
こんにちは!QAチームの関井(@ysekii_)です。
先日、札幌で開催されたソフトウェアテストシンポジウム JaSST'25 Hokkaido に参加してきました!オフラインでのJaSST参加は6年ぶり、そしてJaSST Hokkaidoへの参加は今回が初めてです。
さて、本記事ではJaSST'25 Hokkaidoの中でも、私が最も楽しみにしていたワークショップ「技法を探せ!2 ~生成AIで進化するテスト設計の実践~」を中心に、その学びや気づきをレポートします!
……なお、せっかく「生成AIで進化するテスト設計」をテーマにした内容なので、この記事自体も生成AIと一緒に書いています(笑)
実践あるのみ、ということで、AIとペアライティングしながら当日の空気感や気づきをまとめてみました。
JaSST'25 Hokkaidoとは?
JaSST Hokkaidoは、ソフトウェアテストに関する知識や経験を共有し、参加者同士の交流を促進することで、北海道のソフトウェア産業の発展に貢献することを目的としたシンポジウムです。
今年のテーマは「北海道は、DX、AI、Do!!」。 これは、北海道の広大さを表す「北海道はでっかいどう!」という言葉に、現代の技術トレンドであるDX(デジタルトランスフォーメーション)とAI(人工知能)、そして「行動しよう!」という力強いメッセージ(Do!!)を掛け合わせた、ユニークでキャッチーなテーマです。
まさに今のIT業界のトレンドを捉えたテーマで、今年は約100名もの方々が参加され、道内外からエンジニアが一堂に会し、最新の技術や知見を学ぶ熱気にあふれたイベントでした。

ワークショップ概要:生成AIを活用したテスト設計の実践
今回私が参加したワークショップは、近年急速に進化している生成AIをテスト設計にどう活用できるか、実際に手を動かしながら探求するという、非常に実践的な内容でした。
参加者はグループに分かれてワークを進めるのですが、私のグループには長年QAエンジニアをやっているベテランの方から、最近QAエンジニアになった方、さらには開発エンジニアの方まで、非常に幅広いバックグラウンドを持つメンバーが集まりました。多様な視点から意見交換ができたのも、このワークショップの大きな魅力の一つでした。
グループでは、ワークショップのために用意されたプロダクト(ECサイト)に対して、まずはAIを使わずにテスト要求分析を行い、その後、運営の方々が作成した生成AIアプリケーションを使ってデシジョンテーブルなどのテスト技法を実践し、その効果や課題を体感するという流れで進められました。

実際にやってみた!「インプットの質」が鍵を握る生成AIのテスト設計
今回のワークショップで、私のグループでは「デシジョンテーブルの作成」に挑戦しました。
ワークショップでは、あらかじめテスト設計用に最適化されたプロンプトが組み込まれている生成AIアプリケーションが用意されており、私たちは仕様から読み取った条件を入力するだけで、精度の高いデシジョンテーブルが生成されることを体験しました。

さらに、それとは別にチャットベースの生成AIも使い、用意された仕様書をそのままコピー&ペーストして「デシジョンテーブルを作成して」と指示するだけでも、思った以上の質の高い結果が得られました。
なぜ、ここまで簡単に精度の高いテスト設計ができたのでしょうか? グループで議論した結果、「今回はインプットとなる仕様書が、誰が読んでも解釈にブレが生じないほど、明確でしっかり書かれていたからではないか」という結論に至りました。
この経験から、「質の高い仕様書」と「最適化されたプロンプト」、この2つが揃うことで、生成AIはテスト設計において絶大な効果を発揮するという、非常に重要な気づきを得ることができました。
ワークショップで得られた3つの重要な視点
手を動かして試行錯誤する中で、生成AIをテスト設計に活用する上で重要だと感じたポイントが3つありました。
1. AIモデルの「個性」を理解する
ワークショップではClaudeやAmazon Nova、DeepSeekなど複数のAIモデルを試すことができましたが、同じプロンプトでも、モデルによって出力の癖がかなり違うことに驚きました。あるモデルは非常に丁寧で網羅的な結果を返す一方、別のモデルは要点を簡潔にまとめてくれる、といった具合です。
それぞれのモデルの特性を理解し、それに合わせたプロンプトを組んであげる「AI使いこなし術」のようなスキルが、今後QAエンジニアにも求められるのかもしれません。
2. 結果の妥当性を判断するのは「人間」
生成AIは、驚くほど高速にテストケースを生成してくれます。しかし、その出力が本当に正しく、テストとして十分な品質を持っているかを最終的に判断するのは、間違いなく私たち人間のエンジニアの役割です。 AIが生成したデシジョンテーブルが仕様の意図を正しく汲み取れているか、考慮漏れはないか。その妥当性を見極める洞察力は、人間にしか持ち得ない重要なスキルです。結局のところ、テスト設計のスキルがなければ、AIの出力を評価することすらできないのだと改めて感じました。
3. 「AI vs 既存ツール」の使い分け
ワークショップを終えて、ふと思ったことがあります。それは、「答えが明確に決まっているテスト技法なら、専用のツールを使った方が速くて確実なのでは?」ということです。
例えば、同値分割や境界値分析のような、ルールが明確な技法については、すでに多くの優れた支援ツールが存在します。
生成AIが真価を発揮するのは、むしろ仕様がまだ曖-昧な段階でのアイデア出しや、複雑なロジックの洗い出し、テストシナリオの壁打ち相手など、より「創造性」が求められる場面なのかもしれません。
#jassthokkaido #jasst_do
— まっきぃ (@makky_tyuyan) 2025年7月25日
今年もやり切った!
ワークショップを作り上げられたのは参加者の皆様、実行委員の全員だったと思います。
ご参加ありがとうございました😊
写真は振り返り、FDLのアウトプット pic.twitter.com/Y59CfXtA3d
(ワークショップではFun Done Learnで振り返りをしたのですが、写真を撮り忘れていたので運営の方のポストを貼っておきます💦)
まとめ:AIとの協業で、テスト設計は新たなステージへ
JaSST'25 Hokkaidoのワークショップは、生成AIの可能性と、向き合うべき課題の両方を体感できる、非常に有意義な時間でした。
これからのエンジニアに求められるのは、「AIに仕事を奪われる」と恐れることではなく、「AIを優秀なアシスタントとしていかに使いこなすか」という視点なのだと、改めて実感しました。
そのためには、私たちQAエンジニア自身が、AIの特性を理解し、質の高いインプット(仕様書や指示)を与えるスキルを磨き、そして何よりも最終的なアウトプットに責任を持つためのテスト設計スキルを向上させ続けることが重要です。
今回の経験を活かし、日々の業務でもAIとの協業を試しながら、より品質の高いテスト設計を目指していきたいと思います。
最後に、素晴らしい学びの機会を提供してくださったJaSST'25 Hokkaidoの実行委員会の皆様、そしてワークショップの運営の方々に、心から感謝申し上げます。