参政党の支持率が飛躍的に伸び始めた6月半ばくらいから、ずっと辛い。
「なんでも政治の文脈で解釈されるようになってるよね。『CLANNAD』だって今やったら家族家族って参政党か!? って言われるかもしれないじゃん」
ある人にこの前言われた言葉だ。そうだ。世界のあらゆることが政治化している。僕がおかしくなったのか? それとも世界がおかしくなったのか?
僕だって元々はよくわからない対象にキレるから面白い芸風だったはずなのだ。花田十輝にキレている回がこの退エピの中で一番好きなのだとみやまくんは僕に言った。ところが、今はどうだ。阪神ファンにキレてどうする。天皇にキレてどうする。何にも面白くないじゃないか。
そうだ。政治の引力から逃れることが大事だ。それもただ政治の話をしないというだけではない。政治に夢中になっている人たちをそこからズラすような営みが大事なんだ。今気づいた。
僕はみんなを政治に引きずり込もうとしていた。世界がこんなことになっているのに政治にかかわろうとしないやつはクズだと罵り続けてきた。
そして今は皆既月食が話題みたいだった。月食なんかの話をするな。世界がこんなことになっているんだぞ。そう言いたい気持ちが湧き出てくる。
違う。
そうじゃない道を選びとらないとダメだ。
外に出た。着の身着のままだったから上は下着のままだ。そのまま月を探して歩く。右を見ても左を見ても、どこにも見当たらない。さらに歩く。
駅前の広いところに出た。目の前に、ちょうど皆既が終わったばかりの月が現れた。上部をすこしだけ白く光らせた赤い月だった。
こうやって外に出ていこう。政治の空間から外に。今度は僕がみんなを誘って。もちろんみんなというのは、参政党のみんなのことだ。月に誓った。