足和田健という名義で「ダンサー・イン・ザ・スーサイドフォレスト」という小説を書き、送ったところ、第56回新潮新人賞の最終候補5作に選ばれました。が、落ちました。自分でいうのもなんですが、かなり惜しかったらしいですよ(悔し紛れのウソじゃないよ!!)。そんな諸々についてメモ。


応募作について
「ダンサー・イン・ザ・スーサイドフォレスト」は青木ヶ原樹海で音を採取してDTMをする少年の話。いわゆる樹海の死のイメージみたいなものに揉まれながら、偶然出会った隣人と樹海で工作したりする、ハートフルなビルドゥングスロマンです。
195枚なので短〜中編サイズになるのかしらんけど、30枚以上の小説は初めて書いた。猛烈に執筆したのは去年の8月頃で、その前後で触ったり触らなかったり、チョボチョボ改稿をしていて、だいたい1年くらい取り組んでいたと思います。それで今年3月末の応募〆切ギリギリに提出。
それから数ヶ月経った某日、電話で連絡がきた(その時期に最終候補選出の連絡が来ることはインターネッツで知っていたので、興奮気味に電話をとったと思う)。最後の著者校正をして提出→選考会の結果待ちという流れの中で夏がほぼ過ぎ、涼しくなったら落選していた。そんな感じだったので、この夏覚えていることといえば、小説以外では、スーパーの茹でずに食べれる冷やし中華がマジでまずかったことくらい(いや、誇張している。ユリイカの寄稿などがありました)。
編集部のSさんには大変お世話になりました。著者校正のアドバイスをいただいた際にも、まじで読み込んでくれていて、それだけで超嬉しかった。普段ライター仕事でもらうフィードバックとは全然違うというか、そりゃボリュームとかタイムスパンとかの問題で当たり前なんだけど、必ずしも誌面に載るわけでもないのにガチでガチだったのが非常に印象的。落ちた際にも選考会の様子を長文のメールで送ってくれて、実際ガチ落ち込んでたので救いになった。次頑張ります、ほんとに。
選評について(新潮2024年11月号)
雑誌を開いて驚いたのは、小山田浩子さんの選評タイトルが「『ダンサー・イン・ザ・スーサイドフォレスト』を推す」だったこと。マジかよ。小山田さんと上田岳弘さんは拙作を最も高く評価していたらしいし、金原ひとみさんも「回が違えば余裕で当選したはず」と激励してくださっているので、そのあたりの言葉は次作への肥やしとして、粛々と、まんまと真に受けておきたい所存。一方、大澤信亮さんの選評はガチ辛辣でワロタ。「ドヤ顔で書いてんの、見えてるかんな!」というメッセージにはブッ刺さるところがある(又吉さんも似たような感想だったのだと思う)。執筆中のおれの顔、勝手に覗かんでくれや……マジで精進したいです。
共通して評価された点としては、ゴリラ。拙作には一瞬ゴリラが登場するが、「各々の選考委員がゴリラについて言及するゴリラタイムが発生した」(金原)らしい。一方、共通して減点された箇所としては、作中作。拙作では14000字くらいの知らないおじさんのブログ記事が割り込んでくるので、それです。総合すると、ゴリラを増やしてブログを削れば受賞したのかもしれない(ダウト)。
大まかな流れとしては、拙作を含む3作が受賞ラインに並び、しかし3作とも通すわけにはいかないから多数決で決めたということらしい(上田さんの「相対評価という傲慢」という選評タイトルはそんな事情を指している)。「3作受賞でもええやん!」となるような作品を作れなかったことが問題である、とひとまずは考えるしかないので、それはもう、やっていくしかないです。
ともあれこうした批評の機会をいただけたことに感謝しつつ、受賞されたおふたりには巨大なリスペクトを示したい。受賞作にはさっと目を通しただけだけど、竹中さんは超いい感じのアンビエンスがあるし、仁科さんは絶対真似できない感じの言葉の個性があった。おふたりのこれからの活躍を楽しみにしています。
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自分は3月末の公募〆切に向け、また書き始めているところです。ので、SNSからできるだけ離れるよう努力したい。努力である。連絡がある方はメールかDiscordよりいただけると助かる。
あと、もしかすると今作をインターネッツに放流するかもしれないです。しないかもしれないが、わからない。