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結論から言うと「できません」という表現も敬語です。詳しく見ると「できません」は「できる」という動詞、丁寧の意味の助動詞「ます」、否定の助動詞「ん」の3語を合わせた言葉です。「ます」が含まれている敬語の表現だといえます。とはいえ、ビジネスシーンで使える表現かというと適切だとはいえません。
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■「できません」よりかしこまった表現は?
「できません」も敬語の表現ではありますが、ビジネスシーンでは「いたしかねます」という表現を使いましょう。「できかねます」という言葉も考えられますが、これは間違いだという説もあるので、使わないほうがよいかもしれません。
ただ、「〇〇かねます」という言葉は「するのが難しい」というニュアンスを含む言葉でもあります。人によっては「できるかどうか難しいけれど、できるかもしれない」という意味だと受け取ってしまうこともあるようです。断る意思を確実に伝えるためには、別の表現を使うか「申し訳ありませんが」「せっかくのご依頼ですが」のようにひと言付け加えるとよいでしょう。■「できません」は、場面によっては言い換えが可能
同じ「できません」という言葉でも、状況によって他の言葉に置き換えて敬語にすることができます。以下のような例が考えられます。
●「このクーポンは使用できません」を敬語にすると?
スーパーの買い物客が持ってきたクーポン券が、期限切れで使えない場合はどうなるでしょうか。敬語ではない場合は「このクーポンは使用できません」ですが、これを敬語にすると「このクーポンはご利用いただけません」あるいは「このクーポンはご利用になれません」と置き換えられます。
●「先日の〇〇の件、いかがでしょうか?」に対する答えは?
クライアントから見積もり依頼を受けたり、上司から何か仕事を頼まれるのはよくあるシーンです。依頼を断るために「できません」とか「お断りです」とは言えませんね。上で挙げた例のように「できかねます」と答えたのでは、断るという意思が明確に伝わらないこともあります。「辞退申し上げます」「遠慮いたします」「お断りせざるを得ません」等と言うのがよいでしょう。もちろん「申し訳ありませんが」といったクッションになる言葉を付け加えるのをお忘れなく。
「できません」は敬語の表現ではありますが、ビジネスシーンで使用するのにはふさわしくありません。自分ができない場合には「いたしかねます」等に、相手ができない場合には「ご〇〇になれません」といった言葉に置き換えるのがよいでしょう。
(藤野晶@dcp)