東大女子図鑑:東大を中退して起業。26歳の若さでひと財産を築いた東大女子の、自由すぎる生き様
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日本国内最難関・東京大学に入学を果たした「東大女子」の生き様を。
東京大学の卒業生は毎年約3,000人。
しかしそのうち「東大女子」が占める割合は2割にも満たず、その希少性ゆえ彼女たちの実態はベールに包まれている。
偏差値70オーバーを誇る才女たちは卒業後、どのような人生を歩んでいるのか。
これまでには隠れにゃんにゃんOLや、愛人枠に甘んじる文学少女、量産型女子を演じる理三卒女医、夫に内緒で別宅を構えるバリキャリ、ハイスペ男しか眼中に入らない美女、仮面夫婦でも母になることを選んだハイスペ嫁が登場。
さて、今週は?
<今週の東大女子>
氏名:木村雪乃
年齢:32歳
職業:無職
入学キー学部:理科一類
住居:松濤のマンション
ステータス:独身
駒場キャンパスの学生食堂に現れた雪乃は、 無地のさっぱりとした白いTシャツにジーンズというカジュアルな装いだ。
顔立ちが際立って華やかという訳では無いのだが、小顔にダークブラウンのロングヘアがさらりとよく似合う。
周囲の女子大生にも同じような恰好をしている者はちらほら居るが、雪乃の放つ垢抜けたオーラは異質だった。
「いやー、久しぶりの学食、楽しいなあ。
駒場の食堂って結構オリジナルメニューが充実してるんですよ。今の季節、お気に入りは断然“サラサラとん茶”ですね!」
そう言って彼女が満面の笑顔で抱えるのは、冷や飯に熱々のとんかつを乗せ、冷たいカツオ出汁スープと大根おろしで頂く「とんかつ茶漬け」というメニュー。
華奢な体格に似合わず、顔の大きさの2倍はありそうなどんぶりをペロリと平らげる。
「これが420円って、さすが学食クオリティ!学生は良いですよね、こんなのが毎日食べ放題なんて。学校さぼってる場合じゃありませんね〜」
雪乃はとにかくよくしゃべる。くるくると表情を目まぐるしく変えながら、さえずるような早口で常に何かをしゃべっているのだ。
「6年前に会社売ってからは、フラフラして生きてますね。
今は無職ですが、去年までは色々やってたんですよ。神社の巫女さんバイトとか、ディズニーランドのキャストとか、バスガイドとか…巫女さんバイトは制服?というか巫女装束目当てでしたが、後は人と話す仕事が多かったかな〜。
あ、一番最後は銀座のクラブでも働かせてもらってました」
-巫女に、銀座のクラブ!?
この発言からは、“定職を持たないフリーター”にしか聞こえない。
しかしながら雪乃は大学在学中に起業した会社で大成功をおさめ、6年前に売却してひと財産を築いたという、バリバリの実業家なのである。
そんな彼女は一体、どのような学生時代を過ごしたのだろうか。26歳ですでにひと財産を築いた実業家・雪乃。その、奔放過ぎる過去とは。
「うちは代々、東大の家系だったんです。
“東大じゃなければ人じゃない”と言われて育ちましたね。とりわけ祖父はめちゃくちゃ厳しくて。
でも私昔っから机に向かってじーっと集中するのが苦手で。高校2年生ぐらいまで、全く勉強せず遊び歩いてました。
そしたら、“叱ってもこいつは動かない”と悟った祖父が作戦変更して、私に飴を差し出して来たんです」
東大合格したら500万円
「“俺の墓は要らない、東大合格したら500万円やる”って言われたんです、私。
高校生には目ん玉飛び出るくらいの大金ですよね。500万円あったらあれやって、これやって…と考えたら、1年くらい本気出して勉強するか、という気にもなりました(笑)。
もともと記憶力もあったし数字にも強い方だったんですが、エサにつられるとここまで出来るのか!と、自分でも驚きましたね」
けらけらと笑う雪乃からは、鼻につくところが全く感じられない。“いわゆる天才肌というやつか”と、あっさり納得してしまう。
そうして無事、雪乃は東京大学理科一類に現役合格を果たした。
「1年生の頃は“キャンパスライフ”が新鮮で、楽しく過ごしてたんですけど...1年もやってると飽きちゃって。
2年生の夏休み、タイに遊びに行ったらどハマりして。そのまま1年休学してバックパックの旅に出たんです」
あっけらかんと言い放つ雪乃だが、“孫の東大入学”が悲願だった祖父を思うと…なんとも言えない気持ちになる。
しかし、自由気まますぎる彼女は、それだけでは留まらないのだった。
「帰国した私は、ようやく真面目に自分の人生を考えました。
そしたら私って、本当に出来ないことばかりで。長時間座ってられない、コツコツした作業が苦手、事務処理能力はゼロ、やりたくないことや興味のない話は100%右から左…
出来ないことを消していったら、残ったものがほとんど無かった。これは、普通に会社員なんて無理だなって悟りましたね」
そこで彼女は、そのバイタリティ(とバックパック後に残った祖父のお小遣い)を駆使し、起業することを決意したのだという。
「消去法で残ったのが起業という選択肢だった訳ですが、一応すでに“やりたい事業”っていうのが頭の中にあったんです」自由気ままに見える雪乃だが、起業のモチベーションは意外な理由だった。
皆が自分に合った人生を選べる社会であってほしい
「私に限らず、“理系女子”ってキャリア選択が難しいんです。
一般的に理系の学生は様々な選択肢を検討するまでもなく大学院に進学して、教授の推薦で企業に就職する。
私自身はそれが向いていないと早々に気付いたから、起業というキャリアプランを選択することができた。でも周りの理系女子達を見ていると、本当に自分に合ったキャリア選択が出来ているのか疑問で…。
そこに着目して立ち上げたのが最初の会社です。理系女子に特化した、キャリアコンサルティングが事業の中心でした」
自由気ままに見える彼女だが、起業のモチベーションは真面目で、とても真摯である。
しかも彼女は起業と同時に、さらに驚きの決断を下した。
「一度これがやりたい!って思ったら、もう大学に通い続ける意味が感じられなくなって。
企業に就職するつもりも無かったし、それなら“東大卒”の肩書きなんて必要ない。だから中退することにしました」
そう、彼女は“東大女子”ではあるものの、“東大卒女子”では無いのである。
「人生楽しんだもん勝ち、ですから。東大入学時に500万円をプレゼントしてくれた祖父には多少、申し訳ないですけど...約束の“東大入学”自体は果たしたし、まぁいっか、って(笑)」
晴れて有り余るほどの自由な時間を手にした雪乃は、その有り余る多動力とバイタリティを生かし、事業家としての頭角をメキメキと現す。
そして6年前、自分が居なくても会社が自走できると判断した雪乃は、あっさりと自身の会社を売却したのだった。
「売却益を得た後は、巫女とかディズニーランドのキャストとか...子どもの頃にやってみたかった仕事を片っ端から試してみたわけです。
なんせ人生一度きり、やりたいことは全部やっとかないと」
あっけらかんと笑う彼女はしかし、ただ遊び暮らしているわけではないらしい。
「実は今は、東大に再入学して再び“東大女子”やってます。
一通り社会の覗き見もできたし、また自分で何か新しいこと始めたいという気持ちがムクムクと出てきたんですよね。
…ピチピチの大学生に混じって学生生活を送っていると、本当にいろんなアイデアが湧いてきますよ!今更だけど、卒業できたら祖父も喜ぶかな(笑)」
晴れ晴れとした彼女の笑顔はまさに、人生への前向きなエネルギーに溢れる“東大女子”のそれだった。
▶NEXT:7月11日 水曜更新予定
最終回:結局、“東大女子”は得なのか、損なのか。-
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