以下の内容はhttps://news-worker.hatenablog.com/entry/2026/02/16/092737より取得しました。


改憲「拙速な手続き許されない」(琉球新報)「多数派の強行許されぬ」(北海道新聞)~「投票の権利、守られたのか」(信濃毎日新聞)、地方紙の社説、論説の記録

 2月8日の衆院選から1週間です。この間の地方紙、ブロック紙の社説、論説をネット上の各紙のサイトで見てみました。
 9日付、10日付では、自民党が単独で議席の3分の2を占める状況に対し、高市早苗首相に「白紙委任」が与えられたわけではないと指摘する論調が目に付きます。
 高市首相は9日の記者会見では、憲法の改変に「挑戦したい」と述べました。99条の規定によって、憲法を尊重し擁護する義務を負う立場であるにもかかわらずです。憲法をめぐる社説、論説もいくつか目にします。
 高市首相が選挙戦中にも繰り返した「強く豊かな日本列島」のフレーズに想起するのは、トランプ米大統領の「Make America Great Again」の日本版です。軍事力の増強、情報機関や国家秘密保護法制の整備の先に高市首相が目指しているのは、憲法9条の改変のはずです。それがなくては、戦争ができる「普通の国」への転換は終わらないからです。

 憲法に改正規定がある一方で、天皇や国務大臣、国会議員らを具体的に上げて尊重、擁護の義務を規定していることの意味は、改正にも限界がある、ということだと考えています。この憲法の根幹理念である9条の戦争放棄と戦力の不保持は、主権在民や個人の尊重とともに、改正が許されない「限界」の最たるものです。高市首相もそのことが分かっているからこその「挑戦」との物言いなのだと感じます。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 憲法の改変は、最終的には国民の投票で決めます。仮に「数の力」で改変が発議されたとしても、最後に決めるのは主権者です。その時に備えて、日本社会の民主主義の幅を広げ、底を厚くしておく。地域で、家庭で、学校や職場で、互いに社会を語り、政治を語る。自分とは異なる意見にも耳を傾け、熟議で合意を見出す、ものごとを決めていく。そういう社会を目指す取り組みをわたし自身の課題にしていきたいと考えています。

 以下に、憲法をめぐって目に止まった社説、論説のいくつかを書きとめておきます。

■2月15日付 琉球新報「衆院憲法アンケート 拙速な手続き許されない」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-5037680.html

 高市首相は「国論を二分する大胆な政策に挑戦したい」と公言してきた。確かに憲法問題は国論を二分する最たるテーマである。だが、憲法は全ての国民の権利と自由を保障する最高法規であり、広範に国民の理解と同意を得ることが前提だ。国民の分断を承知で時の権力者が理念の実現に突き進む事態となれば、国を壊すことと同義となる。
 とりわけ自民と日本維新の会の連立与党が目指す自衛隊の明記や緊急事態条項の創設は、軍事力に頼らない平和主義との兼ね合いや国民の権利制限を伴う問題など多くの課題が指摘される。現憲法の本質を大きく変えるものであり丁寧な検討が必要だ。
 衆参両院で3分の2以上の賛成という国会発議に必要な条件の一つを自民がクリアしたからといって、拙速に手続きを進めることは許されない。憲法問題においては、国論の一致に努める慎重さこそ首相に求められる資質だ。

■2月13日付 北海道新聞「首相の改憲意欲 多数派の強行許されぬ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1274697/

 自民と維新の連立政権合意では緊急事態条項の創設にも触れているが、首相の真の狙いは9条の改定にあるとされる。
 自民党は現在、戦力不保持を掲げた9条2項を維持した上で「自衛隊」を明記する案を訴えるが、野党時代に出した改憲草案では9条2項を削除して「国防軍」の明記を掲げていた。首相も就任前、この草案が「ベストだ」と述べていた。
 日本国憲法は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が3原則だ。自民党内で進む改憲論はこれを強化するどころか、形骸化させる議論と言わざるを得ない。平和国家を根底から変質させる改定は認められない。

■2月12日付 静岡新聞「改憲勢力が大幅増 関心高める議論不可欠【衆院選】」
https://news.at-s.com/article/1907548?lbl=576

 自民と維新の連立政権合意書は、憲法9条の改正と緊急事態条項創設に関して両党の条文起草協議会を設置し、衆参憲法審査会に起草委員会を常設すると記した。高市早苗首相は自民圧勝を受け、改憲に向けた意欲を改めて語った。改憲勢力が3分の2を割り込んだ2024年秋の前回選以降、停滞する衆参憲法審での改憲議論を前に進めるため先頭に立つ覚悟を示したと言えよう。
 新聞、テレビなどの憲法に関する近年の世論調査のほとんどで改憲を容認する回答が反対を上回っている。だが、自衛隊を憲法に明記する9条改正に限ると賛否は拮抗している。改憲の機運は必ずしも高まっていない。
 なぜ今、改憲が必要なのか。自民は歴史的勝利におごることなく、まずは国民の憲法への関心を高めるため、選挙公約にも掲げた丁寧な説明を積極的に展開することが求められる。

 そのほかにも、この衆院選をめぐって記録と記憶にとどめておかなければならないと思う論点を取り上げた社説、論説もいくつか目にしました。
 一つは選挙の時期とタイミングです。高い支持を得ている今なら勝てる、との思惑からの極めて恣意的な衆院解散と選挙であり、憲法7条の天皇の国事行為の規定に基づく解散の是非につながる論点です。選挙権の行使に不利益を強いられた人たちがいることは、決して見過ごされてはならないと思います。

■2月11日付 信濃毎日新聞「真冬の総選挙 投票の権利、守られたのか」
https://www.shinmai.co.jp/news/article/gf01d65gjh24j8t7upq85ut0

 視覚障害者向けに点字や音声に翻訳された衆院選の選挙公報は、投開票日直前になるまで行き渡らなかった。準備期間が短い上に野党の再編もあり、各地で候補者の顔ぶれが固まらなかったためという。期日前投票をしたくても、手元に公的な資料のない人もいたのではないか。
 影響を受けた人は全体からみれば少数かもしれない。けれど社会的に弱い立場にある人ほどしわ寄せがいく。高市氏は解散の判断に当たり障害者や雪国の高齢者の権利の保障を十分に考慮したのか。
 投票の権利を損ないかねない解散は、あってはならない。憲法に首相の解散の「専権」を定める条文はなく、政権の打算に基づく権限の行使は慎むべきだ。

 高市首相への支持の高さは、「女性初の首相」の側面も要因として小さくないと思います。しかし、このことが政治の世界で女性の比率を高めていくことにつながるかどうかは分かりません。今回の選挙では、自民党の女性候補はわずか12.8%でした。今後の推移をみる必要がありそうですが、自民党で女性候補増の動きが鈍いままだとすれば、「なぜ女性初の自民党総裁、首相が『高市早苗』なのか」との論点と表裏の関係にある問題のようにも感じています。

■2月11日付 山陽新聞「衆院選の女性当選者 「均等」への努力をもっと」
https://www.sanyonews.jp/article/1871541

 女性議員を増やすには、そもそも候補者を増やす必要があり、今回は、候補者をできる限り男女均等にするよう政党に求める「政治分野の男女共同参画推進法」が2018年に施行されてから3度目の衆院選だった。
 立候補した1284人中、女性は313人で割合は過去最高の24・4%。ただ、男女均等を達成した政党はなく、参政(43・2%)、れいわ新選組(38・7%)、共産(38・1%)の3党だけが政府目標の35%を超えた。
 一方、自民は12・8%にとどまり、連立政権を組む維新は14・6%。綱領でジェンダー平等を掲げた中道は19・9%止まりだった。昨年は初の女性首相が誕生し、女性の政治参画にとって大きな一歩となったものの、候補者の男女均等はまだ遠い状況が続いている。


 以下は、2月9日付、10日付の各紙の社説、論説の見出しです。リンク先の各紙のサイト上で、全文を読むことができます。

【2月9日付】
■北海道新聞「衆院選で自民圧勝 『高市一色』に染まる危うさ」/「推し活」でいいのか/平和国家変質の恐れ/中道の対立軸見えず
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1272897/
■秋田魁新報「[2026衆院選]自民大勝 全面的な委任ではない」
https://www.sakigake.jp/news/article/20260209AK0006/
■福島民報「【2026衆院選 自民党大勝】問われる真価」
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20260209130283
■福島民友「2026衆院選 自民大勝/未来への責任を忘れぬよう」
https://www.minyu-net.com/news/detail/2026020907381845961
■信濃毎日新聞「自民党が圧勝 『白紙委任』と思うなかれ」/「国論二分」語らず/ぼやけた対抗軸/「期待」いつまで
https://www.shinmai.co.jp/news/article/gf01d64838h2b72q97gl4c3g
■新潟日報「自民3分の2議席 白紙委任したのではない」/「国論二分」伝わらず/地域課題解決に力を
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/776660
■中日新聞・東京新聞「独断専行を排してこそ 与党圧勝、首相続投へ」/「白紙委任」していない/「国論二分」強行するな/自民も政権監視の責務
https://www.chunichi.co.jp/article/1206130
■福井新聞「衆院選で自民単独過半数 首相は謙虚な政権運営を」
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2524630
■静岡新聞「自民党の圧勝 『白紙委任』と解するな【衆院選 静岡】」
https://news.at-s.com/article/1905472?lbl=576
■京都新聞「衆院選で自民大勝 白紙委任ではないと自覚を」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1653519
■神戸新聞「衆院選自民大勝/合意形成の重要性は変わらぬ」/説明から逃げる首相/有権者は政権監視を
https://www.kobe-np.co.jp/opinion/202602/0020000598.shtml
■山陽新聞「衆院選で自民大勝 説明責任は果たせたのか」
https://www.sanyonews.jp/article/1870589
■中国新聞「自民圧勝 首相への白紙委任ではない」/論戦の「無責任化」/逃げの姿勢が顕著/欠かせない「熟議」
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/784536
■高知新聞「【衆院選高知】一様でない自民『信任』」
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/959880
■西日本新聞「高市自民大勝 数の力に頼る政治は慎め」/具体性を欠いた公約/国民の疑問に答えよ
https://www.nishinippon.co.jp/item/1455818/
■琉球新報「衆院選自民大勝 乱暴な国策強要許されぬ」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-5022639.html

【2月10日付】
■北海創新聞「首相会見 『大胆さ』より謙虚さを」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1273296/
■東奥日報「巨大与党の責任自覚せよ/高市自民 衆院3分の2超」
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/2207378
■福島民友「高市旋風/圧勝でも白紙委任ではない」
https://www.minyu-net.com/news/detail/2026021007132845986
■下野新聞「【巨大与党誕生】数より熟議優先の政治を」
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/1285711
■新潟日報「高市自民1強 おごり排し誠実な政権に」
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/777178
■信濃毎日新聞「『1強』政治へ 問われる暴走への歯止め」
https://www.shinmai.co.jp/news/article/gf01d64uvm92b72q97glbr10
■福井新聞「自民 歴史的大勝 『圧倒的多数』に陥穽あり」
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2525468
■静岡新聞「高市『1強』内閣 数に奢らぬ政権運営を【衆院選】」
https://news.at-s.com/article/1906052?lbl=576
■京都新聞「1強多弱の政治 与党の自制、野党の抑止必要」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1654264
■神戸新聞「首相会見/『二分』のまま突き進むな」
https://www.kobe-np.co.jp/opinion/202602/0020003904.shtml
■山陽新聞「自民3分の2超え 丁寧な合意形成忘れるな」
https://www.sanyonews.jp/article/1871128
■高知新聞「【自民が圧勝】数の力に頼らず議論を」
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/961801
■沖縄タイムス「[2026 衆院選]自民圧勝3分の2 おごらず熟議の政治を」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1771952




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