ニューストップ > グルメニュース
東京カレンダー
圧倒的に美味しさが伝わるビジュアル! 『つじ半』の「ぜいたく丼」は、出てきた瞬間、その迫力に誰もが驚くだろう。どんぶりの上に山のように盛られたベースとなる海鮮は、中落ち、生マグロ、ツブ貝、ミル貝、いか、いくら、かずのこ、キュウリ、ボタン海老の9種類。築地で仕入れる鮮魚は、北海道産を中心に使用している。そこにいくらを増量しカニを加えたのが竹。竹の具材にいくらとうにをプラスしたのが松となる。松になると、いくらの含有量は梅の3倍近くにもなるという。
こちらの『つじ半』とは、天丼の人気店『金子伴之助』とつけ麺の名店『つじ田』とのコラボによって、誕生した海鮮丼の専門店だ。このコラボが実現したのは、お互いの店主が幼少期からの幼なじみだったことがきっかけ。『金子伴之助』の店主の祖父と父が、日本料理店を経営しており、その店でまかないとして出していたのが海鮮丼だった。その海鮮丼が「ぜいたく丼」の原点となっているという。その「ぜいたく丼」を求めて、連日行列ができるほど多くの人が訪れるのだ。
まずは「ぜいたく丼(松)」を注文。「とにかく食感にはかなりこだわりました。そのためベースとなる9種類の魚介は変更することはありません」と石川氏。海鮮丼というと、魚や貝の切り身がご飯の上にのっているものを想像する人も多いかもしれないが、『つじ半』では全ての具を混ぜ合わせてご飯の上にのせている。混ぜ合わせることで、9種の魚介の歯ごたえを口の中でいっぺんに楽しめるのだ。特に、貝類がもたらすコリッとした食感はいいアクセントに。時折感じるシャキッとしたキュウリの歯ごたえも爽やかさを演出してくれている。またご飯の上にかけられた、ゴマの香りも食欲を後押ししてくれる。「焦げるギリギリのラインまでお店で煎っているので、香りが立つんですよ」と石川氏。細部にまでこだわる仕事ぶりに感謝したくなる。席につくと目にとまるのが「おいしい召し上がり方」というプレート。『つじ半』には、お店がおすすめする食べ方があるのだ。早速、この通りの食べ方で「ぜいたく丼」を味わってみた。
まずはぜいたく丼とともに提供される黄味醤油にわさびを溶いて、余すところなく丼にかけよう。濃厚なのにあっさりとした黄味醤油は、海鮮丼にぴったりである。箸で海鮮の山を崩してから召し上がれ。席にはスプーンも用意されているのも嬉しい。
別皿で提供されるセットの刺身は締めに味わえる「鯛だし」のために鯛の切り身を二切ほど残して食べるべし。厚めに切られた刺身に、自家製の味噌ダレが良く合う。「鯛だし」のためにとっておくのをうっかり忘れてしまうほど絶品である。刺身の内容はその時期の旬のものを提供している。
あとはどんどん食べ進めるべし!添えられた海苔に海鮮を巻いて食べてみるものいい。食べ進める毎に、さまざまな食感と味と出会えるので、かなりのボリュームでありながら最後まで新鮮な気持ちで食べられるだろう。
これだけでも旨いのに、お出汁をかけたらさらに最高!!
たっぷりと海鮮丼を楽しんだら、お好みのタイミングで板前さんに「鯛だしください」と伝えよう。お店のおすすめはご飯を食べきってからだが、もちろんご飯が残っていても鯛だしを入れてくれる。ご飯を食べきってしまってもご飯の追加は無料なので、追加したい場合は、板前さんに伝えよう!
丼に鯛だしが注がれ、海鮮ひつまぶしへと変身を遂げる。この「鯛だし」がまた箸の止まらなくなるおいしさである。アツアツの状態で提供される「鯛だし」は、ずっと火にかけているため、煮詰まらないよう塩だれはダシとは別に丼に入れられる。仕上げにふりかけられる柚子の香りも爽やかだ。「できたてを楽しんでもらいたい、1杯で2度、3度おいしいというのも当店のこだわりです」と石川氏。その想いが、この鯛だしの提供方法に込められているのだ。
「ぜいたく丼」は松、竹、梅の3種類を提供。一番安い梅は¥990と¥1000以下でありながら、さすがベースとなっている丼とあって、その完成度はどの丼よりも高いと言えるだろう。「『金子伴之助』の天丼にしても、『つじ田』ラーメンにしても、一品のみで提供しています。一品に力を注げる分、どこまでもこだわれるというメリットがありますね」と石川氏。まかないからヒントを得て作られた「ぜいたく丼」。その開発は、なんと『つじ半』オープン当日の数時間前まで行われていたという。最後の最後までこだわり抜き、完成した究極の海鮮丼なのだ。
オープン半年であっという間に行列店となった『つじ半』。リピーターも多い人気店のため1時間半ほど待つのは避けられないが、比較的空いているのは雨の日の平日だそう!並ばず楽しむには天気の悪い日を狙って行くのもひとつの手段。しかし、この絶品海鮮丼はどれだけ待ってでも食べる価値ありである!
カウンター席のみの高級寿司店を思わせる店内。
地下鉄日本橋駅から徒歩3分という好立地に位置。