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まぐまぐニュース
また、昨年4月にセリーナが妊娠を公表した際には、ルーマニアのテニスの代表監督イリ・ナスターゼ氏が、「どんな色の子どもが生まれるのか? チョコレート・ミルク色?」と信じられないコメントを発表。さすがにこれには批判が集中しました。
このときのセレーナは今回のファイナルでの過激な口撃とは違い、冷静かつ毅然に対応。
私や私の子どもに対し、このようなことをする社会に生きていることに絶望しています。 (中略) あなたは、言葉や視線でわたしを深く傷つけることもできる。 憎悪でわたしを殺すこともできる。 それでも、あたかも自然に、わたしはまた立ちあがる。
私や私の子どもに対し、このようなことをする社会に生きていることに絶望しています。
(中略)
あなたは、言葉や視線でわたしを深く傷つけることもできる。
憎悪でわたしを殺すこともできる。
それでも、あたかも自然に、わたしはまた立ちあがる。
SNSでこう発信し、まさに“Thank you Serena for standing up for us!”とアメリカ中が賞賛しました。
今回のファイナルでも、もっと違う形で抗議していれば、セレーナの株はもっともっと上がったはずなのに。残念でなりません。
そして、あの場にセレーナがどういう気持ちで挑んでいたのか? 大坂選手がどう感じていたのか?
このことは多くの日本人には永遠にわからない感覚かもしれません。
私が子供の頃、南部のアラバマ州に住んでいたことは何度も書きましたが、その時の経験は想像を絶するものものでした。
夏休みになると子供たちはYMCAのプールに毎日行きます。私も例外ではありませんでした。ある日のこと。プールでいつもどおり遊んでいると、突然監視員がけたたましく笛を鳴らし、プールから出るように指示。ものすごい剣幕で「プールから出て!」と促されました。
そのとき「ナニ」が起きていたのか、私にはわかりませんでした。
あとから父が教えてくれたのですが、黒人の少年がプールに入ったことが原因でした。当時のアメリカでは「プール」に黒人が入る権利がなかった。入るなら黒人専用のプールと決められていた。少年は「招かれざる存在」だったのです。
…大坂選手の表彰台の言葉は、人種や性別を超えて全ての人の心に響きました。それは彼女が「日本的」だったわけではなく、大坂なおみだったから。一点の曇りもない純粋な気持ちを持つ勇気ある「大坂なおみ」というひとりの女性に、世界中が感動したのです。いつの時代も、いかなる舞台でも、真摯な言葉は人を動かします。
アメリカのいいところは、彼女の言葉を「大坂なおみ」の言葉ときちんと受けとめ賞賛することです。
「日本人らしい」と賞賛した日本とは大違いです。私たちも彼女から学ぶことがたくさんあります。自らを省みることです。そのことを最高のプレーとスピーチで教えてくれた大坂選手に心から感謝します。
※本文の一部に誤りがありましたので修正いたしました、深くお詫びを申し上げます。
image by: lev radin / Shutterstock.com
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