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来たれ、新たな民主社会主義ー21世紀の社会改良

 資本主義に代わる経済体制のことを示す最適な言葉が社会主義であるのなら、私は社会主義という言葉はまだ救う事ができる力のある言葉だと思う。フランスの経済学者でムーブメントを起こした政治経済学者トマ・ピケティは「来たれ、新たな社会主義」でそうした発信をしています。日本では社会主義という言葉は賛成も否定もなく死語になりつつあると感じます。社会主義の基本は共同で資産を所有すること。先日、とある労働組合の役員と話す機会がありましたが「町費は払っていないです。町費を払えば余計な仕事が増えるでしょ」と言い切った組合員がいて、どう言葉を返していいか分からなかったという話を聞きました。労働組合と町内会は全く別組織ですが、そうした言葉を聞いて随分悩みました。 

 

 再分配政策と私もよく使う用語ですが、全員の共有財産を皆でお金を出し合い必要に応じて活用する。これも立派な再分配政策で、もっと身近に感じられるように言葉を選んで使っていかないと思う反面、その難しさに直面する事もあります。私は縁あって労働組合に携わる事ができましたが、その組織において改善点はおおいにあると思います。前回は労働組合が再分配に力を発揮するテーマで書いてみました。今回は労働組合のアプローチとは違う側面から考えた「社会的富の公平分配」について考えたいです。

 ご縁がありこうして文章を推敲するなかで、最後はメーデーの雰囲気を少しでも味わえる文章にしていきたいです。最後はメーデー宣言(案)を採択いたします。それで「来たれ!新たな民主社会主義」の開会を宣言します。

 

プログラム 来賓挨拶*1

 

✳︎プロレタリアートはどのように生まれた?*2
 プロレタリアートは、産業革命によって成立した。産業革命はまずイギリスでおこり、その後世界のすべての文明国でくりかえされた。この産業革命は、蒸気機関、さまざまな紡績機、力織機、その他一連の機械装置全体の発明によって、ひきおこされた。機械は非常に高価で、したがって大資本家しか調達できなかったこれらのものが、これまでの生産様式を変化させ、これまでの労働者を排除したのであって、それは機械が、かれらの紡車や織機で労働者がつくりだしえたよりも、安価で良質の商品を提供することができたからである。こうして、これらの機械は、工業を全部大資本家の手にひきわたし、労働者のわずかな財産をまったく無価値にした。それで、資本家はすべてを手中におさめ、労働者にはなにものこらなかった。そして衣料製造に工場制度が導入された。機械装置と工場制度の導入への衝撃がひとたびあたえられると、この体系は、他のすべての工業部門へ、すなわち、繊維、捺染と書籍印刷、製陶、金属製品工業に適用された。労働は、個々の労働者のあいだで分割され、その結果労働者は以前ひとつの製品全体をつくっていたのが、現代では製品のひとつの部分をつくるにすぎない。この分業は、生産物を早く安く提供することを可能にした。それは、それぞれの労働者の作業を、単純なくりかえされる機械的な操作に帰着させた。その操作は、機械によって、おなじようによくなされうるだけではなく、もっとよくなされうるのであった。このようなやりかたで、これらすべての工業部門は、ちょうど紡績業や織物業とおなじように、つぎつぎと工場制度に服従した。それとともに、しかし、それらの工業部門は同時に完全に、大資本家たちの支配されたものであり、労働者たちはまた独立性をうばわれた。しだいに、本来の工場制手工業のほかに、手工業(個人事業主)もまた、工場制度の支配に服するようになったのであって、それは大資本家たちが、おおくの費用を節約でき、しかも労働を十分に分割できる大作業場を建設することによって、小規模手工業者を駆逐したからであった。こうしていまやわれわれは、全ての国ではほとんど労働部門が工場方式で運営され、手工業と工場制手工業が大工業によって駆逐されてしまっている、というところに到達した。従来の中間階級、とくに小手工業者は破滅し、以前の労働者の状態はまったく変化し、他を全て呑み込むふたつのあたらしい階級がつくりだされた。

Ⅰ 大資本家の階級、これは、すべての文明国で、いまではすでにすべての生活手段と、その産出に必要な原料と手段を、ほとんど排他的に所有している。これがブルジョワ階級すなわちブルジョワジーである。  

Ⅱ まったくの無所有者の階級、これは、自分たちの生計維持に必要な生活手段をえるためには、自分たちの労働をブルジョワジーに売ることにたよっている。この階級を、プロレタリア階級すなわちプロレタリアートとよぶ。

✳︎新しい社会制度というのはどういうものか*3
 それには何よりもまず、工業及び生産部門の経営を個別的なたがいに競争している諸個人の手から取り上げて、これらの生産部門を社会全体によってすなわち共同の計算や共同の計画により、社会の全ての構成員の参加のもとに経営されるようにしなければならないだろう。それはこうした競争を廃棄し、かわりに連合体をおく。ところで個人による産業経営はその必然的な結果として私的所有を持つ、競争は個別的な産業経営とあり方とやり方以上のものではないから私的所有はそれらから切り離しはえない。だから私的所有は廃止されないといけないし、全ての生産用品の共同利用と全ての生産の合意による分配あるいは財産共同体が現れる。私的所有の廃止は産業の発展から必然的に出てくる社会改造のもっとも短く、特徴的なものであり共産主義者としての要求として当然だ。

✳︎共産主義者社会主義者はどう違う?*4

 社会主義者は3種類ある。1つ目は大産業、世界商業とそれらに作られたブルジョワ的な社会によって絶滅されつつある封建主義と家父長制の反動的な社会主義者から成り立つ。この種類の社会主義者現代社会の諸害悪からこう結論する。封建主義と家父長制は再建されねばならないと。この種類の反動的社会主義者プロレタリアートの貧困に対する彼らの表面的な共感と熱い涙は常に共産主義者によって攻撃される。なぜなら

1.不可能な事を目標としている

2.貴族、ギルド親方、工業制手工業者とそれに伴う封建的な国王、官僚、軍人と聖職者の支配を戻そうとしている。そ確かに現在の社会的諸弊害から自由のかわりにそれ以上の諸弊害があった。その上に抑圧された労働者の共産主義組織に解放される見通しを一つも示さない。
3。プロレタリアートが革命的で共産主義者になるときは必ず本性を見せて、ブルジョワジーと同盟しプロレタリアと対抗する。

 2つ目はブルジョワ社会主義者であって、その社会が起こす悪による現在の社会の終わりを恐れる。ゆえに現在の社会の維持であるが、それに伴う弊害を消そうとする。慈善的な提案する一方で雄大な改良方式を提案する。社会を再組織する事を名目に社会の基礎の維持を図る。このブルジョワ社会主義者共産主義者から攻撃を受けざるを得ない。何故なら共産主義者の敵のために働き、共産主義者が打倒したい社会を擁護するからである。

 3つ目は民主社会主義者であって、質問18*5に述べた政策の一部に賛成する。しかしその政策を共産主義への移行ではなく、その政策を現在の社会貧困と害悪を消すために十分である政策として見ている。その民主的な社会主義者は十分に啓蒙されていないプロレタリアか、民主主義とそれによる社会主義的な政策の達成までに多くの点でプロレタリアートと同じ利害を持つ小市民である。共産主義者は行動の時に民主社会主義者と妥協し、共同の政策を守るべきである。その民主社会主義者が支配しているブルジョワジーと同盟し、共産主義者を攻撃しない限りは。無論、共同関係においても彼らとの相違点について議論を排除しないものとする。*6

来賓 カール•マルクス フリードリヒ•エンゲルスー「共産主義の諸原理」より。Marxists Internet Archiveの日本語訳、経済学者、社会思想学者の故水田洋名古屋大学名誉教授の訳を参考にしています。

 

 プログラム 実行委員長挨拶

 皆様!おはようございます!「来たれ!新たな民主社会主義」実行委員会のレバ子です。*7素晴らしい晴天のなかで、全世界の皆様方にご参集していただきました。また本日はご来賓として、科学的社会主義理論の創始者であるカール•マルクス様、その理論を体系化なされたフリードリヒ•エンゲルス様にお越しいただいています。ご多用のなかご臨席頂いた方々に、会場全体の拍手で感謝の意を表したいと思います。

 さてマルクス様、エンゲルス様の生国ドイツにおいて現在は労使同権の共同決定制度が導入されております。労働者代表を企業経営に参画させ、意思決定を行う制度であり意思決定機関である「監査役会」に中規模の会社は構成員の3分の1、大企業なら2分の1は労働者代表でないといけない制度です。「監査役会」は 取締役員の任免、投資計画、人員計画、賃金の決定等について強い権限を持ち、言わば企業内権力の再分配とも言えます。(独立行政法人労働政策研究•研修機構  デジタルプラットフォームが共同決定制度を導入ーhttps://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2019/01/germany_01.html社会主義という概念は日本においては、民営化の対となる「国有化」というイデオロギーが広く浸透してしまっているという現状があります。アメリカのフォーブズ誌では、現代の若者は「自分が属するコミュニティーをより良くすることは、リーダーひとりのせいにするのではなく、メンバー全員が負うべき責任だ」と考え、そうしたなかで80年代から民主社会主義者であるバーニー•サンダースに共鳴するという解説がありました。資本主義の暴走に歯止めをかける思いつく良い言葉がないのなら、「社会主義」という言葉はまだ救う事ができる力ある言葉だと私も確信しています。こうしたなかでアメリカで社会主義に惹かれる若者達の間では「労働者協同組合」が再注目されています。世界恐慌のさなかで、1934年に信用組合法が成立し「協同労働(ワーカーズコープ)」の活動も約7000人、総売上高も4億ドルを超えるようになりました。労働者が組織し、自らの手で事業を行う。こうして聞くと日本の労働組合も賛成意見が多いように想像できますが、伝統的に日本の労働組合はベアトリス•ウェッブの労働組合主義の影響を受けている団体が多く、協同労働には否定的な意見も多かったです。ベアトリスは英国の社会主義運動、労働運動の理論的な指導者の1人でしたが「資本の不足」「販路の不足」「経営管理上の訓練の不足」からこうした労使共同所有の形態には否定的でした。当然私達の同志の中にも協同労働については否定的な見解を持つ先人達は多く存在しました。科学的社会主義国家として、ユーゴスラビアも「自主管理社会主義」という労働者自ら運営、予算の配分を決めるシステムがありました。オイルショック以前は東側国家において、その経済成長率は他を圧倒していました。西側でもイスラエルには「キブツ」と呼ばれる協同組合があり、バーニー•サンダースも一時期参加していました。彼の社会主義思想はキブツから始まったとも言われます。もちろん全ての企業が一斉に協同組合化すれば、良いというわけではないです。ユーゴスラビアの場合は自主管理社会主義の構造において経済悪化から汚職が頻発し、後のユーゴ解体に繋がったという指摘があります。ただ漠然と前例を踏襲するばかりではなく、目指す社会像に対して、旧来の発想から転換する事は必要だと感じます。日本でも「労働者代表制」を含め、労働者も企業経営についてその権限を「再分配」する事で積極的に参加していくという取組は徐々にですが、始まろうとしています。今後の改革、改善が待たれるでしょう。

 労働組合運動は21世紀に入り、組織率低下という問題点も抱えつつ現代資本主義に対抗する中間組織の意義としてますます重要視されています。世代年代、組織、アイデンティティを越えた多くの仲間と連帯する意味はもはや教条主義にも近い極右ポピュリストとの対決において、社会の変革が求められています。この青空の元、スローガンである「21世紀の社会改良」の中で労働組合も「参加型社会主義」を目指して、運動に邁進する役割と責任を果たしていく事を本日確認し、代表としてご挨拶といたします。共に頑張りましょう!

 

プログラム アピール

  「協同労働の協同組合」法制化をめざす市民会議の会長はかつて日本労働組合総連合会の会長であった笹森清さんであり、連合が組織あげて法案に賛成しているという当時の報道もあったそうですが、事実は反対論の方が圧倒的に多かったです。労働者であり、経営者という曖昧な立場から労働基準法の「労働者性」から保護されるのか?という懸念点は多くありました。東西冷戦が終結し、旧来の保守革新の定義が再び再構築が必要だと考えられるなか、既存組織は新しい運動に積極的になる事も必要です。

 週刊DIO2020年2月号の特集記事「労働組合労働者協同組合の連携について」ーhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/rengosokendio/33/2/33_12/_pdf に書かれているように職場の意思決定においても労働者の意見が反映されるように仕組みを整えていく事が「社会的富の公平分配」に繋がると考えます。これについては立憲民主党所属の小川淳也代議士が2023年に「スペイン•バスク地方モンドラゴン協同組合」の視察について協同労働の再分配システムについて意見を述べています。(https://www.junbo.org/media/0uann6c-2b42

 こうした協同労働について、どの国政政党よりも熱心に活動していたのは民主党でした。「同質の協力は和にしかならないが、異質の協力は積になる」。協同労働に反対論が多いなか、あえてその旗振り役となった笹森清さんが好んで使った言葉であり私もお聞きしました。ハイパー資本主義を修正するためには、当然既存の方法だけでなく、働き方、生き方、また暮らし方について皆が何が最善か考えて実践していく事が益々重要になっていきます。

 

プログラム 「新たな民主社会主義」宣言(案)

 本日私たちは「来たれ!新たな民主社会主義」を発表する。ハイパー資本主義から働く人を守る言葉が社会主義ならば、私達は率先して民主社会主義の同志を結集していく。働くことの尊厳を守り、働く者の多様な思いを集結させる「21世紀の社会改良」の重要性を再確認し、この喜びを皆で分かち合おう。

 国内に目を向けると、右翼ポピュリストによる排外主義、反動主義が蔓延し冒険主義とも言える過激な活動を今社会に大きな痛みを与えている。反面、左翼に擬態した急進的ネオリベラリストが「公助」を攻撃し、社会の脆弱さを明らかにした。こうした勢力と対決し、持続可能の未来を建設するために運動を継続していこう。

 教育、医療、福祉といった社会保障は、セーフティネットとして今後多様性に適応した構造に変革する日が到来するが、教条主義に陥った新自由主義者達はその削減論を主張してやまない。暮らしを守る取組を最優先で行い、民主社会主義者として多様な市民と連携し 自由、平等、友愛の精神を重んじる社会を築いていこう。

 一方、国際社会に目を向ければ権威主義体制がグローバル企業やテック産業に力を持ち、市民のインフラをフリーライドをし、再分配の原資を不当に独占し人権侵害も正当化する国家や資本が自由で民主的な社会を破壊しようとしている。持続可能な社会を目指して、封建領主と化した一部の国家指導者と明確に対決し万国の市民と連帯し、自由放任経済から社会的連帯経済を目指して新自由主義型グローバリゼーションを打破しよう。

 私達、労働運動は誰1人取り残さないという社会を目指すと言いながら実態はビジネスユニオニズムに絡め取られて、21世紀が到来した四半世紀あまりにおいて福祉国家が否定され労働組合自体の存在が労働者の支持を得ているものだと言い難い情勢となった。私達は繋がって支え合うという原点をもう一度見つめ直し、様々な団体、個人と連携することで不平等や格差社会を肯定する勢力と必ず打ち勝つ運動を展開する。民主社会主義を基本とした1人1人が人間として尊重される未来を力を合わせて建設していこう。

以上ここに宣言する。

 

 ご来賓のカール•マルクス様が「共産党宣言」を世に広めたのは、1848年でした。日本史においては東郷平八郎が生まれた年と同じです。この時代はまだ幕藩体制が揺るがない時代において、一部地域では共産主義イデオロギーの萌芽が誕生していました。当時の長州藩マルクス主義は伝播されていたら、明治維新は違う革命になっていたでしょうね。あり得た歴史かもしれないです。トマ•ピケティら一部の政治経済学者が議論するように、行き過ぎたハイパー資本主義に対しては、改革は急務です。富裕層も再分配の必要性を感じている人もいますが、封建体制のような時代に戻すような動きもあります。民主社会主義者であるバーニー•サンダース、修正資本主義を唱えるエリザベス•ウォーレンは富裕税の必要性を説き、一部富裕層も賛同している報道はあります。(格差拡大を食い止めろ…超富裕層への増税を要請した億万長者たちーhttps://www.businessinsider.jp/article/201997/)東西冷戦が終結し、イデオロギー論がまさにフラットな視点で議論できる現在の環境こそが、社会改良主義が再び力を盛り返すきっかけになればいいと思います。

 社会主義インターナショナル「フランクフルト宣言」には明確に「社会主義は生産手段を所有・管理する少数者への依存から国民を解放することを目的とする。社会主義はすべての国民の手に経済の決定権を与え、自由な人間がそれぞれ平等な資格で共に働く共同社会を作りだすことを目的とする。」と書かれています。全ての国民が決定権を持つ事、ソ連が崩壊し社会主義は一度原点を見直す必要があります。社会主義という言葉自体はソ連マルクス主義以前からあった言葉なので、幅広く百家争鳴なハイパー資本主義の修正案を多くの人が議論でき、実践できる環境を私もできるだけ目指していきたいと強く感じています。マーガレット•サッチャーの発言「社会はない。あるのは個人と家族だけ」という言葉は間違っていますね。社会はある。個人一人一人尊重されるような社会が民主主義であり、その一人一人が自己決定権を持ち共同体に参加できる事が民主社会主義だと確信しています。

*1:共産主義の諸原理よりーThe Principles of Communism  日本語訳ーhttps://www.marxists.org/nihon/marx-engels/1847/kyosan-shugi-no-kiso.htm

*2:質問4

*3:質問14

*4:質問24

*5:共産主義の諸原理」質問18には後の共産党宣言同様、マニュフェストが掲載されています

*6:反動社会主義者は当時ドイツ帝国支配層の「アメとムチ」政策など、封建勢力による一定の緩和策の事を念頭においています。ブルジョワ社会主義者は宗教家や慈善家、政治改革者などブルジョワ階級の改良主義者の事で、後の著書でも批判的です。政治改革者は日本史で例えるなら自由民権運動の活動家などブルジョワ民主主義者の事を指します。

*7:@laborkounion.bsky.social on Bluesky




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