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おたくま経済新聞
と新人、若手の抜擢に力を入れることを明確にしている。どの連載が終わり、誰の新作が始まるか、などは明らかにされていないが、この方針に反する編集部員には「容赦なく少年サンデー編集部を去ってもらいます」とまで書いた。
今後、同誌の漫画について「意思決定は編集長である僕がただ一人で行います。僕の独断と偏見と美意識がすべてです」とし、責任も1人で背負うと覚悟を示した。
誌面の1ページを割いてまで新編集長の「所信表明」と言える文章を掲載したのは、部数の大きな落ち込みが背景にありそうだ。日本雑誌協会が公表する「印刷部数」によると15年1〜3月期には初めて40万部を割り込み、最新の同年4〜6月期の部数は38万8417部だった。1980年代、高橋留美子さんの「うる星やつら」、あだち充さんの「タッチ」を擁し、228万部だった最盛期からみると大きく落ち込んでいる。
同誌に限らずコミック誌の部数は減少している。とはいえ、かつて「3大誌」と並び称された週刊少年コミック誌のジャンプ(239万5000部)やマガジン(112万7042部)にも大きく水をあけられている。
今回の表明を受け、ツイッターや2ちゃんねるなどネットでは、
「市原編集長のやる気と心意気いいな」「とりあえず編集長からサンデーをなんとかしたいという熱意は伝わってきた」「編集長の覚悟は受け取った」
と読者の期待感が高まっている。
一方で新人や若手の発掘をアピールしていることから「名探偵コナン」など長期連載する人気作が打ち切られるのではないか、と心配する声がないわけではない。ただ市原編集長は「少年サンデーの歴史を力強く支えてきてくださった中堅・ベテラン作家さんの力もまた絶対に必要です」とも書いていて、「しばらくは様子見」という読者もいるようだ。