🌸 静かな花の詩 —「光の縁で」

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花びらの縁に
朝の光がそっと触れると
世界はまだ
誰にも気づかれていない温度で満ちていく。
その一瞬だけ
色は呼吸をはじめ
影はやわらかく揺れ
静けささえも
小さな音を立ててほどけていく。
私はその光景の前で
何度も立ち止まってしまう。
忘れていた記憶が
花の香りに溶けて
胸の奥で
ゆっくりと目を覚ますから。
花は何も語らないけれど
沈黙の中には
「大丈夫だよ」という
見えない手の温度がある。
今日もまた
花びらの縁に宿る光が
私をそっと
やさしい方へと導いていく。