
白磁の器に舞い降りる紅梅は
冬の名残をそっと溶かす春の灯
指先に宿る風は、そよぐ命を整え
花のひそやかな吐息を纏わせる

絹の波がゆるりと流れる友禅の着物
西陣織の帯は朝の光をほのかに映し
静寂に溶ける五本の指が
春の風をすくい上げるように梅を活ける

障子の向こうに広がる庭の調べ
池は空を抱いてさざめき
鯉のひと跳ねが時の静けさを染める
松の緑、苔の香、石の冷たさ——
すべてが調和し、夢のように時を包む

香りはやがて座敷の奥へと満ち
五感のすべてが「美」と「和」に染まりゆく
一輪の花が春の息吹を宿し
心の奥へ静かに彩を添える