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Engineering ManagerがDesign Managerを1年やった記録

はじめに

前職でEngineering Manager(以下、EM)を経験し現職にもEMとして入社したのですが、入社3ヶ月後の10月からデザイン組織のマネージャー(以下、Design Manager)を兼務しています。

私自身デザイナーとしての経験はなくエンジニア以外のマネジメントも初めての経験でしたが、1年ちょっとの期間でやってきたことやできなかったことをまとめておこうと思います。

いまマネージャーをしている方にとって、自身が持つ専門性以外の組織マネジメントをすることへのハードルが下がったり、マネジメントという業務そのものへの解像度が上がる手助けになれば嬉しいです。

Design Managerになった背景

私がDesign Managerになる前のプロダクト開発組織は下表のようになっていました。

部署 所属メンバー マネージャー 部長
プロダクト部 プロダクトマネージャー なし CEO兼務
プロダクト開発部 エンジニア EM(私)、CTO CTO兼務
デザイン部 プロダクトデザイナー
コミュニケーションデザイナー
Design Manager CEO兼務

この状態でDesign Managerの退職がありました。

後任のマネージャー候補がCEO、CTO、私の3択であることを考えると私がやるのが一番よかろうということで特に大きな議論なく私が後任となりました。

Design Managerとしてやったこと

キャッチアップと組織課題の発見

当時は入社3ヶ月ちょっとでまだEMとしてもキャッチアップ中でデザイン部やデザイナーのことをあまり理解できていなかったので、まずはメンバーとの1on1を通して状況を確認するとともにマネージャーの退任で不安に思っているメンバーのケアに努めました。

また、デザイン業務の最低限の専門性をつけるためにデザインシステムについて勉強したり、今まで閲覧しかしたことのなかったFigmaを編集者権限で触ってキャッチアップしました。

1on1を通じて、メンバーが最も不安に思っている課題が明確に1つ見つかりました。それは、デザイン部としてのビジョンを描き強いリーダーシップを取ってくれていた前任マネージャーがいなくなることで、自分たちが今後目指すべき方向がわからないことでした。

この課題はデザイン組織を率いた経験のない自分がすぐに解決できるものではないし、なによりせっかくスタートアップにいるのだから誰かから与えられるのでなくデザイナーが自分たちで考えて決めていく組織にしたいと考えました。

そこで、Design Managerとしての最初のテーマを自己組織化に定めてアクションすることにしました。

自己組織化に向けた取り組み

はじめに、自身の価値観を見つめ直しメンバーの価値観を知るワークショップを行いました。

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このワークショップを通じて、自身がどういうスタンスで働きたいのかあらためて気づくきっかけになっただけでなく、メンバー同士の考えの違いを尊重しながらディスカッションするトレーニングにもなりました。

次に、デザイン部の現状の課題と理想的な組織についてディスカッションするワークショップを行いました。

note.com

こちらは、私からワークショップのテーマを伝えた上で企画とファシリテーションはメンバー2人が協力して行ってくれました。

このワークショップで出た課題をデザイン部の半期OKRとして策定できたことで、自分たちが設定した課題を一体感を持って解決する意識がついたと感じました。

今ではデザイン部の日々の業務フロー改善やエンジニアも巻き込んだデザインシステムの改善など、自発的に部全体の課題を発見して他のメンバーを巻き込みながら解決するようなアクションをメンバー全員が取れるようになっており、最初のテーマであった自己組織化は達成できたと思っています。

メンバーのエンパワーメント

デザイン部メンバーのマネジメントを行う中で、全体的に穏やかで自己主張をあまり強くしないメンバーが多いと感じていました*1

フォロワーシップとして発揮される場面も多くあるのですが、人事評価の際にはうまく成果をアピールできないことで正当に評価されにくく損をしてしまう懸念がありました。

そこで、正当に評価される自己評価を書くコツをドキュメント化したのと、自己評価のフォーマットを作成しました。内容は下記の記事とほぼ同じものです。

naopr.hatenablog.com

手前味噌ながらこれは非常に効果的で、フォーマットを使う前後で自己評価のドキュメントの質・わかりやすさが格段に変わったほか、日頃からやったことを書き残すメンバーが増えたことでアピール漏れも減りました。私が評価に費やす時間も体感で半分程度になりました!

また、社外のデザイナーとの交流機会や登壇機会を作りたいと思っていたところ、ご縁があり*2セーフィーさん、リクルートさん、Goodpatchさんと4社合同のデザイン勉強会を開催しました。

デザインシステムをテーマに各社20分の発表+懇親会という内容で、登壇経験がない中で20分の発表資料作成に悪戦苦闘しながらもしっかり発表をやり遂げてくれました。社外のデザイナーと話すことで自分たちのやっていることを客観視できたり、横のつながりができたりで有意義な勉強会になりました。

Design Managerとしてやれなかったこと

デザインの担う領域を広げられていない

Design Managerとして自分の力不足を最も感じているのが、デザインが担う領域を広げられていないことです。

私の所属するマイベストは月間3000万人以上に使ってもらっているサービスなのに認知率は非常に低く、大多数のユーザーが自身の利用しているサービスをマイベストであると認識せずに使っています。

これは非常にもったいないことなので、ブランディング言語化やコンセプト作成等デザインの力でブラッシュアップできると感じてはいるもののうまくその価値を経営に伝えられていません。

他にも社内コミュニケーションの円滑化やサービスのUX戦略策定など、やりたいことはあるもののまだ実行には至っておらず課題感があります。

メンバーのデザインスキル向上のためのアクション

私自身にデザインスキルがないので直接的にメンバーのスキル向上に貢献できず、またどのようなアクションをとればスキルが向上するかのアドバイスもできていません。

シニアなデザイナーの方に業務委託でデザインレビューに入っていただく形もトライしてみたのですが、うまくワークしませんでした。

デザイナー間での相互レビューは行っているものの、つっこんだ議論や指摘をする場面はまだ少なく改善の余地はありそうです。

Design Managerを経験したことでの学び

Design Managerになってすぐは、自身の専門性以外のチームをマネジメントすることに対しての後ろめたさがあったり、正直うまくマネジメントできる自信はありませんでした。女性のメンバーをマネジメントする経験も初めてで、どのような距離感で接するべきか悩んだ時期もありました。

ですが、今回の経験を通じて私がこれまで積んできたマネジメントの経験やスキルはエンジニア組織以外にも適用できるという自信がつきました。

また、エンジニアとデザイナーのマネジメント両方を行っていることで、開発組織全体の組織設計や課題解決を行う際にクイックに意思決定とアクションができるという副次的な効果もありました。

一方で、着任当初は不慣れなこともありデザイン組織のマネジメントがマインドシェアの多くを占めてしまい、EMとしての業務もある中でキャパオーバー気味になってしまいました。特に人事評価の時期は忙しさから自分のコンディションが悪くなりがちでした。

デザインの専門性がないことでメンバーの業務理解が一定以上深まらないことや専門性を直接伸ばしてあげられないことは、着任当初から覚悟していたものの力不足を強く感じます。

おわりに

スタートアップにEMとして転職して3ヶ月でDesign Managerを兼務するというのは私にとって大きなチャレンジでしたが、何もわからない状態の自分を受け入れ前向きに組織課題に向き合ってくれたメンバーには感謝しかないです。

今後は組織内でのデザイナーの存在感をより高めていくとともに、社外のデザイナーとの交流ももっとやっていきたいと思っています。

それでは皆さんよいお年を!

*1:他社のデザイナの方と話した感じ、デザイナーという職種にそういった傾向があるのかもしれません

*2:前々職の同僚だったデザイナーと飲み屋で会って話して一瞬で決まった




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