな?と。
こんな出会い方はめったにないと思いますが、沢尻さん的にはアリですか? それとも引いちゃいますか?
面白いと思う(笑)。全然違う職種の方や、まったく自分とは違う感覚を持った人と偶然出会うって、それが友達だろうと恋だろうと面白いなって思います。
そんなタナベとの関係について「何してんだ、あたし…?」と自問しつつ「ま、いいか」となるドドも不思議ですが、魅力的だと思います。
「ま、いいか、1回くらいなら」の「ま、いいか」ね(笑)。最初の出会いは変な感じで「でもコイツ、料理もうまいしなかなかやるじゃん!」みたいに、何気にいいヤツだなぁって印象に変わっていく。最初はどういうヤツなのかわかんないなりの「ま、いいか」だったんだなと思います。

「何だかわかんないけど、とにかくつらい」と感じた10代

ドドに限らず、女性として生きることの楽しさ、そして大変さの両面が描かれていますが、沢尻さん自身は、女性の生きづらさを感じたりすることはありましたか?
若い頃は感じてましたね。10代の頃とかはとくに。何だかわかんないけど、とにかくつらいなぁって。でも、いまはないですね。
何かきっかけがあって、考え方や受け止め方が変わったんでしょうか?
覚えてないですね。「これ!」というきっかけよりは、いろんなことの積み重ねなんだと思います。年齢と経験を重ねていった結果ですね。若い頃は「こうしなきゃ」と考えてしまう部分があったけど、いまはそれがなくなったんです。

「どこがどう変わったのか?」も自分ではわかってないんですけど、「全然違う!」というのは実感してます。10代、20代と本当にいろんな経験をして、そのすべてを経ての“いま“であり、すごく楽しいです。
男性と張り合ったり、「負けてたまるか!」という意識は?
私、小さい頃から男兄弟の中で育って、性格も男っぽかったんです…まあ、そこはいまもですけど(笑)。だから短パンにTシャツでアクティブにマウンテンバイクとか乗ってたんです。

でも親は「女の子なんだから、おしとやかに」と言うわけで、そういうのがイヤでした。それはどうしようもないと10代、20代の頃はあきらめて過ごしてたんですけど、女には女なりの楽しみがあるんだって気づいてからは楽しくなりました。ファッションを楽しめるのも女の特権だなって。
加齢が“劣化”と表現されたり、若さを絶対視する信仰のようなものが社会にありますが、沢尻さんは年齢を重ねることを楽しんでいるように感じます。
年齢を重ねたからこそ楽しいですね。やりたいことも、自由も増えます。やっぱり、若いと自分だけでできないことも多いですし、そういう意味で、自分でできることが増えたし、楽しみがどんどん増えていく感じです。
今回、共演された女優さんたちはみなさん、仕事も人生も楽しんでいそうですね。
そうなんですよね。小泉さん、京香さん、みなさん素敵でチャーミングに歳を重ねられていて、ああいう方たちを見ると、自信になるというか「まだまだイケるじゃん!」って刺激をいただきました。

人生で、常にいいことばかりなんて絶対にありえない

これから30代の半ば、そして40代に向けて、こうありたいというイメージはお持ちですか?
その年代、年齢ごとに、いろんな経験ができたらいいですが…。
女優人生において “女優”という仕事をどのように捉えていますか?
役者って、死ぬまでできることなんだなというのをすごく感じます。体力さえあれば、おばあちゃんになってもできるし、10代は10代なり、20代は20代なり、30代は30代なりにできることがあって、その時々でできることも変わってくるのが興味深いです。これから、年齢を積み重ねて、どんな役ができるようになるのか楽しみです。
20代前半の一時期、活動を休止されていた時期がありましたが、ブランクがあったことで、逆に女優の面白さやご自身にとってのこの仕事の重要性が増した部分もあったのでしょうか?
そうですね。私にとって、あの期間はプラスと言えるものだったと思っています。21歳から24歳くらいまでの時期に作品を残せなかったことは、もったいないことだったかもしれませんが、それも人生だし後悔はないですね。
いま、女優という仕事のどの部分に一番面白さを感じていますか?
単純に芝居するのが楽しい、それだけですね。それはたぶん、いまだけでなく昔からずっと変わってないと思います。
livedoorニュースは10代、20代の読者も多いのですが、沢尻さんが大事にしてきた “教訓”、人生の軸となっているものは何かありますか?
やりたい!と思うことをやればいいんだと思います。
ご自身も、やりたいと思うことをやってきた?
そうですね(笑)。
人生、常に大小さまざまな決断があると思いますが、沢尻さんはどうやって決断を下すんですか?
(即答で)直感! 自分の感覚でピンときて「あ、面白そう」。その感覚を大事にしてます。
迷ったり「うまくいくかな?」と不安を感じたり、後悔することはないんですか?
まあ、それはそれでいいと思います。常にいいことばかりが出続けるなんて絶対にありえないし、人生も人も作品も出会いなので。いろんなこと全部ひっくるめて人生ですから。女優人生も同じです。
その生き方は、これから先も変わらない?
もちろん! だからいいときもあれば悪いときもある。そういうものだと思います(笑)。
沢尻エリカ(さわじり・えりか)
1986年4月8日生まれ。東京都出身。A型。小学生の頃に芸能界入りし、雑誌『ニコラ』(新潮社)のモデルを務める。女優としては、2003年の『ホットマン』(TBS系)で連続ドラマに初出演。2005年の映画『パッチギ!』で高い評価を集め、2005年の連ドラ初主演作『1リットルの涙』(フジテレビ系)も大きな話題に。その後も映画『間宮兄弟』、『手紙』、ドラマ『タイヨウのうた』など、話題作に次々と出演。近年では2014年の『ファーストクラス』シリーズ(フジテレビ系)で主演を務め、映画でも『ヘルタースケルター』、『新宿スワン』、『不能犯』、『猫は抱くもの』などに出演。7月から放送されたドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)にもヒロインとして出演、10月19日には映画『億男』の公開も控える。

「映画『食べる女』」特集一覧

出演作品

映画『食べる女』
2018年9月21日(金)ロードショー
http://www.taberuonna.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、沢尻エリカさんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2018年9月20日(木)12:00〜9月26日(水)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月27日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月27日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月30日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
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