ずっと『カードキャプターさくら』の曲を聴いていた。
1期のEDの「Groovy!」は広瀬香美が歌っているのだが、ふと氏の代表曲「ロマンスの神様」を聴いてみた。
1993年にリリースされた本曲は、「恋愛至上主義」社会で合コンに明け暮れる女性を歌ったバブルの残香漂う歌詞だ。
「勇気と愛が世界を救う」というなんとも空虚なスローガンから歌詞は始まり、 「目立つには どうしたらいいの 一番の悩み」など語る能天気な人が「 年齢 住所 趣味に職業 さりげなく チェックしなくちゃ 待っていました 合格ライン 早くサングラス取って見せてよ」なんていう調子で合コンを繰り返していく。
いうまでもなく、僕はこういう人は苦手だ。今でもマッチングアプリに場所を変えて似たようなことは行われているのだろう。憎い。
でも同時に、羨ましさも感じた。「目立つにはどうしたらいいの」なんてのが一番の悩みだなんて。さぞ自由な景色が見えていることだろう。まさにさくらのEDで「Groovy Love Songハレハレルヤ! ヤなこと忘れ愛し合おう」と歌われているように、みんながこんな調子で生きていられたらなんて生きやすい社会になるだろうか。
と、一瞬考えた。
でも、
値踏みして値踏みされて、そんな場所で明るく生きていこうだなんてそんなの無理だ。だいいち、今までだって無理だったじゃないか。「明るく生きていこう」というメッセージがこの社会には溢れすぎている。「前向きに」「成長」していくことが幸せなんだと四方八方から語りかけてくる。確かにその方が幸せかもしれない。でもイライラする。みんな同じだったら面白くないじゃないか。そうしろそうしろと言われるから、前向きに生きられないとどんどん生きづらくなる。僕たちのことも見てくれよ!
俺だけはそんな人たちのことを見てあげたい。みんな、後ろ向きに退行していこう!
いや、そういうのも違うか。僕だって日々「成長」しようとしている。そうしないと自分自身がどんどん生きづらくなるからだ。退行しようなんていうのは無責任だ。じゃあどうしたらいい。わからない。辛そうな人に声をかける時、いつもかけるべき言葉を見失ってしまう。俺はどうしたらいい? 誰か教えてくれよ!