映画『アジアの純真』を見た。
俺のための映画だろ。
多分日本人としての罪悪感みたいなものとかがない人にはあまり伝わらない気がするが、少なくとも俺にはよく伝わった。俺の心象風景をよくぞ描いてくれた。
排外主義者の日本人に姉を殺された妹が復讐のために朝鮮への憎悪を煽る人たちを標的に毒ガスでテロ攻撃をする話だ。それに姉の死の際に見殺しにした日本人の少年が罪悪感からついていくんだなあ。2002年が舞台らしいが、拉致被害者の会合が標的だった。何もかもがめちゃくちゃになった今見ると、被害者なら朝鮮に恨みを持ってもしゃーないかという気もする(もちろん拉致なんて戦争犯罪に比べたらとも思うけども、殊更に叩く気にもなれんしな)。時代が変わったんだなあと思う。これ、今公開されてたら監督襲撃されかねないな。
テロった後に「世界変わんの?」と罪悪少年が問いかけて復讐少女がキレるところは本当によかった。そうなんだよな。どんなに頑張っても世界をよくすることって、難しいんだよな。自分が傷つくだけで終わってしまうんだよな。
あと、今までずっと在日差別の話をしていたのに、急にパレスチナの話が出てきた場面とか感動した。俺にとってあまりにも自然だったから。日本が犯したアジアへの侵略の罪について考える。すると、今も経済的にアジアの人たちを搾取している現実に目を向けなければならなくなる。そしてそれはアジアだけではない。パレスチナへの侵略に加担しているのである。
やり場のない自責感ばかりでしんどいよ。罪に加担するのを避けるのは、アラブに渡るとか思い切ったことをしないと不可能なんだな。もっと穏健なやり方もあるだろうけど、それも思い切りが必要だ。そこに踏み出す勇気がない自分が許せないんだな。そうそう、朝鮮人も日本人も自分も嫌いだ、という復讐少女の叫びはよかった。何もかも許せなくなるんだよ。罪悪少年の自分の犯した罪を被害者の復讐少女に伝えたいという欲望も、許されたいという欲望も最高だった。よりにもよって復讐少女に「姉さんは僕を許してくれるだろうか」を聞いてしまう。その情けなさ、独りよがりさ、まるで俺を見ているようだった。
本当にありがたい映画だった。俺の気持ちをよくぞ描いてくれた。救いになった。
きっとこうやってやり過ごすしかないんだろう。