蒸し暑さを感じさせないまま雨が降り、長袖がちょうどいい気候になった。もう十月も終わりに近づいてやっと秋が来たなあ。今年は残暑が異様に長かった。
図書館で小林信彦『気になる日本語』(文藝春秋)を見つけ読む。2010年に週刊文春に連載したエッセイをまとめたもの。10月19日の日記ではコラムと書いてしまいましたが、この連載「本音を申せば」は小林信彦のエッセイと呼んだ方がいいでしょう。政治家小沢一郎にはまったく期待できない私なのですが、このエッセイを読むのは楽しい。小林信彦を通して都市部のリベラルな中流の一部がなぜ小沢一郎に期待を寄せるようになったのかがうかがえるし、時事を追う中でよみがえる戦時中の記憶、それが導き出す大マスコミ不信や政治への疑念など、小林信彦くらいの年代の人ではないと書けない時事感想が読める。もちろん、映画や芸能人についてもいろいろ、本の題名になった「気になる日本語」は以前にも小林信彦基準で“恥語”に類することばが恥ずかしげもなくアナウンサーにまで使用される現状への小言なのだが、連載されたのが2010年ということから、金井美恵子がエッセイで名指しすることはないままやんわりと触れていたのはこの小林エッセイのことだったのかと思い当たった。
2011年連載をまとめた『非常事態の中の愉しみ』(文藝春秋)も既に出ている。図書館に来ないかな。林真理子のエッセイは全巻といっていいほど図書館の棚に並んでるんだが。
イラスト:blue_daisy