モー娘。から憧れのスーパー戦隊へ――工藤 遥が新たな仲間と過ごす、刺激的な日々。

撮影現場に現れた工藤 遥は、用意されたオレンジ色のバックペーパーを見て、「これは狙って、ですね?」とニヤリ。2017年まで在籍した、モーニング娘。での工藤のイメージカラーはオレンジ。卒業後、女優としての第一作目で出演中の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系)では、早見初美花/ルパンイエローを演じている。『ルパンレンジャー』の撮影を半年経験し、「今、ワンテイクでOKが出るとうれしい」と話す。アイドルから女優へ。工藤は一歩ずつ、たしかに女優への歩を進めている。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

アイドル時代の経験をキッカケに、芝居にハマった

2017年のモーニング娘。卒業後は、女優の道に進むと決めていたのですか?
はい。卒業後は女優しか考えていなかったです。はじめてお芝居を経験したのが、アイドルになりたてだった小学5年生の頃の舞台なのですが、そこでの経験が本当に楽しくて。「お芝居ってこんなに面白いんだ」と感じたんです。
2010年に出演された、空間ゼリーvol.12「今がいつかになる前に」ですね。
それから芝居の“沼”にハマっていったというか、のめりこんでいって。1年に1回舞台に出演する機会があって、主演をやらせていただくこともありました。舞台に立つなかでお芝居がどんどん好きになっていったんです。だから、卒業後は「女優をやりたい、女優しかない」って思っていました。
たしかにハロプロエッグ時代も、モーニング娘。のメンバーになられても、工藤さんのお芝居を見る機会は多かった印象です。
私はモーニング娘。のなかでは、歌もダンスも飛びぬけてうまいわけではなかったので、それ以外の自分にしかできないもので、グループの力になりたいと思っていました。
私が舞台に出演し、名前のうしろに(モーニング娘。)とつくことで、今のモーニング娘。を知るキッカケにつながってほしい。グループへの自信はあったので、私を見て、「この子面白い」「モー娘。なんだ」っていうところから、「ほかにどんな子がいるんだろう」ってグループに興味を持ってほしいなと感じていたんです。
そういう意図もあって、芝居に力を入れていたのですね。現役時代から「戦隊に出たい」ともよくおっしゃっていました。
本当は、現役時代から出たいくらいだったんですけど、スーパー戦隊の撮影スケジュールと、モーニング娘。のスケジュールをかけもちするのは…(笑)。どちらか1本に決めないとできることではないと思うので。
そういう意味で「モーニング娘。になりたい」から「戦隊に出たい」まで、夢をひとつずつ叶えてきています。逆にちょっと怖い気持ちもありますが(笑)。でも、本当にこれまで自分に関わってくださったすべての方に感謝だなと思いつつ、今は作品をやらせてもらっています。
今の撮影スケジュールと、アイドル時代の活動スケジュールには、どんな違いがありますか?
アイドル時代は、年に4回コンサートツアーがあって、舞台があって、新曲のリリースが2、3回あって…と1年の流れが大体決まっているので、全体のスケジュールがわかりやすかったんです。
それが、今は夏の映画があって、イベントがあって、という大まかなものはわかるけれど、すべてを把握しきれなくて。『ルパンレンジャー』の物語がこの先、どんな展開になるのかもわからないし、スケジュールが“読めない”という点が一番アイドル時代と違うところかもしれません。

早見初美花の役作りの原点は、道重さゆみ

アイドル時代の経験が今、活きていると感じることはありますか?
アイドル時代は男役を演じることが多かったんですよね。だからずっと「女の子を演じたい」「可愛らしい演技がしたい」と感じていました。そう思っていたなかでの早見初美花役だったので、「やってやるぞ!」っていう思いの強さは、今の撮影で活きているかもしれません。
初美花は天真爛漫で、言動もとても女の子らしいですね。
あとは、“可愛いぶりっ子キャラ”である初美花を作っていくなかで、女性ばかりのアイドル出身ということで近くにたくさんのヒントがあったんです。先輩でいえば、道重さゆみさん(モーニング娘。OG)など。
初美花を演じるうえで参考にしているのですか?
役作りの原点は道重さんです。道重さんが可愛い曲をパフォーマンスしているときの表情や、バラエティ番組で「私が一番可愛い!」と言っているときの立ち居振る舞いなど、映像を見返して学ばせていただいています。
今も、道重さんのショーやライブなどを見に行ってヒントを得たりしています。もちろん、道重さんのパフォーマンスを見たいのもありますよ!(笑)でも、すごく助かっているので「ありがとうございます!」という気持ちです。
それを道重さんにお伝えになったりは?
いや、言えないです! やんわり、インスタのハッシュタグで「じつは役作りの参考にしています」って書いたけど、届いているか…。いや、届かなくていいんですけど(笑)。

アイドルと女優には“愛してもらう”対象の違いがある

女優として本格的に活動しはじめて、スケジュール以外にアイドル時代との違いを感じていることはありますか?
アイドルは、“工藤 遥”を愛して、好きになっていただく。でも女優は、まず演じることが第一にあって、演じている役…私でいえば早見初美花、ルパンイエローを愛して、好きになってもらわないといけない。自分とキャラクターの切り替えがあるのは、女優ならではだと実感しています。
その切り替えは難しい?
最初は苦戦しました。そもそも、映像ではどういうふうにお芝居をしたらいいのかというところから考えて。母親から「舞台じゃないから、そんなに大きく芝居をしなくてもいいんじゃない?」とアドバイスをもらったので、最初はそんなに大きく動かなくてもいいのか、と思っていたんですけど、特撮ですしキャピキャピした女の子なのでそうでもなくて。
初美花を演じながら、自分が出すぎてしまうところもあって。お芝居についてはいろいろと悩みながらやっています。
お芝居のディレクションも厳しいですか?
厳しいです。監督が求めている画と、私たちが思っている芝居が噛み合わないときは本当に何テイクも撮るんですよ。劇場版も撮ってくださっている杉原(輝昭)監督にも、よくメガホンで「初美花、もっと可愛く!」と言われていました。
快盗はクールさとスマートさが持ち味ですけど、だからこそ、ヒロインの初美花には“可愛らしさ”が求められるんです。声のトーンやしゃべり方、ちょっとアホっぽいところをどう表現するかは監督からよく言われていた部分。必死に初美花と向き合ってそこを作ってきたので今、撮影をやっていてワンテイクでOKが出るとうれしいです。
今年の2月から放送がはじまって半年。撮影もスムーズに進められるようになってきたということですね。
ただ、最近はちょっと自由にやりすぎて、度が過ぎているかもっていうこともあります(笑)。
度が過ぎている?
『ルパンレンジャー』の3人は、いろいろな過去を抱えていてシリアスな部分が多いので、コメディ的なシーンはあまりないんです。だから、一瞬でもおふざけができるシーンがあると私はテンションが上がっちゃって。お芝居に反映すると「それはやりすぎ!」って言われることが(笑)。
最近は日常的にも初美花が出がちで、周りから「今、出てるよ!」って言われることもよくあります。
どんなときに出てしまうのでしょうか?
現場で差し入れをたくさんいただくんですけど、お菓子をあさりながら「(甘い声で)え〜チョコがない〜!」と言っているときとか。私は声がもともとハスキーなのに初美花の声が出てしまうときですね。「初美花が出てる、初美花!」って言われて、ハッとするんです(笑)。
無意識のうちに出てしまっていると。
けっこうあるみたいです。1年やるので、『ルパンレンジャー』が終わっても、初美花が抜けきらなかったらどうしようっていう心配も出てきました(笑)。

男子キャストは、女子コンビのワガママを聞いてくれる

キャストのチームワークはいかがですか?
めちゃめちゃいいと思います! 最初の頃は、お互いの芝居についてけっこう細かく話し合っていたんですが、今はお互いの空気感でどんなお芝居をするのかわかるようになってきて。言葉にせずとも「こうしたほうがやりやすいな」って動けるんです。みんな仲もいいんですよ。
それは役者としても素敵な関係ですね。初対面からどうやって仲を深めていったのでしょう?
みんなとてもフレンドリーで、早々に打ち解けたんですよね。撮影がはじまったのが去年の12月中旬だったのですが、年内には6人でテーマパークへガッツリ遊びに行きました。そこで距離がグッと近くなったなと思います。
それは誰の発案だったのですか?
結木滉星くん(朝加圭一郎/パトレン1号役)です。最初はただの口約束だったので、全員が「本当に行くのか?」と思っていたんですけど、ちゃんと全員来て(笑)。
追加戦士の元木聖也さん(高尾ノエル/ルパンエックス&パトレンエックス役)が入ってきたときも、会って2回目のときにみんなでご飯に行って。ボーリングして、カラオケしてみんなでワイワイ盛り上がりました。本当にずっと一緒にいた仲間みたいな感覚です。
ご飯に行くときなど、率先して声をかけるのは?
それも結木くんです! 結木くんが撮影終わりで突然、「1時間後に○○(場所)集合ね」とか言ってきて。こっちは「え?」となるんですけど、結局みんな行く(笑)。
このあいだはボーリングを7人で5ゲームもやったんです。…5ゲームもですよ!?
1ゲームで10フレームあってそれを5回、しかも7人ですから…。
もう、すごい時間がかかったんですよ〜! 最初は7人で5ゲームと聞いて「何を言ってるんだ」って感じだったんですけど、私もノリノリでやっちゃって(笑)。
ムードメーカーの結木くんをはじめ、みんな楽しいことが好きでノリがいいんです。友人としても役者としてもいい関係なのはうれしいです。
みなさんでいるときの工藤さんのポジションというと?
女子がふたりしかいないので、みんな私たちの意見を聞いてくれて。私と奥山かずさ(明神つかさ/パトレン3号役)はワガママ担当です(笑)。
お姫様扱いというか(笑)。
そうなんです(笑)。たとえば、ご飯に行こうって言われたとき、あまり行きたくないと私もかずさも「うーん」って苦い顔をするらしくて。「じゃあ、今日はやめよう」と、私たちの意見を尊重してくれるんです。
でもアダ名はなぜか、かずさは「お婆」、私が「お嬢」なんですよ。ヒドくないですか?(笑)かずさは最年長で、私が最年少で…そういったワガママを言うポジションということでこのアダ名になったんです(笑)。
キャストのみなさんの動画ブログを拝見したのですが、ルパンレンジャーの3人でいるときは、工藤さんが場を回していくタイプなのかなと思いました。
あはは、その通りです。最初の頃は「しっかりしているんですよ、最年少なのに」って言ってもらうことに対して「いやいや、そんなことないです」って答えていたんですけど、最近は自分でも「私が一番しっかりしているな」って思ってます(笑)。
何度か3人のフリートークをする機会があって、何となく「私が回すよ」って言ってやっていたのですが、最近はふたりとも「全部回してね」「任せた」みたいな感じで。でも、7人いても私が回しの立場になることが多いんですけどね(笑)。
工藤さんも、そういった立ち位置が嫌いじゃない?(笑)
仕切るのは好きなので、私が場を回すことによって、話が円滑に進むのであれば喜んで、という感じです(笑)。

テレビ版とはひと味違う、初美花のカッコよさに注目して

8月4日から、『劇場版 仮面ライダービルド(ビー・ザ・ワン)』『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アン・フィルム)』が公開されます。
映画デビューもこの作品になります。夏は映画もイベントもあって、スーパー戦隊が盛り上がるイメージ。これまで、視聴者として毎年楽しみにしていたのが、今年の夏は提供する側になれることがうれしいです!
普段の撮影とは、現場の雰囲気は違いましたか?
違いました。映画なのでとにかく派手に、を意識していて、エキストラの方にもたくさん参加していただきました。撮影場所もいつも以上にオシャレなところで。スタイリッシュさを前面に出しているのはロケーションや小道具から感じられると思います。
あと、アクションもかなり力を入れました。カメラアングルなどにも時間をかけて撮影したんですよ。
それは楽しみですね。では、劇場版での初美花の注目ポイントを教えてください。
杉原監督から「ムダにカッコよく」というディレクションがあったので、スマートさ、スタイリッシュさはいつも以上に意識しました。
たとえば、どんなところで意識されたのですか?
変身シーンもそうですが、予告編にもある、3人で大勢の人のなかを歩くシーンですね。ヒールを履いているので、カッコよく見えるように、線の上を歩くようなモデル歩きを意識して。“オシャレさ”はかなり気をつけて撮影に臨んだので、普段は可愛らしい妹キャラな初美花が「こんなにカッコいいんだ!」というテレビ版とのギャップを楽しんでいただけたらと思っています。
工藤 遥(くどう・はるか)
1999年10月27日生まれ。埼玉県出身。A型。2010年にハロプロエッグに加入。2011年に行われた、モーニング娘。10期メンバー『元気印』オーディションに合格し、モーニング娘。として活動をはじめる。在籍中は、演劇女子部 ミュージカル『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』、演劇女子部 ミュージカル『TRIANGLE-トライアングル-』など、さまざまな舞台に出演。2017年にモーニング娘。を卒業してからは、女優の活動をメインに行っている。

出演作品

『劇場版仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)』『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アン・フィルム)』
2018年8月4日(土) ロードショー
http://www.build-lupin-vs-pato.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、工藤 遥さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2018年8月2日(木)12:00〜8月8日(水)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/8月9日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月9日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月12日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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