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今では半数以上のお客が頼む看板料理のひとつに育っていったという。ナイフを入れた瞬間、肉汁とともにフォアグラがとろりと流れ出す。練り過ぎないようまとめられ、噛むほどに美味しさが広がる。一度は食べたい逸品である。
ジューシーで柔らかな肉質と、和牛ならではのまろやかな風味が、ハンバーグ好きの心をがっちり掴んでいるのが、ランチのハンバーグ。夜は鉄板焼きがウリの店で、サーロインやフィレのステーキがメイン料理だが、その上質な肉を使ったこの名物ハンバーグは、ランチだけで提供されるお楽しみというわけだ。粗挽きと細挽き、大きさの異なる挽き肉をしっかり混ぜ合わせることによって、内部にたっぷりの肉汁が留まる。香ばしく焼かれたこのハンバーグに箸を入れる瞬間は、何とも言えない喜びを味わえる。
ハンバーグは牛肉、もしくは豚と牛の合挽きという向きが多いと思うが、この店の岩中豚100%のハンバーグを食べれば、その観念は一瞬にして打ち砕かれるはず。『ハンバーグウィル』で供されるのは、豚の肩ロース、バラ、ハラミ、ホホに、生姜やヨーグルトを加え、鉄板で焼き上げてからオーブンでふっくらとローストするハンバーグ。部位に合わせて肉の挽き方を変えるのがこだわりで、口に運べば肉の旨みがダイレクトに伝わる。肉質が柔らかく脂もあっさりしているのも岩中豚ならでは。この“ふわもち”感、1度体験したらヤミツキになること間違いなしだ。
フォアグラの旨み溢れる大人味のハンバーグ ?!は次へ
こちらの定番メニューはなんといってもココット料理。数あるメニューの中でも、脂肪が溶けにくい不飽和脂肪酸を含む土佐赤牛の赤身肉ハンバーグが人気。中には旨味を足すフォアグラが入っていて、ちょっぴり大人味。活気溢れるカジュアルなオープンキッチンと、同じ椅子やテーブルはないのに統一感のある内装は女子ウケも良さそう。ワインも種類豊富に取り揃え、居心地の良さについ長居をしてしまう。
明治22年、東京・三田に誕生した「西洋料理東洋軒」。惜しまれつつも本店は店を閉じたが、昭和3年に暖簾分けした三重県津の地において、その歴史は繋がれていた。西洋料理文化を人々の舌を通じて普及させ、まさに店の歴史が日本における西洋料理史、という名店が再び東京に。しかも東京店の総料理長は、あの成澤由浩氏だ。期待は高まる。「フライやハンバーグなど洋食もれっきとした日本の料理。しかも世界に通じる美味しさです。いつか手がけたいと思っていたんです」伝統ある本店のメニューを再構築し、成澤流のタッチで進化させる。たとえば松阪牛と鹿児島県産放牧黒豚を使ったメンチカツ。切ると肉汁が流れ出るのではなく、口に含み咀嚼して初めて美味しさが広がるように仕上げる。しかも、美味しさの要素のひとつと、パン粉のためだけに安全な食パンを焼く気の配りよう。ソースも自家製だ。他の料理もすべて料理の構成要素を分解し、美味しさの理由を見極め、そしてよりヘルシーに再構成してみせる。噛んではじめて肉汁溢れるその味は、ただただ旨い!「かつて洋食は、お子さんから高齢の方まで楽しめるご馳走でした。そんな古きよき洋食文化を思い出し、楽しみに来てください」
熱々のデミグラスソースの中には、ぷっくり膨らんだ分厚いハンバーグが。ナイフを入れると、豊潤な肉汁がじゅわ〜っと溢れ出す。2009年より継ぎ足し作っているというデミグラスソース。その中で煮込まれたハンバーグはしっとり滑らかな食感で、噛むたびに力強い旨みを放出する。添えられた温玉が第2のソースとなり、まろやかさを倍増させるという幸せな仕掛けだ。ハンバーグを食べ終わった後にも、残ったソースでごはんを食べられるから2度美味しい。他にもトマトソースやカレーソースもあり、いろいろ食べられるのも嬉しい。