以下の内容はhttps://news-worker.hatenablog.com/entry/2026/02/07/203345より取得しました。


「だますものだけでは戦争は起こらない」(伊丹万作「戦争責任者の問題」)~「白紙委任」の先にあるものを考える、想像するために

 高市早苗首相が自身への「白紙委任」を求めて仕掛けた衆院選は2月8日が投開票日です。主権者に問われているのは「『白紙委任』のその先に何が起こるか」を考える想像力だと、このブログで繰り返し書いてきました。高市首相が目指しているのは、戦争ができる国への転換だと受け止めています。
 かつて日本は戦争する国でした。その果てに、自国とアジア全域におびただしい住民の犠牲を生んで、国が破たんしました。81年前の1945年のことです。
「だますものだけでは戦争は起らない」
「だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らない」
「『だまされていた』といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」
 そんなことが書かれた文章が、敗戦の1年後、今から80年前の1946年に発表されました。「戦争責任者の問題」のタイトル。筆者は戦前、脚本家や映画監督として活躍した伊丹万作。俳優や映画監督として「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」などの作品を残した故伊丹十三さんの父です。
 伊丹万作が残酷なまでに、胸にぐさりとくる言葉で読む者に突き付けているのは「だまされることの罪」。80年たっても、「だまされることの罪」の本質は変わらないと感じます。
 日本が再び、戦争をする国になったときに何が起こるのか。「その先」を想像する、考える上で、知っておいていい警句であり、歴史の教訓だと考えています。
 投票箱のふたが閉まるそのときまで、「その先」を想像し、考えながら、特に10代、20代、30代の若い世代の方に、この文章にぜひ触れてほしい、分からないことは調べながら、あるいは周囲の大人に聞きながらでも読み通してほしいと願って、このブログであらためて紹介します。

 著作権フリーのネット上のサイト「青空文庫」で全文を読むことができます。

「戦争責任者の問題 伊丹万作」

www.aozora.gr.jp

 以下に、一部を抜粋して書きとめておきます。

 また、もう一つ別の見方から考えると、いくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである。
 つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。
 そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。

 

 我々は、はからずも、いま政治的には一応解放された。しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。
 「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。
 一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、それ以上に現在の日本に必要なことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。

※写真・伊丹万作 出典・ウイキペディア「伊丹万作」

※参考過去記事

news-worker.hatenablog.com

news-worker.hatenablog.com

news-worker.hatenablog.com

 




以上の内容はhttps://news-worker.hatenablog.com/entry/2026/02/07/203345より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14