本来、留学生は日本に「学び」に来ているはずだ。とはいえ、現行法では留学生は資格外活動許可を受けることで、アルバイトとして働くことが可能になっている。資格外活動許可とは、アルバイト先に風俗営業または風俗関係営業が含まれていないことを条件に、週に28時間以内を限度とし、包括的な労働許可(事実上の)を与えるという仕組みになる。もちろん、資格外活動の許可を受けずにアルバイトに従事すると、不法就労となる。
現実には20万人を超す留学生が、日本でアルバイト(外国人労働者)として働いている。技能実習生同様に、外国人留学生が日本における「外国人労働」の抜け道になっているのは間違いない。それだけならばまだしも、運送業界と居酒屋を比較する限り、
「外国人を雇える業界は時給が上昇せず、雇えない業界は時給が上昇する」
結果となることは明らかだ。
日本の移民受入は、
「日本国民の実質賃金を引き下げ、国民を貧困化に追い込み、生産性向上のための投資を抑制する」
という理由で、決定的に間違っているのだ。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。