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兄の友人、大ちゃん

大ちゃんは面白い。

昔、私がまだ車を所有していなかった頃、免許はもっていたので兄の車を借りて出かけようとしました。

兄の車へ向かうと、そこに大ちゃんはいたのです。

運転席のシートベルトしたまま、ぐったりした姿で寝ていたのです。

何事!?死んでる!?

どうやら昨夜二人で飲んで来たらしく、二人でタクシーで我が家まで返ってきた模様。兄は我が家の自室で寝ていて、大ちゃんだけ駐車場に置いていた自分の車で寝させてたらしいです。

いやいや!?さすがに可哀想だろ!?

確かにうちに客人用の布団なかったから家に入れてあげられなかったけど、だとしても大ちゃんも自分ち帰れば!?

友達を車に残して一人だけぬくぬく寝てる兄も兄だけど、大ちゃんも帰らないでシートベルトしたまま寝るのおかしくない…?走行中じゃないんだから、安全だと思うんですけど…。

私はあの時の大ちゃんを、今でも鮮明に思い出せるのです。

 

大ちゃんは面白い。

その日兄は大ちゃんと出かける約束をしていたらしい。大ちゃんは兄に何度も連絡していたそうですが、兄はぐっすり。連絡取れず。

そんなこと知らない私はトイレに向かうため意気揚々と自室からでた。

そこに大ちゃんはいたのです。ぬ…っと立っていたのです。

あの、インターホン鳴らなかったんですけど!?

いや鳴ってたとしても!応対してないんだから鍵開いてたとしても入ってきちゃだめでしょ!?

しかも飾ってた家族写真、美術館のギャラリーみるみたいに観てるし!うちの家族はアートか!?

人間、あまりにも驚くと、思考と体が停止します。

一体どう声を掛けたらいいのか…。

しばし両者見つめ合い…。

「あ、○○(兄の名前)いますか?」

いやお前が口火を切るんかい!!!

その平常心どこから来るんだ!?私はどう戦うか考えてたってのに…。

とりあえず、兄の名前を言うんだから敵じゃないことは理解したけど、かなり動揺していたみたい。

兄の部屋のドアをギャッと開け、「兄!知らない人がうちにいる!!!」と、本人の前で大きな声でそう言いました。

大ちゃんの顔を見たのはそれが初めてだったので、その時は大ちゃんだとわからなかったのです。初めての大ちゃんは車でぐったりしていたので。

普段眠りがマリアナ海溝波に深い兄ですが、その時ばかりは妹のただならぬ声に飛び起きました。

「なんだ、大ちゃんじゃんw」と笑う兄。

笑ってる場合か?

不法侵入だぞどう考えても。

あと私、ブラ丸見えなダルダルのキャミソールにショートパンツというあられもない姿を見られたんだけど。恥ずかしいんですけど。

 

本当、大ちゃんには困ったもんです。

そんな大ちゃんですが、今度の引っ越し先が大ちゃんの家のすぐ目の前。徒歩40秒くらい。

何か面白いことが巻き起こらないかと期待しています。

 




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