
楓に包まれた古寺庭園 — しずかな秋の詩
山道を抜けると
ぴんと澄んだ空気と静けさが待っていた
古びた山門は
風と雪にけずられ 深いきざみをもつ
門をくぐれば
楓の紅葉に包まれた まるで別世界
庭は 赤や金の葉でいっぱい
夕暮れの雲をとってきたみたいに
枝には色のグラデーションがあふれている
池には 赤と金がゆらめき
苔むした灯籠には
そっと置かれた落ち葉が 季節の贈り物みたい
足を踏みしめるたびに カサリと音がし
遠くから お寺の鐘がゆっくり響く
ほのかな線香の香りが
胸の奥までしみこんでいく
ここは ただ「見る」場所じゃない
色も香りも音も 息の中に入り
過ぎていく時間まで 染めてしまう