防衛省から民間機向けまで幅広いエンジンの整備・検査業務を担い、整備士の中でもトップレベルの技術と知識を持つ「確認主任者」として瑞穂工場をけん引。確認主任者は国土交通省の航空局検査官の代理検査行為を担う重責だ。「エンジンは一つ間違えば大勢の人命に直結する」ことを肝に銘じ、「品質には絶対に妥協しない」姿勢を貫いた。
技能伝承を託されたが「若手にはもどかしさを感じることもある」。積極的な若手が多かった自身の修業時代に比べ「最近は受け身の人が多い」。若手には始めに座学を実施し、学習した内容について実際の部品や現場を見せて知識を定着させるよう心がけている。消極的な若手が多いことから「指導は個人または少人数で行っている」と時流に合わせた工夫も怠らない。
技術やノウハウを身につけるのは一朝一夕にはいかない。「ここまでやってこられたのも、分からないことを放置せず調べてクリアにする努力をしてきた結果だ」。エンジン整備に関する実務経験と知識、関連法令の理解に関しては「社内外でも第一人者と自負している」と力を込める。