今回の注目は、ドコモと
auでAndroid OSを搭載した「
ガラホ」が揃ったことだろう。
ドコモは、今回が初となるシャープ製と富士通製の2モデルを発表、
auは今年春のシャープ製
ガラホに続き、同じコンセプトの製品を1モデル発表している。
しかしながら、同じ「
ガラホ」といっても、両社の製品には大きな違いがある。
●あくまで「ケータイ」として販売するドコモドコモの「
ガラホ」に対するコンセプトは非常にわかりやすい。
スマホOS(Android)を搭載しつつも、LTEは非対応、Wi-Fi非対応とスマホっぽさは微塵(みじん)も感じられない。
LTE非対応ということは、クリアな音質で通話できるVoLTE(ボルテ)にも対応していないほか、Wi-Fi非対応は事実上テザリングも難しい。
また、スマホの特徴であるアプリのインストールにも原則非対応という点も、今回のモデルがシンプルに
通話とメールをメインとしたモデルということがわかる。
あくまでも、「ケータイ(ガラケー)」として販売するのがドコモの考えなのだ。
しかしながら、バッテリーの消費が大きくなると考えられる機能を省いたことで、既存の製品よりもバッテリー持ちの良さが向上する点も売りにしている、
また、これまでと同じFOMA契約で利用できるところは、今までガラケーを使っていた人が違和感無く機種変更できるモデルと言えよう。
したがって、ドコモとして今回の
新製品は「
ガラホ」ではなく、「ケータイ(ガラケー)」なのだ。
●「ガラホ」らしさを全面に押し出すauケータイとして販売するドコモとは違い、
auはあくまでも「
ガラホ」としての機能を前面に押し出している。
LTEに対応し、今回の新モデルではVoLTE(ボルテ)にも対応する。
さらに、Wi-Fiも対応しているため、テザリングを使ってパソコンなどでの屋外インターネットまで可能だ。
アプリについては、さすがに「Google Play」からのインストールには対応していないが、「
auスマートパス」経由であれば約100種のアプリをインストールできる。
したがって、スマホの便利な一部の機能を搭載したケータイ=
ガラホというスタンスなのだ。
さらに、今回から月々の料金も
ガラホ専用プランを投入する。このプランを適用すれば、従来のガラケーとほぼ同じ水準の料金で利用できるようになるのも大きなポイントだろう。
●「ガラホ」として販売するのはauだけここで両社のモデルを表にして比較してみよう
スマホ機能を比較すると両社の違いが明確にわかる
このように、ドコモ版
ガラホはスマホ機能などを一切そぎ落としていることがわかる。
あくまでも、「ケータイ」となり、今までガラケーを動かしていた携帯電話用OSをスマホ用OSに変更しただけのシンプルさに徹したスタンスだ。
一方、
auは、積極的に「
ガラホ」を売りだそうとしている。スマホ的な機能に加え専用料金プランを投入するあたり、気合の入れ方が違う。
今後、ガラケーはスマホOSを搭載したモデルに切りかわっていくことが予想されるが、「
ガラホ」というカテゴリはしばらく
auが先行していきそうだ。
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2015夏モデル|NTTドコモ・
2015夏モデル|au布施 繁樹