藤の花香る恋の詩歌
磯城島の大和の国、
人々のざわめきは遠く霞み、
ただあなたへの想いだけが、
藤の蔦のように心を絡め取る。

その花房からこぼれる香りは、
甘く切なく、夜風に溶けて広がり、
私の胸をさらに焦がす。
若草が春の陽に輝くように、
あなたの面影が心に瑞々しく咲き誇る。

逢いたいと願うたび、
藤の花の香りが濃くなるように、
恋は深まり、夜は長くなる。
星々も眠るこの闇に、
あなたへの想いだけが明かりとなり、
その香りに包まれながら、
私はただ一人、あなたを夢見る。

万葉集/詠み人知らず
「磯城島(しきしま)の 大和の国に 人さはに 満ちてあれども
藤波の 思ひもとほり
若草の 思ひつきにし
君が目に 恋ひや 明かさむ
長きこの夜を 」を私なりに解釈しました